AFINITOR tablets(Everolimus)依维莫司 アフィニトール錠2.5mg/アフィニトール錠5mg
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作成又は改訂年月
** 2014年3月改訂(第8版)
* 2013年2月改訂
日本標準商品分類番号
874291
日本標準商品分類番号等
効能又は効果追加承認年月(最新)
**2014年3月
国際誕生年月
2009年3月
薬効分類名
抗悪性腫瘍剤
(mTOR阻害剤)
承認等
販売名
アフィニトール錠2.5mg
販売名コード
4291023F2027
承認・許可番号
承認番号
22400AMX01370000
商標名
AFINITOR tablets
薬価基準収載年月
2012年11月
販売開始年月
2012年11月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
光及び湿気を避けるため、PTP包装のまま保存すること
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
劇薬
処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
成分・含量
1錠中エベロリムス2.5mg
添加物
乳糖、ヒプロメロース、クロスポビドン、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸マグネシウム
性状
性状
白色~微黄白色の素錠
識別コード
NVR LCL
-
アフィニトール錠5mg
-
販売名
販売名コード
-
4291023F1020
承認・許可番号
-
承認番号
-
22200AMX00246000
-
AFINITOR tablets
-
商標名
薬価基準収載年月
-
2010年4月
販売開始年月
-
2010年4月
貯法・使用期限等
-
貯法
-
室温保存
光及び湿気を避けるため、PTP包装のまま保存すること
-
包装に表示の使用期限内に使用すること
-
使用期限
規制区分
-
劇薬
-
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
-
処方せん医薬品
組成
-
成分・含量
-
1錠中エベロリムス5mg
-
乳糖、ヒプロメロース、クロスポビドン、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸マグネシウム
-
添加物
性状
-
性状
-
白色~微黄白色の素錠
-
-
-
NVR 5
-
大きさ(約)
識別コード
長径:12.1mm 短径:4.9mm 厚さ:4.1mm
質量:0.25g
白色~微黄白色の素錠
NVR 5
大きさ(約)
一般的名称
長径:10.1mm 短径:4.1mm 厚さ:2.9mm
質量:0.125g
エベロリムス錠
警告
1.
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
2.
本剤の投与により、間質性肺疾患が認められており、死亡に至った例が報告されている。投与に際しては咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状に注意するとともに、投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施すること。また、異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重に検討すること。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「副作用 重大な副作用」の項参照)
3.
肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り、死亡した例が報告されている。本剤投与期間中又は治療終了後は、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全が発現するおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。(「重要な基本的注意」、「副作用 重大な副作用」の項参照)
4.
*本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので、切り換えに際しては、血中濃度を測定すること。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、【薬物動態】の項参照)
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
1.
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
2.
膵神経内分泌腫瘍
3.
**手術不能又は再発乳癌
4.
結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫
5.
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫
効能又は効果に関連する使用上の注意
1. 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合
(1)
スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
(2)
本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない。
2. 膵神経内分泌腫瘍の場合
臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
3. **手術不能又は再発乳癌の場合
(1)
非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
(2)
臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
(3)
本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない。
4. 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合
臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
用法及び用量
腎細胞癌、膵神経内分泌腫瘍、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合
通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
**手術不能又は再発乳癌の場合
内分泌療法剤との併用において、通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合
通常、エベロリムスとして3.0mg/m2を1日1回経口投与する。なお、患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。本剤の投与時期は、臨床試験における設定内容に準じて選択し、食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること。(【薬物動態】、【臨床成績】の項参照)
2.
間質性肺疾患が発現した場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮して、減量、休薬又は中止すること。
間質性肺疾患に対する減量、休薬及び中止基準
グレード注1)(症状):グレード1(無症候性の画像所見)
投与の可否等:投与継続
グレード注1)(症状):グレード2(症候性:日常生活に支障なし)
投与の可否等:症状が改善するまで休薬すること。投与を再開する場合は、半量の投与とする。
グレード注1)(症状):グレード3(症候性:日常生活に支障あり、酸素療法を要する)
投与の可否等:本剤の投与を中止し、原則として再開しないこと。ただし、症状が改善し、かつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、半量の投与で再開可能とする。
グレード注1)(症状):グレード4(生命を脅かす:人工呼吸を要する)
投与の可否等:投与中止
注1)NCI-CTCAE v.3.0
3.
肝機能障害患者では、本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため、減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。また、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では、本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること。(「慎重投与」、【薬物動態】の項参照)
4. **根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び膵神経内分泌腫瘍の場合
サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
5. **手術不能又は再発乳癌の場合
エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。(【臨床成績】の項参照)
6. **結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合
(1)
*本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない。本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては、切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること。(【薬物動態】の項参照)
(2)
本剤の全血中濃度を測定し、トラフ濃度が5~15ng/mLとなるように投与量を調節すること。トラフ濃度は、本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに、本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと。(「慎重投与」、「相互作用」、【薬物動態】の項参照)
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症、重症化するおそれがある。〕
2.
