メマリー錠5mg/メマリー錠10mg/メマリー錠20mg/メマリーOD錠5mg/メマリーOD錠10mg/メマリーOD錠20mg 盐酸美金刚片 MEMARY TABLETS (Memantine Hydrochloride ) メマリー錠
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作成又は改訂年月
**2014年5月改訂(第6版)
*2013年12月改訂
日本標準商品分類番号
-
87119
日本標準商品分類番号等
-
国際誕生年月
-
2002年5月
薬効分類名
NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤
承認等
-
販売名
メマリー錠5mg
販売名コード
1190018F1023
承認・許可番号
-
承認番号
-
22300AMX00423
-
商標名
-
MEMARY TABLETS
薬価基準収載年月
2011年3月
販売開始年月
2011年6月
貯法・使用期限等
貯法
-
室温保存
-
使用期限
-
包装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
劇薬
-
処方せん医薬品※
-
※注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
1錠中に次の成分を含有
-
有効成分
-
メマンチン塩酸塩5mg
-
添加物
-
乳糖水和物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄、カルナウバロウ
性状
剤形
-
フィルムコーティング錠
-
色
-
淡赤色~帯黄淡赤色
-
外形

-
大きさ(mm)
-
6.1(直径)
-
厚さ(mm)
-
約2.7
-
重さ(mg)
-
約84
-
識別コード
-
MM5
-
販売名
メマリー錠10mg
販売名コード
1190018F2020
承認・許可番号
-
承認番号
-
22300AMX00424
-
商標名
-
MEMARY TABLETS
薬価基準収載年月
2011年3月
販売開始年月
2011年6月
貯法・使用期限等
貯法
-
室温保存
-
使用期限
-
包装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
劇薬
-
処方せん医薬品※
-
※注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
1錠中に次の成分を含有
-
有効成分
-
メマンチン塩酸塩10mg
-
添加物
-
乳糖水和物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、カルナウバロウ
性状
剤形
-
フィルムコーティング錠
-
色
-
白色~帯黄白色
-
外形

-
大きさ(mm)
-
7.1(直径)
-
厚さ(mm)
-
約3.1
-
重さ(mg)
-
約130
-
識別コード
MM10
-
販売名
メマリー錠20mg
販売名コード
1190018F3026
承認・許可番号
-
承認番号
22300AMX00425
-
商標名
-
MEMARY TABLETS
薬価基準収載年月
2011年3月
販売開始年月
2011年6月
貯法・使用期限等
貯法
-
室温保存
-
使用期限
-
包装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
劇薬
-
処方せん医薬品※
※注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
1錠中に次の成分を含有
-
有効成分
-
メマンチン塩酸塩20mg
-
添加物
-
乳糖水和物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、カルナウバロウ
性状
剤形
-
フィルムコーティング錠(楕円形・割線入)
-
色
-
白色~帯黄白色
-
外形

-
大きさ(mm)
-
12.1(長径)
6.1(短径)
-
厚さ(mm)
-
約4.4
-
重さ(mg)
-
約259
-
識別コード
-
MM20
-
販売名
メマリーOD錠5mg
販売名コード
1190018F4022
承認・許可番号
-
承認番号
*22500AMX01942
-
商標名
-
MEMARY OD TABLETS
薬価基準収載年月
**2014年5月
販売開始年月
**2014年5月
貯法・使用期限等
貯法
-
*室温保存
OD錠は湿気を避けて保存すること。
-
使用期限
-
包装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
劇薬
-
処方せん医薬品※
-
※注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
*1錠中に次の成分を含有
-
*有効成分
-
メマンチン塩酸塩5mg
-
*添加物
D-マンニトール、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、アルファー化デンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマーLD、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、クエン酸トリエチル、タルク、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、ステアリン酸マグネシウム、三二酸化鉄、香料
性状
*剤形
-
素錠 (口腔内崩壊錠)
-
*色
-
淡赤白色
-
*外形

-
*大きさ(mm)
-
6.1(直径)
-
*厚さ(mm)
-
約3.2
-
*重さ(mg)
-
約85
-
*識別コード
MMOD5
-
販売名
メマリーOD錠10mg
販売名コード
1190018F5029
承認・許可番号
-
承認番号
-
*22500AMX01943
-
商標名
-
MEMARY OD TABLETS
薬価基準収載年月
**2014年5月
販売開始年月
