低分子デキストランL注(250mL袋)/低分子デキストランL注(500mL袋)
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作成又は改訂年月
** 2012年1月改訂(_部、第7版)
* 2011年4月改訂
日本標準商品分類番号
87 3319
薬効分類名
血漿増量・体外循環灌流液(低分子デキストラン加乳酸リンゲル液)
承認等
販売名
低分子デキストランL注(250mL袋)
販売名コード
3319536A4029
承認・許可番号
承認番号
14500AMZ00624
商標名
LOW MOLECULAR DEXTRAN L INJECTION
薬価基準収載年月
1997年7月
販売開始年月
1997年10月
貯法・使用期限等
貯法
取扱い上の注意の項参照
使用期限
容器に表示の使用期限内に使用すること。
使用時及び保管
取扱い上の注意の項参照
規制区分
処方せん医薬品注)
注)注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
本剤は1 容器(250mL)中に次の成分を含有する注射液である。
デキストラン40
25g
塩化カルシウム水和物
0.05g
塩化カリウム
0.075g
塩化ナトリウム
1.5g
**L-乳酸ナトリウム
0.775g
電解質濃度
Na+
130mEq/L
K+
4mEq/L
Ca2+
3mEq/L
Cl-
109mEq/L
**L-Lactate-
28mEq/L
本剤は添加物として塩酸(pH 調整剤)を含有する。
性状
本剤は無色~微黄色澄明の注射液である。
pH
約5.4(製造直後の平均実測値)
5.0 ~ 7.5(規格値)
浸透圧比
約1(生理食塩液に対する比)
販売名
低分子デキストランL注(500mL袋)
販売名コード
3319536A3022
承認・許可番号
承認番号
14500AMZ00624
商標名
LOW MOLECULAR DEXTRAN L INJECTION
薬価基準収載年月
1988年7月
販売開始年月
1989年1月
貯法・使用期限等
貯法
取扱い上の注意の項参照
使用期限
容器に表示の使用期限内に使用すること。
使用時及び保管
取扱い上の注意の項参照
規制区分
処方せん医薬品注)
注)注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
本剤は1 容器(500mL)中に次の成分を含有する注射液である。
デキストラン40
50g
塩化カルシウム水和物
0.1g
塩化カリウム
0.15g
塩化ナトリウム
3.0g
**L-乳酸ナトリウム
1.55g
電解質濃度
Na+
130mEq/L
K+
4mEq/L
Ca2+
3mEq/L
Cl-
109mEq/L
**L-Lactate-
28mEq/L
本剤は添加物として塩酸(pH 調整剤)を含有する。
性状
本剤は無色~微黄色澄明の注射液である。
pH
約5.4(製造直後の平均実測値)
5.0 ~ 7.5(規格値)
浸透圧比
約1(生理食塩液に対する比)
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
うっ血性心不全のある患者[循環血液量を増すことから、心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]
2.
高乳酸血症の患者[症状が悪化するおそれがある。]
効能又は効果
代用血漿として急性出血の治療、特に急性大量出血の際の初期治療として有効
外傷、熱傷、出血などに基づく外科的ショックの予防及び治療
手術時における輸血量の節減
体外循環灌流液として用い、灌流を容易にして手術中の併発症の危険を減少する。
用法及び用量
通常、1回500mLを緩徐に静脈内に注射する。
なお、年齢、体重、症状に応じて適宜増減する。
体外循環灌流液として用いる場合には、体重kgあたりデキストラン40として2~3g(20~30mL)を注入する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
長期連用を避けること(できるだけ短期投与にとどめ、5日以内とする)。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
腎障害のある患者[腎障害が悪化するおそれがある。]
2.
脱水状態の患者[腎機能障害発現の誘因となるおそれがある。]
3.
肺水腫の患者[水分、電解質が肺細胞間質に滞留し、肺水腫が悪化するおそれがある。]
4.
低フィブリノーゲン血症、血小板減少症等の出血傾向のある患者[凝固系を抑制して出血傾向を促進するおそれがある。]
5.
重篤な肝障害のある患者[水分、電解質代謝異常を悪化させるおそれがある。]
6.
閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水分、電解質の過負荷となり、症状が悪化するおそれがある。]
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
腎障害を起こすおそれのあるアミノ糖系抗生物質(カナマイシン、ゲンタマイシン等)
臨床症状・措置方法
乏尿など腎に異常が認められた場合には、投与を中止し、持続的血液濾過透析法、血漿交換、血液透析等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
これら抗生物質の腎毒性を増強することがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例267例中、臨床検査値異常を含む副作用の報告はなかった(承認時、1970年)。
重大な副作用
1. ショック
(頻度不明)
ショック症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧降下、脈拍の異常、呼吸抑制等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、対症療法を行うこと(デキストラン40注射液でみられる副作用:第一次再評価結果その16、1979年)。
2. 急性腎不全
(頻度不明)
急性腎不全があらわれることがあるので、乏尿などの異常が認められた場合には投与を中止し、持続的血液濾過透析法、血漿交換、血液透析等の適切な処置を行うこと。(デキストラン40注射液でみられる副作用:第一次再評価結果その13、1977年)。
3. 過敏症
(頻度不明)
アナフィラキシー等の過敏症状があらわれた場合には投与を中止し、対症療法を行うこと(自主改訂、1993年)。
その他の副作用
血液(大量投与又は連用)
頻度不明
〔出血時間延長又は出血傾向〕
胃腸
頻度不明
〔悪心・嘔吐等〕
皮膚
頻度不明
〔じん麻疹〕
大量・急速投与
頻度不明
〈脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫〉
〔〕:デキストラン40注射液でみられる副作用(第一次再評価結果その13、1977年)
〈〉:乳酸リンゲル液でみられる副作用(第一次再評価結果その14、1978年)
その他の副作用の注意
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。
臨床検査結果に及ぼす影響
血液型判定又は交叉試験を妨害することがあるので、これらの試験を行う必要がある場合には、本剤の投与前に実施することが望ましい。
適用上の注意
1. 投与経路:
皮下投与しないこと。
2. 調製時:
(1)
本剤はカルシウム塩を含有するため、クエン酸加血液と混合すると凝血を起こすおそれがあるので注意すること。
(2)
リン酸イオン及び炭酸イオンと沈殿を生じるので、リン酸塩又は炭酸塩を含む製剤と配合しないこと。
3. 投与前:
(1)
保存中の温度変化による局部的濃縮のため、まれに不溶性デキストランを析出することがある(鱗片状又は凝縮物)。
このような場合には使用しないこと。
(2)
投与に際しては、感染に対する配慮をすること(患者の皮膚や器具消毒)。
(3)
寒冷期には体温程度に温めて使用すること。
(4)
開封後直ちに使用し、残液は決して使用しないこと。
薬物動態
血中濃度
健常人に本剤を静注(250mL/60分)した場合のデキストラン40の血中濃度は、点滴終了時に最高値312.3mg/dLに達したのち漸減し、24時間後には28.7mg/dLまで減少した。また、血中半減期は投与終了後約3時間であった1)。
臨床成績
外科手術患者97症例の術中及び術後に本剤を投与し、また、必要に応じて輸血を併用した。その結果、安定した血圧及び脈拍が得られ、血液性状、血清電解質バランス、酸塩基平衡の変動は、いずれも軽微で正常範囲内であった2~4)。
薬効薬理
1. 血漿増量作用
成犬を用い、脱血及び等量の本剤注入操作を繰返して血液希釈を行った実験で、循環血漿量及び細胞外液量の増加が認められた5)。
2. 酸塩基平衡、電解質バランスの維持
脱血成犬において、本剤は10%デキストラン40加5%ブドウ糖液に対し、酸塩基平衡障害及び血清電解質濃度の減少を著明に抑制した6)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
デキストラン40
分子量
約40,000(平均分子量)
構造式
取扱い上の注意
-
1.
-
保存中の温度変化による局部的濃縮のため、まれに不溶性デキストランを析出することがある(鱗片状又は凝縮物)。
-
2.
-
不溶性デキストランの析出を認めた場合、これを使用しないこと。
-
3.
-
このような事例の発生を防止するため、下記の「貯法」の項を参照して保存すること。
-
4.
-
注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと。斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある。
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5.
-
ソフトバッグ製品は、原則として連結管を用いたタンデム方式による投与はできない。
-
6.
-
包装内に水滴が認められるものや内容液が着色又は混濁しているものは使用しないこと。
-
7.
-
容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
-
室温保存。ただし、不溶性デキストランの析出を防止するため、次の点に留意する。
-
(1)
-
温度変化の少ない場所で保存すること。
例えばクーラーの吹き出し口付近等、温度変化の著しい場所での保存は避けること。
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(2)
-
不溶性デキストランの析出は、ゴム栓とソフトバッグ容器内壁との接触溝付近で発生しやすいため7)、横積み状態での保存に努めること。
-
温度変化の影響を少なくするため、ソフトバッグを包んでいる外袋は開封しないことが望ましい。
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(3)
-
貯法(保存条件)
包装
-
250mL 20袋 ソフトバッグ入り
-
500mL 20 袋 ソフトバッグ入り
主要文献及び文献請求先
主要文献
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1)
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小田博宗,他:新薬と臨床 1978;27(10):1853-1857
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2)
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後藤幸生,他:臨床泌尿器科 1969;23(1):17-22
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3)
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岡本喜雄,他:麻酔 1969;18:64-68
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4)
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武藤輝一,他:診断と治療 1968;56(7):1250-1257
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5)
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杉本 比,他:麻酔 1969;18(11):1079-1090
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6)
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上山英明,他:麻酔 1968;17(10):986-987
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中島徳保,他:薬学雑誌 1975;95(6):749-752
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7)
文献請求先
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*株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
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*〒101‐0048 東京都千代田区神田司町2‐2
-
*TEL:0120-719-814
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*FAX:03‐5296‐8400
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
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大塚製薬株式会社
-
東京都千代田区神田司町2-9
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徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
株式会社大塚製薬工場
東京都千代田区神田司町2-9
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
白色の無晶性の粉末で、におい及び味はない。エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水に徐々に溶解する。吸湿性である。
性状