感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。〕
3.
肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない。〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、【薬物動態】の項参照)
4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
5.
肝炎ウイルス、結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
重要な基本的注意
1.
間質性肺疾患があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意すること。また、患者に対し、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、直ちに連絡するよう指導すること。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「慎重投与」、「副作用 重大な副作用」の項参照)
(1) 投与開始前
胸部CT検査を実施し、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状の有無と併せて、投与開始の可否を慎重に判断すること。
(2) 投与開始後
定期的に胸部CT検査を実施し、肺の異常所見の有無を慎重に観察すること。咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状がみられた患者で、感染、腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には、間質性肺疾患の診断を考慮し、必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]、酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること。本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には、適切な処置を行うこと。
なお、小児に対する胸部CT検査の実施に際しては、診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること。
2.
本剤の免疫抑制作用により、細菌、真菌、ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがあり、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。本剤投与により、肝炎ウイルス、結核等が再活性化することがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置をしておくこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。
3.
重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン、血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと。
4.
高血糖があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うこと。また、本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと。
5.
ヘモグロビン減少、リンパ球減少、好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと。
相互作用
本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、腸管に存在するCYP3A4によっても代謝される。また、本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため、本剤経口投与後の吸収と消失は、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられる。
CYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については、他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けること。また、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では、当該薬剤を併用したり中止する場合は、必ず本剤のトラフ濃度を測定し、投与量を調節すること。
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
臨床症状・措置方法
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
機序・危険因子
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
リファンピシン
リファブチン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
2. 薬剤名等
抗てんかん剤(フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン等)
抗HIV剤(エファビレンツ、ネビラピン等)
副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
3. 薬剤名等
アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ボリコナゾール、フルコナゾール等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
機序・危険因子
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
4. 薬剤名等
マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン等)
カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ニカルジピン、ジルチアゼム等)
HIVプロテアーゼ阻害剤(ネルフィナビル、インジナビル、ホスアンプレナビル、リトナビル等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
機序・危険因子
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
5. 薬剤名等
不活化ワクチン(不活化インフルエンザワクチン等)
臨床症状・措置方法
ワクチンの効果が得られないおそれがある。
機序・危険因子
免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
6. 薬剤名等
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
機序・危険因子
セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
7. 薬剤名等
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤服用時は飲食を避けること。
機序・危険因子
グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる。
8. 薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
機序・危険因子
代謝酵素(CYP3A4等)の競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
9. 薬剤名等
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)等
臨床症状・措置方法
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)との併用により、ミダゾラムのCmaxが25%、AUCが30%上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
副作用
**転移性腎細胞癌患者を対象とした第III相国際共同臨床試験において、本剤投与274例(日本人15例を含む)中、副作用は248例(90.5%)にみられた。主な副作用は、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(43.8%)、発疹81例(29.6%)、貧血77例(28.1%)、疲労68例(24.8%)、下痢65例(23.7%)、無力症63例(23.0%)、食欲減退57例(20.8%)、高コレステロール血症54例(19.7%)、悪心53例(19.3%)、粘膜の炎症48例(17.5%)、嘔吐48例(17.5%)、末梢性浮腫46例(16.8%)、高トリグリセリド血症44例(16.1%)、咳嗽41例(15.0%)、そう痒症39例(14.2%)、感染症39例(14.2%)、皮膚乾燥36例(13.1%)、鼻出血34例(12.4%)、呼吸困難28例(10.2%)、味覚異常28例(10.2%)等であった。 (試験終了時の集計)
膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第III相国際共同臨床試験において、本剤投与204例(日本人23例を含む)中、副作用は195例(95.6%)にみられた。主な副作用は、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(64.2%)、発疹99例(48.5%)、下痢70例(34.3%)、疲労66例(32.4%)、感染症49例(24.0%)、末梢性浮腫45例(22.1%)、悪心41例(20.1%)、食欲減退41例(20.1%)、頭痛40例(19.6%)、鼻出血36例(17.6%)、貧血35例(17.2%)、味覚異常35例(17.2%)、体重減少34例(16.7%)、嘔吐31例(15.2%)、そう痒症30例(14.7%)、高血糖28例(13.7%)、血小板減少症27例(13.2%)、無力症26例(12.7%)、爪の障害26例(12.7%)、肺臓炎25例(12.3%)、発熱24例(11.8%)、咳嗽23例(11.3%)、高コレステロール血症21例(10.3%)、皮膚乾燥21例(10.3%)等であった。 (効能又は効果の一変承認時までの集計)
エストロゲン受容体(estrogen receptor、ER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第III相国際共同臨床試験において、本剤投与482例(日本人71例を含む)中、副作用は465例(96.5%)にみられた。主な副作用は、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(64.1%)、発疹163例(33.8%)、疲労115例(23.9%)、食欲減退96例(19.9%)、下痢94例(19.5%)、味覚異常92例(19.1%)、悪心85例(17.6%)、感染症77例(16.0%)、肺臓炎72例(14.9%)、体重減少66例(13.7%)、貧血55例(11.4%)、鼻出血54例(11.2%)、高血糖51例(10.6%)、血小板減少症50例(10.4%)、そう痒症48例(10.0%)等であった。 (効能又は効果の一変承認時までの集計)
進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第II相国内臨床試験において、本剤投与53例中、副作用は52例(98.1%)にみられた。主な副作用は、口内炎38例(71.7%)、食欲不振25例(47.2%)、発疹23例(43.4%)、疲労22例(41.5%)、悪心13例(24.5%)、そう痒症10例(18.9%)、味覚異常9例(17.0%)、血小板減少症8例(15.1%)、下痢8例(15.1%)、肺臓炎8例(15.1%)、発熱6例(11.3%)等であった。 (試験終了時の集計)
結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第III相国際共同臨床試験において、本剤投与79例(日本人7例を含む)中、副作用は76例(96.2%)にみられた。主な副作用は、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(74.7%)、感染症33例(41.8%)、高コレステロール血症18例(22.8%)、ざ瘡12例(15.2%)、疲労10例(12.7%)、貧血8例(10.1%)、LDH増加8例(10.1%)、白血球減少症8例(10.1%)、悪心8例(10.1%)等であった。 (効能又は効果の一変承認時までの集計)
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第III相海外臨床試験において、本剤投与78例中、副作用は67例(85.9%)にみられた。主な副作用は、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(60.3%)、感染症23例(29.5%)等であった。 (効能又は効果の一変承認時までの集計)
副作用の頻度については、承認効能・効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載した。また、これらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした。
重大な副作用
1. **間質性肺疾患(15.0%)