**2014年5月
貯法・使用期限等
貯法
-
*室温保存
OD錠は湿気を避けて保存すること。
-
使用期限
-
包装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
劇薬
-
処方せん医薬品※
-
※注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
*1錠中に次の成分を含有
-
*有効成分
-
メマンチン塩酸塩10mg
-
*添加物
D-マンニトール、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、アルファー化デンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマーLD、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、クエン酸トリエチル、タルク、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、ステアリン酸マグネシウム、黄色三二酸化鉄、香料
性状
-
*剤形
-
素錠 (口腔内崩壊錠)
-
*色
-
淡黄白色
-
*外形

-
*大きさ(mm)
-
7.6(直径)
-
*厚さ(mm)
-
約3.6
-
*重さ(mg)
-
約140
-
*識別コード
-
MMOD10
-
販売名
-
メマリーOD錠20mg
販売名コード
1190018F6025
承認・許可番号
-
承認番号
*22500AMX01944
-
商標名
-
MEMARY OD TABLETS
薬価基準収載年月
**2014年5月
販売開始年月
**2014年5月
貯法・使用期限等
貯法
-
*室温保存
OD錠は湿気を避けて保存すること。
-
使用期限
-
包装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
劇薬
-
処方せん医薬品※
※注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
*1錠中に次の成分を含有
-
*有効成分
-
メマンチン塩酸塩20mg
-
*添加物
D-マンニトール、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、アルファー化デンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマーLD、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、クエン酸トリエチル、タルク、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、ステアリン酸マグネシウム、香料
性状
*剤形
-
素錠 (口腔内崩壊錠)
-
*色
-
白色~微黄白色
-
*外形

-
*大きさ(mm)
-
9.1(直径)
-
*厚さ(mm)
-
約4.9
-
*重さ(mg)
-
約280
-
*識別コード
-
MMOD20
一般的名称
メマンチン塩酸塩製剤
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
通常、成人にはメマンチン塩酸塩として1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口投与する。
1.効能又は効果に関連する使用上の注意
-
2.アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
-
本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
-
3.アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。
用法及び用量に関連する使用上の注意
-
1.
-
1日1回5mgからの漸増投与は、副作用の発現を抑える目的であるので、維持量まで増量すること。
-
2.
-
高度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満)のある患者には、患者の状態を観察しながら慎重に投与し、維持量は1日1回10mgとすること(「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照)。
-
3.
-
医療従事者、家族等の管理の下で投与すること。
-
4.
-
*OD錠は口腔内で速やかに崩壊するが、口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する薬剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むこと。
使用上の注意
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.
-
てんかん又は痙攣の既往のある患者[発作を誘発又は悪化させることがある。]
-
2.
-
腎機能障害のある患者[本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能障害のある患者では排泄が遅延する(「用法及び用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)。]
-
3.
-
尿pHを上昇させる因子(尿細管性アシドーシス、重症の尿路感染等)を有する患者[尿のアルカリ化により本剤の尿中排泄率が低下し、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
-
4.
-
高度の肝機能障害のある患者[使用経験がなく、安全性が確立していない。]
重要な基本的注意
1.
-
投与開始初期においてめまい、傾眠が認められることがあるので、患者の状態を注意深く観察し、異常が認められた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
また、これらの症状により転倒等を伴うことがあるため、十分に注意すること。
-
2.
