Bestatin Cap(Ubenimex) ベスタチンカプセル10mg/ベスタチンカプセル30mg
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作成又は改訂年月
**2014年8月改訂 16
*2010年5月改訂 15
日本標準商品分類番号
874299
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
1994年3月
薬効分類名
抗悪性腫瘍剤
承認等
販売名
ベスタチンカプセル10mg
販売名コード
4299002M1034
承認・許可番号
承認番号
22000AMX00882
欧文商標名
Bestatin Cap. 10mg
薬価基準収載年月
2008年6月
販売開始年月
1987年6月
貯法・使用期限等
〈貯法〉
室温保存
〈使用期限〉
**3年 (PTPシート及び外箱に表示)
基準名
*日本薬局方
ウベニメクスカプセル
規制区分
処方箋医薬品※
※注意-医師等の処方箋により使用すること。
組成
ベスタチンカプセル10mgは、1カプセル中に次の成分を含有する。
有効成分
ウベニメクス
含有量
10mg
添加物
バレイショデンプン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸Mg
(カプセル本体) ラウリル硫酸Na
性状
ベスタチンカプセル10mgは、白色の硬カプセル剤で、カプセル内容物は白色の粉末でにおいはない。
識別コード
NK742110
外形
3号カプセル
断面
質量(g)
0.27
販売名
ベスタチンカプセル30mg
販売名コード
4299002M2030
承認・許可番号
承認番号
22000AMX00884
欧文商標名
Bestatin Cap. 30mg
薬価基準収載年月
2008年6月
販売開始年月
1987年6月
貯法・使用期限等
〈貯法〉
室温保存
〈使用期限〉
**3年 (PTPシート及び外箱に表示)
基準名
*日本薬局方
ウベニメクスカプセル
規制区分
処方箋医薬品※
※注意-医師等の処方箋により使用すること。
組成
ベスタチンカプセル30mgは、1カプセル中に次の成分を含有する。
有効成分
ウベニメクス
含有量
30mg
添加物
バレイショデンプン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸Mg
(カプセル本体) ラウリル硫酸Na
性状
ベスタチンカプセル30mgは、白色の硬カプセル剤で、カプセル内容物は白色の粉末でにおいはない。
識別コード
NK742130
外形
3号カプセル
断面
質量(g)
0.23
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
成人急性非リンパ性白血病に対する完全寛解導入後の維持強化化学療法剤との併用による生存期間の延長。
通常、成人急性非リンパ性白血病の完全寛解導入後に維持強化化学療法剤と併用する。投与量はウベニメクスとして1日30mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例数2,164例(承認時939例、使用成績調査1,225例)における副作用及び臨床検査値異常の発現率は4.2%であり、主なものは、肝臓障害(AST(GOT)・ALT(GPT)上昇等)1.8%、皮膚障害(発疹・発赤、そう痒感等)1.3%、消化器障害(悪心・嘔吐、食欲不振等)0.9%等であった。〔再審査終了時〕
肝臓
(0.1~5%未満)
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇
皮膚
(0.1~5%未満)
発疹・発赤、そう痒感
皮膚
(0.1%未満)
脱毛
消化器
(0.1~5%未満)
悪心・嘔吐、食欲不振、腹痛
消化器
(0.1%未満)
腹部膨満感、下痢
精神神経系
(0.1~5%未満)
頭痛
精神神経系
(0.1%未満)
ふらつき感、しびれ感
その他
(0.1~5%未満)
口腔内違和感
その他
(0.1%未満)
浮腫
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[動物実験(ラット)で胎児発育不全が報告されている。]
2.