間質性肺疾患(肺臓炎、間質性肺炎、肺浸潤、胞隔炎、肺胞出血、肺毒性等を含む)があらわれることがあり、未回復のまま死亡に至った例が報告されている。投与開始後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと。(【警告】、〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照)
2. **感染症(19.6%)
細菌、真菌、ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(肺炎、アスペルギルス症、カンジダ症、敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり、死亡に至った症例が報告されている。また、B型肝炎ウイルスの再活性化により、肝不全に至り、死亡した症例が報告されている。これらの感染症の診断がされた場合、直ちに本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと。侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合、直ちに本剤の投与を中止し、適切な抗真菌剤を投与すること。この場合は、本剤の投与は再開しないこと。(【警告】、「重要な基本的注意」の項参照)
3. **腎不全(1.1%)
重篤な腎障害があらわれることがあり、腎不全が急速に悪化した例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
4. **高血糖(10.0%)、糖尿病の発症又は増悪(2.5%)
高血糖の発現、糖尿病が発症又は増悪することがあるので、定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
5. **貧血(16.8%)、ヘモグロビン減少(2.6%)、白血球減少(6.3%)、リンパ球減少(5.3%)、好中球減少(6.0%)、血小板減少(11.6%)
貧血、ヘモグロビン減少、白血球減少、リンパ球減少、好中球減少、血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと。なお、血小板減少が生じた結果、消化管出血等の出血に至った症例も報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)
6. **口内炎(59.6%)
口内炎、口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと。
7. **アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(呼吸困難、顔面紅潮、胸痛、血管浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 急性呼吸窮迫症候群(0.2%)
急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9. **肺塞栓症(0.5%)、深部静脈血栓症(0.1%)
肺塞栓症、深部静脈血栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
10. **悪性腫瘍(二次発癌)(0.1%)
悪性リンパ腫、リンパ増殖性疾患、悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12. BKウイルス腎症(頻度不明)
BKウイルス腎症があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
13. 血栓性微小血管障害(頻度不明)
溶血性尿毒症症候群(HUS:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少、微小血管性溶血性貧血、腎機能障害、精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
14. 肺胞蛋白症(頻度不明)
肺胞蛋白症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
15. 心嚢液貯留(0.2%)
心嚢液貯留があらわれることがあるので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 血液・リンパ
(1%~10%未満)
リンパ球減少症
2. 代謝・栄養
(頻度不明)
血中カリウム増加
3. 代謝・栄養
(10%以上)
食欲減退、高コレステロール血症
4. 代謝・栄養
(1%~10%未満)
低リン酸血症、脱水、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、高脂血症
5. 代謝・栄養
(1%未満)
鉄欠乏、低血糖症、低比重リポ蛋白(LDL)増加
6. 精神・神経系
(頻度不明)
激越
7. 精神・神経系
(10%以上)
味覚異常、頭痛
8. 精神・神経系
(1%~10%未満)
不眠症
9. 精神・神経系
(1%未満)
味覚消失、攻撃性、痙攣
10. 眼
(1%~10%未満)
眼瞼浮腫
11. 眼
(1%未満)
結膜炎
12. 心血管系
(1%~10%未満)
高血圧
13. 心血管系
(1%未満)
うっ血性心不全
14. 呼吸器
(10%以上)
咳嗽、鼻出血
15. 呼吸器
(1%~10%未満)
呼吸困難
16. 呼吸器
(1%未満)
喀血、咽頭の炎症
17. 消化器
(10%以上)
下痢、悪心、嘔吐
18. **消化器
(1%~10%未満)
口内乾燥、腹痛、消化不良、嚥下障害、鼓腸、便秘
19. 消化器
(1%未満)
胃炎
20. 肝臓
(1%~10%未満)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALPの増加
21. 肝臓
(1%未満)
血中ビリルビン増加
22. 皮膚
(頻度不明)
白血球破砕性血管炎
23. 皮膚
(10%以上)
発疹(紅斑、丘疹、斑状丘疹状皮疹、全身性皮疹、斑状皮疹)、そう痒症
24. 皮膚
(1%~10%未満)
皮膚乾燥、手足症候群、ざ瘡、爪の障害、ざ瘡様皮膚炎
25. 筋骨格系
(1%~10%未満)
関節痛
26. 腎臓・泌尿器
(1%~10%未満)
血中クレアチニン増加、昼間頻尿
27. 腎臓・泌尿器
(1%未満)
蛋白尿
28. 生殖器
(頻度不明)
無精子症
29. 生殖器
(1%~10%未満)
不規則月経
30. 生殖器
(1%未満)
無月経、膣出血、月経過多、月経遅延、男性性腺機能低下(テストステロン減少、黄体形成ホルモン増加、卵胞刺激ホルモン増加)
31. 全身症状
(10%以上)
疲労、無力症、末梢性浮腫、体重減少
32. 全身症状
(1%~10%未満)
発熱、粘膜の炎症
33. 全身症状
(1%未満)
胸痛、創傷治癒不良、易刺激性、歩行障害
34. その他
(頻度不明)
血中フィブリノーゲン減少、血中IgG減少、高クレアチン血症
35. その他
(1%~10%未満)
LDH増加
36. その他
(1%未満)
出血(網膜出血、メレナ、血尿等)注2)、APTT延長