-
通常、中等度及び高度アルツハイマー型認知症では、自動車の運転等危険を伴う機械の操作能力が低下することがある。
また、本剤により、めまい、傾眠等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
-
3.
-
他の認知症性疾患との鑑別診断に留意すること。
-
4.
-
本剤投与により効果が認められない場合、漫然と投与しないこと。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
ドパミン作動薬
レボドパ等
-
臨床症状・措置方法
-
ドパミン作動薬の作用を増強させるおそれがある。
-
機序・危険因子
-
本剤のNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体拮抗作用が、ドパミン遊離を促進させる可能性がある。
-
2. 薬剤名等
ヒドロクロロチアジド
-
臨床症状・措置方法
-
ヒドロクロロチアジドの血中濃度を低下させる。
-
機序・危険因子
-
機序は不明である。
-
3. 薬剤名等
腎尿細管分泌(カチオン輸送系)により排泄される薬剤
シメチジン等
-
臨床症状・措置方法
-
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
-
機序・危険因子
-
本剤は一部が尿細管分泌(カチオン輸送系)により排泄されるため、同じ輸送系を介する薬剤と競合する可能性がある。
-
4. 薬剤名等
尿アルカリ化を起こす薬剤1)
アセタゾラミド等
-
臨床症状・措置方法
-
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
-
機序・危険因子
-
尿のアルカリ化により、本剤の尿中排泄率が低下するため。
-
5. 薬剤名等
NMDA受容体拮抗作用を有する薬剤
アマンタジン塩酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物等
-
臨床症状・措置方法
-
相互に作用を増強させるおそれがある。
-
機序・危険因子
-
両薬剤ともNMDA受容体拮抗作用を有するため。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内におけるメマリー錠承認時までの臨床試験において、1,115例中408例(36.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、めまい4.7%(52例)、便秘3.1%(35例)、体重減少2.2%(24例)、頭痛2.1%(23例)等であった。 〔承認時〕
重大な副作用
1. 痙攣(0.3%)
痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2. 失神(頻度不明注))、意識消失(頻度不明注))
失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3. 精神症状(激越:0.2%、攻撃性:0.1%、妄想:0.1%、幻覚、錯乱、せん妄:頻度不明注))
精神症状(激越、幻覚、錯乱等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
その他の副作用
1. 過敏症
-
1%未満
-
発疹
-
2. 精神神経系
-
1~5%未満
-
めまい、頭痛
-
3. 精神神経系
-
1%未満
-
傾眠、不眠、徘徊、不穏、易怒性、不安
-
4. 精神神経系
-
頻度不明注)
-
歩行障害、不随意運動(振戦、チック、ジスキネジー等)、活動性低下、鎮静
-
5. 腎臓
-
1%未満
-
頻尿、尿失禁、尿潜血、BUN上昇
-
6. 肝臓
-
1~5%未満
-
肝機能異常
-
7. 消化器
-
1~5%未満
-
便秘、食欲不振
-
8. 消化器
-
1%未満
-
消化管潰瘍、悪心、嘔吐、下痢、便失禁
-
9. 循環器
-
1~5%未満
-
血圧上昇
-
10. 循環器
-
1%未満
-
血圧低下、上室性期外収縮
-
11. その他
-
1~5%未満
-
血糖値上昇、転倒、浮腫、体重減少、CK(CPK)上昇
-
12. その他
-
1%未満
-
貧血、倦怠感、発熱、コレステロール上昇、トリグリセリド上昇
上記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
-
注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
-
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ウサギ)で胎児への移行が認められている。また、動物実験(ラット)で胎児及び出生児の体重増加抑制が認められている。]
-
2.
-
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
1.
-
症状(外国人における報告)
-
メマンチン塩酸塩400mg服用患者において、不穏、幻視、痙攣、傾眠、昏迷、意識消失等があらわれ、また、メマンチン塩酸塩2,000mg服用患者において、昏睡、複視及び激越があらわれ、それぞれ回復したとの報告がある。
-
2.
-
処置
-
過量投与に対する特異的な中和剤は知られていない。過量投与と考えられる症状がみられた場合には、投与を中止し、適切な対症療法等を行うこと。なお、尿の酸性化により、わずかに排泄が促進したとの報告がある。
適用上の注意
1. 薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
-
(1)
-
OD錠は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
-
(2)
-
OD錠は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。
その他の注意
ラットの高用量投与実験(メマンチン塩酸塩100mg/kg単回経口投与、25mg/kg/日以上14日間反復経口投与、又は100mg/kg/日14日間混餌投与)において、脳梁膨大皮質及び帯状回皮質に神経細胞の空胞化又は壊死が認められた。
薬物動態
(1) 単回投与
1)メマンチン塩酸塩錠2)
-
-
健康成人男性に、メマンチン塩酸塩錠5、10及び20mgを空腹時単回経口投与したとき、最高血漿中濃度(Cmax)と血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は投与量にほぼ比例して増加した。消失半減期(t1/2)は55.3~71.3時間であり、投与量による変化はみられなかった。
メマンチン塩酸塩錠単回経口投与時の血漿中濃度の推移

(表1参照)
-
(2)
-
*メマンチン塩酸塩OD錠3)
-
-
健康成人男性にメマンチン塩酸塩OD錠20mg(水なしで服用又は水で服用)又はメマンチン塩酸塩錠20mg(水で服用)を空腹時単回経口投与したとき、いずれの場合も両製剤の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは同様であった。メマンチン塩酸塩OD錠20mgは水なしで服用又は水で服用した場合のいずれも、メマンチン塩酸塩錠20mg(水で服用)と生物学的に同等であることが確認された。
(表2,3参照)
-
(3) 反復投与4)
-
アルツハイマー型認知症患者(10mg/日:11例、20mg/日:12例)を対象に、メマンチン塩酸塩錠1日1回(朝食後)5mgから開始し、1週間ごとに5mgずつ漸増し10mg又は20mgを維持用量として24週間反復経口投与したとき、血漿中濃度は投与4週後ではほぼ定常状態に達しており、その時の血漿中濃度は10mg/日群で64.8~69.8ng/mL、20mg/日群で112.9~127.8ng/mLであった。
-
2. 分布
-
アルツハイマー型認知症患者にメマンチン塩酸塩を1日10mg又は20mgで24週間反復経口投与したとき、脳脊髄液中濃度の血漿中濃度に対する比は10mg/日群で0.63、20mg/日群で0.72であった。また、涙液中への移行が認められた。
-
参考(動物実験)
-
ラットに14C-標識体を単回経口投与したとき、放射能は主として消化管内容物、陰茎、腎臓、尿路、肝臓、肺、副腎、涙腺、ハーダー氏腺、唾液腺及び脾臓に分布した。
ラットにメマンチン塩酸塩を混餌投与したとき、脳内メマンチンのAUCは血漿中メマンチンのAUCの18倍以上高かった。
また、妊娠中のウサギに14C-標識体を単回静脈内投与したとき、放射能は胎児に移行した。授乳期のラットに14C-標識体を単回経口投与したとき、放射能は乳汁に移行した5)。
-
3. 代謝
-
高齢男性にメマンチン塩酸塩20mgを単回経口投与したとき、投与後72時間以内に未変化体が34.1%、代謝物で
るフラノース型グルクロン酸が結合した抱合体が2.2%尿中に排泄された。
メマンチン塩酸塩は、ヒトチトクロームP450(CYP)分子種を発現した細胞を用いた検討で、ヒトのP450で代謝されにくいことが示された。ヒト肝細胞においてCYP1A2、2C9、2E1、3A4及び3A5を誘導しなかった。臨床用量における血漿中濃度付近(1μmol/L)で、ヒト肝ミクロソームにおける各P450活性、エポキシド加水分解酵素(EH)活性、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)活性、グルクロン酸転移酵素(UGT)活性及び硫酸転移酵素(SULT)活性を阻害しなかった。