授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。
[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
本剤をラットに4週間、混餌投与した試験において、25mg/kg/日以上の投与量で病理組織学的に腎の変性・壊死所見が認められている。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与1)
(2) 連続投与
健康成人男子5名に本剤30mgを単回経口投与したとき、平均血清中濃度は1時間後に最高値(2.2μg/mL)を示し、その後二相性の減衰曲線を描きながら減少し、24時間後にほとんど消失した。

(2) 連続投与
癌患者3名に本剤30mgを1日1回、2~9週間連続経口投与したとき、本剤の投与後24時間値(次回投与直前値)は上昇する傾向を示し、最高血中濃度値もわずかに上昇したが、半減期の延長はほとんどみられなかった。
2. 代謝・排泄1)
健康成人男子に本剤10、30、100及び200mgを単回経口投与したとき、24時間尿中の未変化体及び代謝物である(2S ,3R )-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニル酪酸とウベニメクスのp-ヒドロキシ体の総和は、投与量に対しそれぞれ94、90、89及び83%で、投与量の増加にともない尿中排泄率が低下した。24時間尿中、投与量の67~73%は未変化体で、9~25%が(2S ,3R )-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニル酪酸、2~5%がp-ヒドロキシ体であった。
臨床成績
成人急性非リンパ性白血病の完全寛解導入例を対象にBH-AC・DMP+VEMP療法による維持強化化学療法に本剤(30mg/日、連日経口投与)を併用する無作為化比較臨床試験を実施した。その結果、対照群(53例)の50%生存期間が18.9ヶ月であったのに対し、本剤併用群(48例)のそれは33.3ヶ月と約1.8倍の延長を認め、両群間の生存率曲線の差は有意であった。さらに、観察期間を約15ヶ月延長した再度の予後調査にもとづく成績においてもほぼ同様な成績が認められた。2,3)
薬効薬理
1. 抗腫瘍作用
in vitroの培養細胞に対する増殖抑制作用、及びin vivoにおける同系腫瘍及び自家腫瘍に対して単独投与又は化学療法との併用により、腫瘍増殖抑制、転移抑制並びに延命効果が認められている。
(1)
本剤はin vitroで、ヒト由来のK562赤芽球系白血病、HL-60前骨髄白血病、U-937組織球性リンパ腫に対して増殖抑制作用(IC50=16μg/mL)を示した。
(2)
本剤単独投与によりマウスの加齢に伴う自然発生腫瘍に対し、腫瘍発生率の低下及び延命効果を示した4)。また、ラットにおけるN-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine (MNNG)誘発胃癌に対し、腫瘍誘発の遅延と増殖抑制作用を示した。
(3)
本剤単独投与によりマウス及びラット同系腫瘍C1498骨髄性白血病5)、Colon26大腸癌5)、FMT線維肉腫等に対し、増殖抑制作用または延命効果を示した。また、本剤はP388白血病リンパ節転移等のマウス転移モデルに対して転移抑制効果を示し6)、シスプラチン、ブレオマイシン等の他制癌剤との併用により併用効果を発現した7)。
2. 免疫機能並びに免疫学的パラメーターに及ぼす作用
本剤にはin vitroで、骨髄細胞機能、インターロイキン1と2の遊離、リンパ球幼若化能、マクロファージ機能等の増強作用が認められた8,9)。またマウスにおいて、遅延型過敏反応、移植片対宿主反応、抗体産生能等の増強作用がみられた4,9,10)。
3. 作用機序
本剤の作用機序は確立していないが、本剤を担癌マウスに投与すると、その腹腔マクロファージ、脾細胞、NK細胞等が非特異的に活性化され5,9,11,12)、腫瘍の増殖抑制あるいは細胞障害作用が認められていること13)、また、本剤はアミノペプチダーゼ類を介して宿主の免疫担当細胞表面に結合することが認められていることから、本剤は抗腫瘍免疫能を活性化することにより、抗腫瘍作用を発現すると考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
ウベニメクス(Ubenimex)
化学名:
(2S )-2-[(2S ,3R )-3-Amino-2-hydroxy-4-phenylbutanoylamino]-4-methylpentanoic acid
分子式:
C16H24N2O4
分子量:
308.37
構造式:
包装
ベスタチンカプセル10mg: 100カプセル
-
ベスタチンカプセル30mg: 30カプセル、100カプセル
主要文献及び文献請求先
主要文献
-
1)
-
Koyama,M.,et al.:Biomedical Mass Spectrometry, 7,372 (1980)
-
2)
-
栗田宗次他:癌と化学療法, 11,2742 (1984)
-
3)
-
太田和雄他:癌と化学療法, 13,1017 (1986)
-
4)
-
M.Bruley-Rosset et al.:Small Molecular Immunomodifiers of Microbial Origin;Japan Scientific Societies Press,pp. 59 (1981)
-
5)
-
Abe,F.,et al.:Gann, 75,89 (1984)
-
6)
-
Tsuruo,T.,et al.:J. Antibiotics, 34,1206 (1981)
-
7)
-
Abe,F.,et al.:J. Antibiotics, 38,411 (1985)
-
8)
-
Ishizuka,M.,et al.:Small Molecular Immunomodifiers of Microbial Origin;Japan Scientific Societies Press,pp. 17 (1981)
-
9)
-
M.Bruley-Rosset et al.:Immunology, 38,75 (1979)
-
10)
-
Ishizuka,M.,et al.:J. Antibiotics, 33,642 (1980)
-
11)
-
H.U.Schorlemmer et al.:Cancer Res., 43,4148 (1983)
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12)
-
小野稔他:癌と化学療法, 9,1771 (1982)
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W.E.G.Muller et al.:Int. J. Immunopharmac., 4,393 (1982)
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13)
文献請求先
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**日本化薬株式会社 医薬事業本部
営業本部 医薬品情報センター
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(住所) 〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
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(TEL) 0120-505-282 (フリーダイヤル)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
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日本化薬株式会社
-
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
ウベニメクスは、白色の結晶性の粉末である。
酢酸 (100) に溶けやすく、水に溶けにくく、エタノール (99.5) に極めて溶けにくく、1mol/L塩酸試液に溶ける。
性状: