日付：平成26年5月26日
商品名：ラパリムス錠1mg
一般名：シロリムス
申請者：ノーベルファーマ
取扱い：新規承認
効能・効果：リンパ脈管筋腫症
用法・用量：通常、成人にはシロリムスとして2mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回4mgを超えないこと。
申請年月日：平成25年10月21日
再審査期間：10年（希少疾病用医薬品）
承認条件：市販直後調査、全例調査
その他：希少疾病用医薬品

リンパ脈管筋腫症(LymphAngioleiomyoMatosis：LAM)は、平滑筋様細胞(LAM細胞)が肺などで異常増殖し、組織破壊による小さな肺の穴が複数生じることを特徴とする疾患。
主として妊娠可能な年齢の女性が罹患するとされ、労作性呼吸困難、気胸等の呼吸器症等の症状を示す。
LAMでは、遺伝子の異常により、細胞が増殖する際に働くタンパク質であるmToR(mammallian Target Of Rapamycin)が恒常的に活性化された状態となるため過剰な細胞増殖が起こると言われており、シロリムスはこのmTORを阻害する。
【リンパ脈管筋腫症　新薬】ラパリムス錠

2014年7月4日、厚生労働省は「リンパ脈管筋腫症」を効能・効果とするラパリムス錠1mg（一般名：シロリムス）を承認しました＾＾

リンパ脈管筋腫症は、組織破壊により肺に小さな穴が複数生じることが特徴の疾患で、適応をもつ治療薬はなく、公費負担の対象疾患です。


主な症状は肺の病変により出現するもので、労作時の息切れ、咳、痰、血痰、喘息様の喘鳴、などです。

また、肺が破れて空気が漏れる気胸を生じることがあり、胸痛や呼吸困難がみられます。

このような症状や合併症のある場合はその対処療法としての治療を行います。

酸素が低下し呼吸不全となった場合は酸素の吸入、繰り返す気胸には胸膜の癒着や外科的治療が必要です。

このように今までは対処療法としての治療しかなく、根本的な原因治療はありませんでした。

そんな中、今回承認されたラパリムスは、肺での平滑筋様細胞の異常増殖に関わるたんぱく質であるmTORの働きを阻害し、効果を発揮します。

このように今まで治療法がなかったリンパ脈管筋腫症に初めての治療薬がラパリムスですので患者さんにとっては朗報ではないでしょうか☆

以上、今回は稀な疾患ではありますが、リンパ脈管筋腫症とラパリムスをご紹介しました＾＾