-
4. 排泄(外国人における成績)
健康成人男性に、メマンチン塩酸塩5mgを1日3回経口投与し、定常状態に到達した13日目の初回投与時に14C-標識体5mgを経口投与したところ、総放射能の尿中への累積排泄率は投与20日後までに83.2±11.7%であり、糞中への累積排泄率は7日後までに0.54±0.41%であった。
-
尿pHの影響1)
-
炭酸水素ナトリウムを併用し、尿pHをアルカリ性状態にした場合には、メマンチンの全身クリアランス(CL/F)は単独投与時と比べて大きく低下したとの報告がある。
-
5. 腎機能障害患者での体内動態6)
本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能が低下する程度に応じて、本剤のt1/2の延長とAUCの増大が認められている。
メマンチン塩酸塩錠10mg単回経口投与時の腎機能障害患者及び腎機能正常者における平均血漿中濃度の推移

(表4参照)
表1 メマンチン塩酸塩錠単回経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量 |
n |
Cmax
(ng/mL) |
Tmax
(hr) |
AUC
(ng・hr/mL) |
t1/2
(hr) |
5mg |
6 |
6.86±0.66 |
5.3±2.1 |
489.4±51.0 |
55.3±6.4 |
10mg |
6 |
12.18±1.68 |
5.3±1.6 |
1,091.7±172.7 |
63.1±11.8 |
20mg |
6 |
28.98±3.65 |
6.0±3.8 |
2,497.6±482.8 |
71.3±12.6 |
表2 メマンチン塩酸塩OD錠20mg(水なしで服用)又はメマンチン塩酸塩錠20mg(水で服用)を単回経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量 |
n |
Cmax
(ng/mL) |
Tmax
(hr) |
AUC0-192h
(ng・hr/mL) |
t1/2
(hr) |
OD錠20mg
(水なしで服用) |
16 |
24.3±3.72 |
4.19±1.42 |
1,540±154 |
53.6±5.75 |
錠20mg
(水で服用) |
16 |
24.3±4.53 |
3.50±1.55 |
1,530±157 |
55.4±8.14 |
表3 メマンチン塩酸塩OD錠20mg(水で服用)又はメマンチン塩酸塩錠20mg(水で服用)を単回経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量 |
n |
Cmax
(ng/mL) |
Tmax
(hr) |
AUC0-192h
(ng・hr/mL) |
t1/2
(hr) |
OD錠20mg
(水で服用) |
15 |
24.9±2.37 |
4.80±2.11 |
1,510±114 |
47.8±6.96 |
錠20mg
(水で服用) |
15 |
25.8±3.07 |
4.40±2.29 |
1,540±140 |
48.0±7.63 |
表4 メマンチン塩酸塩錠10mg単回経口投与時の腎機能障害患者及び腎機能正常者での薬物動態パラメータ
腎機能
(Ccr) |
n |
平均Ccr(推定値)
(mL/min) |
Cmax
(ng/mL) |
AUC
(ng・hr/mL) |
t1/2
(hr) |
CL/F
(mL/min) |
CLr
(mL/min) |
正常者
(Ccr>80) |
6 |
91.1 |
12.66±2.14 |
1,046±82 |
61.2±7.5 |
133.0±9.6 |
82.2±19.8 |
軽度障害患者
(50≦Ccr≦80) |
6 |
62.7 |
17.25±3.94 |
1,640±180 |
83.0±17.0 |
85.3±8.8 |
62.1±10.9 |
中等度障害患者
(30≦Ccr<50) |
6 |
40.9 |
15.76±3.70 |
2,071±531 |
100.1±16.3 |
70.4±17.0 |
42.1±9.0 |
高度障害患者
(5≦Ccr<30) |
7 |
19.1 |
15.83±0.62 |
2,437±451 |
124.3±21.0 |