注2)出血の各事象の発現頻度は1%未満であった。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
妊娠可能な婦人には、本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚・胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある。〕
2.
本剤投与中は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている。〕
小児等への投与
**腎細胞癌、膵神経内分泌腫瘍、乳癌、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において、低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
進行性固形癌患者に最大70mgが単回投与されているが、過量によると考えられる症状は特に認められなかった。
過量投与が発生した場合は、一般的な処置と対症療法を行う。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
ラットを用いた雄性授胎能試験では、0.5mg/kg以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか、5mg/kg用量(治療量の範囲内)で精子運動能、精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少し、これに伴って雄の授胎能が低下した。これらの所見は休薬による回復傾向がみられた。
薬物動態
大きさ(約)
1. 血中濃度
進行性固形癌患者に本剤2.5、5又は10mgを1日1回反復経口投与したとき、血中濃度は投与後約1~2時間で最高濃度に達した。初回投与及び定常状態(投与開始15日目)におけるCmax及びAUC0-24hは用量に比例して増加した。初回投与及び定常状態のAUC0-24h比から計算した累積率は1.6~2.6であった。1)
-
薬物動態パラメータ:Tmax(h)
-
投与量 2.5mg(N=3):1.98(0.98~2.00)
投与量 5mg(N=3):1.00(1.00~1.95)
投与量 10mg(N=3):2.00(1.92~2.00)
-
薬物動態パラメータ:Cmax(ng/mL)
-
投与量 2.5mg(N=3):15.1±2.48
投与量 5mg(N=3):31.5±3.40
投与量 10mg(N=3):49.4±14.8
-
投与量 2.5mg(N=3):85.2±18.7
投与量 5mg(N=3):211±50.0
投与量 10mg(N=3):401±51.6
-
薬物動態パラメータ:AUC0-24h(ng・h/mL)
-
薬物動態パラメータ:Tmax(h)
-
投与量 2.5mg(N=3):1.92(1.00~1.98)
投与量 5mg(N=3):1.98(1.93~1.98)
投与量 10mg(N=3):2.02(2.00~2.20)
-
薬物動態パラメータ:Cmax(ng/mL)
-
投与量 2.5mg(N=3):16.8±1.33
投与量 5mg(N=3):57.6±17.6
投与量 10mg(N=3):65.9±1.40
-
投与量 2.5mg(N=3):134±24.1
投与量 5mg(N=3):543±189
投与量 10mg(N=3):711±113
-
薬物動態パラメータ:AUC0-24h(ng・h/mL)
-
-
進行性固形癌患者に本剤2.5、5、10mgを1日1回反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
-

進行性固形癌患者に本剤10mgを1日1回反復経口投与したときの血中濃度推移
-
Tmaxは中央値(最小値~最大値)、他は平均値±標準偏差
2. 食事の影響
結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者に本剤10mgを1日1回反復経口投与したとき、2~48週における投与2時間後の血中濃度の中央値は29.1~41.5ng/mL、トラフ濃度の中央値は6.6~7.8ng/mLであった。2)
健康成人に本剤5mg又は分散錠5mg(国内における承認規格は2及び3mgである。)を単回経口投与した結果、AUC0-144hの幾何平均比の90%信頼区間は0.8~1.25の範囲内であったが、分散錠のAUC0-144hは10%低く、Cmaxは20%低かった。3) (外国人のデータ)
-
-
健康成人に本剤5mg又は分散錠5mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
-

健康成人に本剤5mg又は分散錠5mgを単回経口投与したときの血中濃度推移
-
薬物動態パラメータ:Cmax(ng/mL)
-
アフィニトール錠(N=53):32.0
分散錠(N=53):25.8
幾何平均比※(90%信頼区間):0.80(0.75,0.86)
-
薬物動態パラメータ:AUC0-144h(ng・h/mL)
-
アフィニトール錠(N=53):238.3
分散錠(N=53):214.3
幾何平均比※(90%信頼区間):0.90(0.85,0.95)
-
-
数値は幾何平均値
-
※アフィニトール錠に対する分散錠の幾何平均比
-
*本剤(アフィニトール錠)と分散錠の比較
-
健康成人に本剤を高脂肪食摂取後に投与したときのTmaxは、空腹時に比べて1.75時間遅延した。これに伴い、Cmaxは54%低下し、AUC0-infは22%低下した。低脂肪食摂取後に投与したときにも同様の結果が得られ、Tmaxは空腹時に比べて1時間遅延し、Cmaxは42%低下、AUC0-infは32%低下した。T1/2は空腹時、高脂肪食摂取後及び低脂肪食摂取後でそれぞれ35.6、40.5及び39.6時間であり、食事による差はみられなかった。4) (外国人のデータ)
-
3. 分布
-
エベロリムスの血球移行率は濃度に依存し、血中濃度が5ng/mLから5,000ng/mLに増加したとき、血球移行率は83%から27%に低下した(in vitroのデータ)。5)本剤10mg/日を投与したときの血中濃度に相当する濃度では、血球移行率は約80%であった。健康成人及び中等度の肝機能障害を有する被験者における血漿蛋白結合率は約74%であった。6) (外国人のデータ)
-
4. 代謝
-
エベロリムスは主としてCYP3A4によって代謝される(in vitroのデータ)。7)腎移植患者に14C標識したエベロリムスを単回経口投与したとき、エベロリムスは主に未変化体として血液中に存在し、その他の主な代謝物として3種の水酸化体及び環状ラクトンの加水分解による2種の開環体及びフォスファチジルコリン抱合体が検出された。8) (外国人のデータ)
-
5. 排泄
-
腎移植患者に14C標識したエベロリムスを単回経口投与したとき、投与した放射能の約80%は糞中に排泄され、尿中には約5%が排泄された。なお、尿及び糞中に未変化体は検出されなかった。8) (外国人のデータ)