58.6±11.3 |
28.5±12.2 |
-
(mean±SD)
(mean±SD)
(mean±SD)
(mean±SD)
臨床成績
(1)中等度から高度アルツハイマー型認知症患者(MMSEスコア:5点以上14点以下、FASTステージ:6a以上7a以下)315例を対象にメマンチン塩酸塩錠10mg(5mg/日を1週間投与後、10mg/日を23週間投与:計24週間投与)又は20mg(5mg/日、10mg/日及び15mg/日をそれぞれ順に1週間投与後、20mg/日を21週間投与:計24週間投与)、もしくはプラセボを24週間投与する二重盲検比較(用量設定)試験を実施した7)。
認知機能を評価するSIB-Jにおいて、主たる解析では投与24週後評価のスコア変化量で用量反応性が認められ、また、副次的に実施した対比較の結果、プラセボ群とメマンチン塩酸塩錠20mg/日群の間に有意差が認められた(解析対象:260例、p=0.0029、Wilcoxon検定)。日常生活動作を評価するADCS ADL-Jにおいては、主たる解析では投与24週後評価のスコア変化量で用量反応性は認められず、また、副次的に実施した対比較の結果、プラセボ群とメマンチン塩酸塩錠20mg/日群の間に有意差は認められなかった(解析対象:260例、p=0.8975、Wilcoxon検定)。
-
(2)
-
中等度から高度アルツハイマー型認知症患者(MMSEスコア:5点以上14点以下、FASTステージ:6a以上7a以下)432例を対象にメマンチン塩酸塩錠20mg(5mg/日、10mg/日及び15mg/日をそれぞれ順に1週間投与後、20mg/日を21週間投与:計24週間投与)もしくはプラセボを24週間投与する二重盲検比較試験を実施した8)。
認知機能を評価するSIB-Jのスコア変化量を表に示す。SIB-Jにおいて、主たる解析である投与24週後評価のプラセボ群とメマンチン塩酸塩錠20mg/日群のスコア変化量の差は4.53点であり、両群間に有意差が認められた(解析対象:368例、p=0.0001、Wilcoxon検定)。最終評価時点においても両群間に有意差が認められた(解析対象:424例、p<0.0001、Wilcoxon検定)。
また、SIB-Jのスコア変化量の経時的推移でもメマンチン塩酸塩錠20mg/日群は24週間にわたってプラセボ群を上回った。
(表5参照)
全般的臨床症状を評価するModified CIBIC plus-Jの投与24週後評価の平均値を表に示す。メマンチン塩酸塩錠20mg/日群はプラセボ群を上回ったが、両群間の差は0.11であり、有意差は認められなかった(解析対象:367例、p=0.3189、Mantel検定)。
また、最終評価においても有意差は認められなかった(解析対象:425例、p=0.1083、Mantel検定)。
(表6参照)
-
2. 外国成績
-
米国において、ドネペジル塩酸塩の治療を6ヵ月以上受けている中等度から高度アルツハイマー型認知症患者(MMSEスコア:5点以上14点以下)403例を対象にメマンチン塩酸塩20mg(5mg/日、10mg/日及び15mg/日をそれぞれ順に1週間投与後、20mg/日を21週間投与:計24週間投与)もしくはプラセボを24週間投与する二重盲検比較試験を実施した9)。
-
(1)
-
認知機能を評価するSIBの最終評価時点のスコア変化量の最小二乗平均値を表に示す。プラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群の差は3.4点であり、両群間に有意差が認められた(解析対象394例、p<0.001、2元配置共分散分析)。
(表7参照)
-
(2)
-
全般的臨床症状を評価するCIBIC-plusの最終評価時点の平均値を表に示す。プラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群の差は0.25であり、両群間に有意差が認められた(解析対象394例、p=0.03、Cochran-Mantel Haenszel検定)。
(表8参照)
-
(3)
-
日常生活動作を評価するADCS-ADL19の最終評価時点のスコア変化量の最小二乗平均値を表に示す。プラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群の差は1.4点であり、両群間に有意差が認められた(解析対象395例、p=0.03、2元配置共分散分析)。
(表9参照)
表5 投与24週後のSIB-Jのスコア変化量
投与群 |
n |
0週からの変化量注1) |
変化量の差注2) |
錠20mg/日群 |
193 |
-0.65±9.74 |
4.53 |
プラセボ群 |
175 |
-5.18±11.66 |
- |
表6 投与24週後のModified CIBIC plus-J
投与群 |
n |
24週後(mean±SD) |
平均値の差注) |
錠20mg/日群 |
190 |
4.47±1.07 |
-0.11 |
プラセボ群 |
177 |
4.58±1.01 |
- |
表7 最終評価時点のSIBのスコア変化量
投与群 |
n |
0週からの変化量注1) |
変化量の差注2) |
メマンチン塩酸塩20mg/日群 |
198 |
0.9±0.67 |
3.4 |
プラセボ群 |
196 |
-2.5±0.69 |
- |
表8 最終評価時点のCIBIC-plus
投与群 |
n |
最終評価時点
(mean±SE) |
平均値の差注) |
メマンチン塩酸塩20mg/日群 |
198 |
4.41±0.074 |
-0.25 |
プラセボ群 |
196 |
4.66±0.075 |
- |
表9 最終評価時点のADCS-ADL19のスコア変化量
投与群 |
n |
0週からの変化量注1) |
変化量の差注2) |
メマンチン塩酸塩20mg/日群 |
198 |
-2.0±0.50 |
1.4 |
プラセボ群 |
197 |
-3.4±0.51 |
- |
-
注1)[24週後の値]-[0週の値](mean±SD)
注2)[錠20mg/日群の0週からの変化量の平均値]-[プラセボ群の0週からの変化量の平均値]
注)[錠20mg/日群の24週後の平均値]-[プラセボ群の24週後の平均値]
注1)[最終評価時点の値]-[0週の値](最小二乗平均値±SE)
注2)[メマンチン塩酸塩20mg/日群の0週からの変化量の最小二乗平均値]-[プラセボ群の0週からの変化量の最小二乗平均値]
注)[メマンチン塩酸塩20mg/日群の最終評価時点の平均値]-[プラセボ群の最終評価時点の平均値]
注1)[最終評価時点の値]-[0週の値](最小二乗平均値±SE)
注2)[メマンチン塩酸塩20mg/日群の0週からの変化量の最小二乗平均値]-[プラセボ群の0週からの変化量の最小二乗平均値]
薬効薬理
1)
-
ラット大脳皮質神経細胞膜画分のNMDA受容体チャネルに対して、選択的で低親和性の結合を示した10)。
-
2)
-
ラット初代培養海馬神経細胞において、NMDA受容体チャネルの活性化によって生じる電流に対して膜電位依存性の阻害作用を示し、その作用の発現及び消失は速やかであった11)。
-
3)
-
ラット海馬スライスのシナプス伝達の長期増強(記憶・学習の基本モデル)の形成に対して濃度依存的な抑制作用を
すが、NMDA受容体チャネル阻害作用のIC50値付近ではほとんど影響しなかった12)。
-
-
アルツハイマー型認知症ではグルタミン酸神経系の機能異常が関与しており、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体チャネルの過剰な活性化が原因の一つと考えられている。メマンチンはNMDA受容体チャネル阻害作用により、その機能異常を抑制する。
-
(2) 学習障害抑制作用
メマンチン塩酸塩投与により、次の作用が認められた。
-
1)
-
ラット海馬へのアミロイドβ1-40及びイボテン酸(NMDA受容体作動薬)の注入により惹起された神経細胞傷害及び空間認知機能障害を抑制した。一方、正常ラットの空間認知機能には影響しなかった13)。
-
2)
-
ラット腹腔内へのNMDAの投与により惹起された、神経細胞傷害に基づかない受動的回避学習障害を抑制した14)。
-
3)
-
正常ラットに高用量(腹腔内10mg/kg)を投与した場合、受動的回避学習を障害したとの報告15)がある。
有効成分に関する理化学的知見
1. 一般名
-
メマンチン塩酸塩(Memantine Hydrochloride)
-
2. 化学名
-
3, 5-Dimethyltricyclo [3. 3. 1. 13, 7] dec-1-ylamine monohydrochloride