-
6. 肝機能障害
-
成人において、エベロリムスの血中濃度は肝機能障害により上昇し、軽度(Child-Pugh分類クラスA)、中等度(Child-Pugh分類クラスB)及び重度(Child-Pugh分類クラスC)の肝機能障害を有する被験者に本剤10mgを単回経口投与したときのAUC0-infは、肝機能の正常な被験者のそれぞれ 1.6倍、3.3倍、3.6倍であった。9) (外国人のデータ)
小児において、エベロリムスの薬物動態に対する肝機能障害の影響は検討されていない。
-
7. 腎機能障害
-
固形癌患者のデータを用いて母集団薬物動態解析を実施した結果、クレアチニンクリアランス(25~178mL/min)は本剤の見かけの全身クリアランス(CL/F)に対して有意な影響を及ぼさないことが示唆された。10) (外国人のデータ)
-
8. 高齢者での薬物動態
-
固形癌患者のデータを用いて母集団薬物動態解析を実施した結果、年齢(27~85歳)は本剤のCL/Fに対して有意な影響を及ぼさないことが示唆された。10) (外国人のデータ)
臨床成績
-
1. 転移性腎細胞癌患者を対象とした第III相国際共同臨床試験(日本を含めた世界10ヵ国で実施された二重盲検比較試験)12)
-
スニチニブ又はソラフェニブによる前治療で進行した転移性の腎細胞癌患者を対象に至適支持療法の併用下でプラセボを対照群として本剤10mgを空腹時に連日経口投与を行った。
合計410例(日本人患者24例を含む。組織分類は淡明細胞癌が95.9%)がエベロリムス群(272例)又はプラセボ群(138例)に無作為割付けされた。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS;中央値)は、エベロリムス群4.01ヵ月、プラセボ群1.87ヵ月であり、プラセボ群と比較しエベロリムス群で有意なPFSの延長が認められた(ハザード比 0.30、95%信頼区間 0.22~0.40;MSKCCリスク分類を層とした層別ログランク検定 p<0.001)。
(第2回中間解析時のデータ:2007年10月カットオフ)
-

独立中央画像評価機関の判定に基づく無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
-
-
2. 膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第III相国際共同臨床試験(日本を含めた世界18ヵ国で実施された二重盲検比較試験)13)
-
切除不能または転移性の膵神経内分泌腫瘍患者(低分化型を除く)を対象に至適支持療法の併用下でプラセボを対照群として本剤10mgを空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与を行った。
合計410例(日本人患者40例を含む)がエベロリムス群(207例)又はプラセボ群(203例)に無作為割付けされた。主要評価項目である治験責任医師の判定に基づくPFSは、エベロリムス群11.04ヵ月、プラセボ群4.60ヵ月であり、プラセボ群と比較しエベロリムス群で有意なPFSの延長が認められた(ハザード比 0.35、95%信頼区間 0.27~0.45;前治療の有無及びWHO Performance Statusを層とした層別ログランク検定 p<0.001)。 (最終主要解析時データ:2010年2月カットオフ)
-

治験責任医師の判定に基づく無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
-
-
3. **局所進行又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第III相国際共同臨床試験(日本を含めた世界24ヵ国で実施された二重盲検比較試験)14)
-
ER陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象に、エキセメスタンの併用下でプラセボを対照群として本剤10mgを食後に連日経口投与を行った。
合計724例(日本人106例を含む)がエベロリムス群(485例)又はプラセボ群(239例)に無作為割付けされた。主要評価項目である治験責任医師の判定に基づくPFSは、エベロリムス群6.93ヵ月、プラセボ群2.83ヵ月であり、プラセボ群と比較しエベロリムス群で有意なPFSの延長が認められた(ハザード比 0.43、95%信頼区間 0.35~0.54;内分泌療法に対する感受性の有無及び内臓転移の有無を層別因子とした層別ログランク検定 p<0.0001)。
(中間解析時のデータ:2011年2月カットオフ)
-

治験責任医師の判定に基づく無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
-
-
-
副次評価項目である全生存期間(OS;中央値)は、エベロリムス群30.98ヵ月、プラセボ群26.55ヵ月であった(ハザード比 0.89、95%信頼区間0.73~1.10;内分泌療法に対する感受性の有無及び内臓転移の有無を層別因子とした層別ログランク検定 p=0.1426)。
(OSの最終解析時のデータ:2013年10月カットオフ)
-
4. 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫注3)患者を対象とした第III相国際共同臨床試験(日本を含めた世界11ヵ国で実施された二重盲検比較試験)2)
-
5. 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした臨床試験
-
結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う長径3cm以上の腎血管筋脂肪腫患者を対象に、プラセボを対照群として本剤10mgを食直後に連日経口投与を行った。
合計118例(日本人患者10例を含む)がエベロリムス群(79例)又はプラセボ群(39例)に無作為割付けされた。年齢の中央値は31.0(範囲:18.0~61.0)歳であった。主要評価項目である腎血管筋脂肪腫に対する奏効率は、エベロリムス群41.8%、プラセボ群0%であり、プラセボ群と比較してエベロリムス群で有意に高かった(無作為化時の酵素誘導作用性抗てんかん薬使用の有無により層別化したCochran-Mantel-Haenszelの正確検定 p<0.0001)。
注3)孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認
-
(1) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第II相海外臨床試験(海外で実施された医師主導単群試験)11)
-
結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象に、本剤(開始用量3.0mg/m2の1日1回又は隔日投与、トラフ濃度を測定し5~15ng/mLを目標に投与量を調節)を同一時刻に経口投与した(投与量範囲1.25~17.5mg/日)。
合計28例にエベロリムスが投与された。年齢の中央値は11.0(範囲:3~34)歳であった。主要評価項目の上衣下巨細胞性星細胞腫の最大病変の体積変化は、ベースライン時は中央値1.74(範囲:0.49~14.23)cm3であったのに対し、6ヵ月時点は中央値0.93(範囲:0.31~7.98)cm3であり、中央値で0.80(範囲:0.06~6.25)cm3の有意な縮小が認められた(片側Wilcoxon signed rank検定 p<0.001)。
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結節性硬化症に伴う長径1cm以上の上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象に、プラセボを対照群として臨床試験錠1mg注4)(開始用量4.5mg/m2/日注5)、トラフ濃度を測定し5~15ng/mLを目標に投与量を調節)を食直後に連日経口投与を行った(投与量範囲1~22mg/日)。
合計117例がエベロリムス群(78例)又はプラセボ群(39例)に無作為割付けされた。年齢の中央値は9.5(範囲:0.8~26.6)歳であった。主要評価項目である上衣下巨細胞性星細胞腫に対する奏効率は、エベロリムス群34.6%、プラセボ群0%であり、プラセボ群と比較してエベロリムス群で有意に高かった(無作為化時の酵素誘導作用性抗てんかん薬使用の有無により層別化したCochran-Mantel-Haenszelの正確検定 p<0.0001)。
注4)本試験で使用された臨床試験錠1mgとアフィニトール錠との薬物動態を比較する試験は実施されていない。
注5)本剤の承認された開始用量は、3.0mg/m2である。【用法及び用量】の項参照
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(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第III相海外臨床試験(世界10ヵ国で実施された二重盲検比較試験)15)(参考)
薬効薬理
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1. **抗腫瘍作用
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小児の結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者(3~17歳)に本剤を投与したとき、体表面積あたりの投与量(1.5~14.6mg/m2)とトラフ濃度(0.5~20.8ng/mL)の間に用量比例関係が認められたことから、小児におけるクリアランスは体表面積に比例して増加することが示唆された。11) (外国人のデータ)
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9. 小児での薬物動態
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In vitro試験において、エベロリムスはヒト及びげっ歯類由来腫瘍細胞株の増殖を抑制した。16~21)また、in vivo試験において、エベロリムスはヒト腫瘍細胞株を異種移植したマウス22~34)、同系腫瘍移植マウス35)及び同系腫瘍移植ラット36,37)の腫瘍増殖を抑制した。
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2. 血管新生阻害作用
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In vitro試験において、エベロリムスは血管内皮増殖因子(VEGF)及び塩基性線維芽細胞増殖因子によるヒト臍帯静脈内皮細胞の増殖を阻害した。38)また、エベロリムスは腫瘍細胞からのVEGF産生を阻害した。35)In vivo試験において、エベロリムスはマウスに皮下移植したVEGF含有チャンバー内の血管新生を阻害した。39)B16/BL6メラノーマ細胞を同所性移植したマウスにおいて、エベロリムスは移植部位及び転移部位の腫瘍血管密度を減少させた。35)
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3. TSC遺伝子欠損マウスに対する作用
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エベロリムスは、結節性硬化症の原因遺伝子と考えられているTuberous sclerosis(TSC)遺伝子のうち、TSC1遺伝子を神経細胞で欠損させたマウスの生存日数を延長し、脳内のリン酸化S6を低下させた。40)また、エベロリムスは、TSC2遺伝子をヘテロで欠損させたマウスでみられる腎腫瘍形成を抑制した。41)
有効成分に関する理化学的知見
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構造式
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-
一般名
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エベロリムス(Everolimus)
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化学名
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(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)-1,18-Dihydroxy-12-{(1R)-2-[(1S,3R,4R)-4-(2-hydroxyethoxy)-3-methoxycyclohexyl]-1-methylethyl}-19,30-dimethoxy-15,17,21,23,29,35-hexamethyl-11,36-dioxa-4-azatricyclo[30.3.1.04,9]hexatriaconta-16,24,26,28-tetraene-2,3,10,14,20-pentaone
-
分子式
-
C53H83NO14
-
分子量
-
958.22
-
白色~淡黄色の粉末で、エタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
-
性状
承認条件
-
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
-
腎細胞癌の診断、化学療法に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
-
膵神経内分泌腫瘍
1.
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製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
2.