-
3. 分子式
-
C12H21N・HCl
-
4. 分子量
-
215.76
-
5. 構造式

-
6. 性状
-
白色の粉末である。ギ酸又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にやや溶けやすい。
-
7. 分配係数
-
0.11(pH1、1-オクタノール/緩衝液)
0.32(pH7、1-オクタノール/緩衝液)
1.49(pH12、1-オクタノール/緩衝液)
取扱い上の注意
(1)
-
製剤の特性上、吸湿により錠剤表面がざらつくことがある。
-
(2)
-
5mg錠、10mg錠は、それぞれ錠剤表面に使用色素による赤色、黄色の斑点がみられることがある。
包装
**メマリー錠5mg (プラスチックボトル)100錠
(PTP)14錠(14錠×1) 56錠(14錠×4)
-
**メマリー錠10mg (プラスチックボトル)100錠
(PTP)14錠(14錠×1) 56錠(14錠×4)
-
メマリー錠20mg (プラスチックボトル)100錠
(PTP)56錠(14錠×4) 112錠(14錠×8)
-
*メマリーOD錠5mg (プラスチックボトル)100錠
(PTP)14錠(14錠×1) 56錠(14錠×4)
-
*メマリーOD錠10mg (プラスチックボトル)100錠
(PTP)14錠(14錠×1) 56錠(14錠×4)
-
*メマリーOD錠20mg (プラスチックボトル)100錠
(PTP)56錠(14錠×4) 112錠(14錠×8)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
-
Freudenthaler S, et al.:Br J Clin Pharmacol. 1998;46(6):541-546
-
2)
-
社内資料:健康成人男性における単回経口投与時の薬物動態の検討
-
3)
-
*社内資料:健康成人男性を対象としたフィルムコーティング錠及び口腔内崩壊錠の生物学的同等性試験
-
4)
-
社内資料:アルツハイマー型認知症患者における反復経口投与時の薬物動態の検討
-
5)
-
社内資料:ラットにおける14C-標識体を用いた乳汁中への移行
-
6)
-
社内資料:腎機能障害患者における薬物動態の検討
-
7)
-
北村 伸ほか:老年精神医学雑誌2011;22(4):453-463
-
8)
-
中村 祐ほか:老年精神医学雑誌2011;22(4):464-473
-
9)
-
Tariot PN, et al.:JAMA 2004;291(3):317-324
-
10)
-
社内資料:NMDA受容体チャネル親和性の検討
-
11)
-
Parsons CG, et al.:Neuropharmacology 1993;32(12):1337-1350
-
12)
-
Frankiewicz T, et al.:Br J Pharmacol. 1996;117:689-697
-
13)
-
Nakamura S, et al.:Eur J Pharmacol. 2006;548:115-122
-
14)
-
Zajaczkowski W, et al.:Neuropharmacology 1997;36(7):961-971
-
15)
-
Misztal M, et al.:Behav Pharmacol. 1995;6:550-561
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
-
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
第一三共株式会社 製品情報センター
-
〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1
-
TEL:0120-189-132
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
-
製造販売元
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第一三共株式会社
-
東京都中央区日本橋本町3-5-1
-
提携
-
メルツ ファーマシューティカルズ