-
膵神経内分泌腫瘍の診断、化学療法に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
-
**手術不能又は再発乳癌
-
乳癌の診断、化学療法に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
-
結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫
-
結節性硬化症の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
包装
-
アフィニトール錠2.5mg 30錠(両面アルミニウムPTP)
-
アフィニトール錠5mg 30錠(両面アルミニウムPTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
-
1)
-
Okamoto,I.et al.:Jpn.J.Clin.Oncol.40(1),17,2010 〔CERJ00122〕
-
2)
-
社内資料:国際共同臨床試験の結果(M2302試験) 〔CERU00063〕
-
3)
-
*社内資料:アフィニトール錠5mgと分散錠の生物学的同等性 〔CERU00066〕
-
4)
-
社内資料:食事の影響(2120試験) 〔CERU00025〕
-
5)
-
社内資料:[3H]-エベロリムスの血中分布に関する検討 〔CERU00005〕
-
6)
-
Kovarik,J.M.et al.:Clin.Pharmacol.Ther.70(5),425,2001 〔CERM00127〕
-
7)
-
社内資料:In vitro代謝 〔CERU00026〕
-
8)
-
社内資料:維持期腎移植患者における[14C]-エベロリムス単回経口投与後の吸収、分布、動態及び生体内変換についての検討 〔CERU00006〕
-
9)
-
社内資料:エベロリムスの薬物動態に対する肝機能障害の影響 〔CERU00054〕
-
10)
-
社内資料:母集団薬物動態解析 〔CERU00027〕
-
11)
-
社内資料:海外臨床試験の結果(C2485試験) 〔CERU00065〕
-
12)
-
社内資料:国際共同臨床試験の結果(2240試験) 〔CERU00028〕
-
13)
-
社内資料:国際共同臨床試験の結果(2324試験) 〔CERU00055〕
-
14)
-
**社内資料:国際共同臨床試験の結果(Y2301試験) 〔CERU00070〕
-
15)
-
社内資料:海外臨床試験の結果(M2301試験) 〔CERU00064〕
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16)
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社内資料:In vitro腫瘍増殖抑制作用(腫瘍細胞株のパネル) 〔CERU00029〕
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17)
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社内資料:In vitro腫瘍増殖抑制作用(乳癌,非小細胞肺癌,腎癌細胞株) 〔CERU00030〕
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18)
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Missiaglia,E.et al.:J.Clin.Oncol. 28(2),245,2010 〔CERM01243〕
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19)
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社内資料:In vitro腫瘍増殖抑制作用(膵神経内分泌腫瘍BON細胞株) 〔CERU00056〕
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20)
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**社内資料:In vitro腫瘍増殖抑制作用(エストロゲン依存性乳癌MCF-7細胞株) 〔CERU00071〕
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21)
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**社内資料:In vitro腫瘍増殖抑制作用(アロマターゼ阻害剤併用試験・エストロゲン依存性乳癌MCF-7細胞株) 〔CERU00072〕
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22)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(膵臓癌細胞株) 〔CERU00031〕
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23)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(類上皮腫KB31細胞株) 〔CERU00032〕
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24)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(大腸癌HCT116細胞株) 〔CERU00033〕
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25)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(肺癌A549細胞株) 〔CERU00034〕
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26)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(肺癌NCI-H596細胞株) 〔CERU00035〕
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27)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(肺癌NCI-H520細胞株) 〔CERU00036〕
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28)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(類上皮腫KB-8511細胞株) 〔CERU00037〕
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29)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(ヒト腫瘍組織) 〔CERU00038〕
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30)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(ヒト腎細胞癌組織) 〔CERU00039〕
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31)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(腎癌Caki-1細胞株) 〔CERU00040〕
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32)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(膵神経内分泌腫瘍BON細胞株) 〔CERU00057〕
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33)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(気管支カルチノイド腫瘍NCI-H727細胞株) 〔CERU00058〕
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34)
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**社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(エストロゲン依存性乳癌MCF-7細胞株) 〔CERU00073〕
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35)
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Lane,H.A.et al.:Clin.Cancer Res.15(5),1612,2009 〔CERM00998〕
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36)
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Boulay,A.et al.:Cancer Res.64(1),252,2004 〔CERM00235〕
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37)
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社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(下垂体癌GH3細胞株) 〔CERU00041〕
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38)
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社内資料:内皮細胞及び線維芽細胞増殖抑制作用 〔CERU00042〕
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39)
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社内資料:In vivo血管新生阻害作用 〔CERU00043〕
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40)
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Meikle,L.et al.:J.Neurosci.28(21),5422,2008 〔CERM00816〕
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41)
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Pollizzi,K.et al.:Mol.Cancer 8,38,2009 〔CERM01073〕
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42)
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社内資料:エベロリムスのFKBP12に対する結合能 〔CERU00044〕
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社内資料:腫瘍及び皮膚のmTOR標的分子への影響 〔CERU00045〕
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43)
文献請求先
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主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
ノバルティス ファーマ株式会社 ノバルティス ダイレクト
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〒106-8618 東京都港区西麻布4-17-30
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
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ノバルティス ファーマ株式会社
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東京都港区西麻布4-17-30
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エベロリムスは、細胞内イムノフィリンであるFKBP(FK506 binding protein)12に結合した。42)エベロリムスとFKBP12の複合体がセリン・スレオニンキナーゼであるmTORを選択的に阻害すると考えられている。mTORは、p70S6キナーゼ及び4E-BP1をリン酸化することによって蛋白質合成を調節し、細胞の成長、増殖及び生存に関与する。
エベロリムスを投与された担癌マウス43)及び担癌ラット36)の腫瘍においてp70S6キナーゼが阻害され、エベロリムスを投与された担癌ラットの腫瘍において4E-BP1のリン酸化が阻害された。36)
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4. 作用機序
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