Coretec(Olprinone Hydrochloride Hydrate)コアテック注SB9mg
奥普力农注射液Coretec(Olprinone Hydrochloride Hydrate)コアテック注SB9mg
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コアテック注SB9mg
作成又は改訂年月
-
**2009年7月改訂(第4版)
-
*2008年7月改訂
日本標準商品分類番号
872119
日本標準商品分類番号等
-
国際誕生年月
1996年1月
薬効分類名
急性心不全治療剤
承認等
-
販売名
-
コアテック注SB9mg

販売名コード
2119407G1022
承認・許可番号
-
承認番号
-
21600AMZ00553000
-
商標名
-
Coretec

薬価基準収載年月
2004年12月
販売開始年月
2004年12月
貯法・使用期限等
-
*貯 法
-
室温保存
外袋のかかった状態で保存すること(外袋はUVカット素材を使用している)。
-
使用期限
-
外箱又はバッグに表示の使用期限内に使用すること。
-
注 意
-
「取扱い上の注意」の項参照
**規制区分
処方せん医薬品
-
注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
本剤は、下記の成分を含有する無色澄明な注射剤で、半透明のソフトバッグに充てんされている。
-
有効成分
-
オルプリノン塩酸塩水和物 1バッグ(150mL)中の分量:9mg
-
添加物
-
クエン酸水和物 1バッグ(150mL)中の分量:3.78mg
-
添加物
-
水酸化ナトリウム 1バッグ(150mL)中の分量:適量
-
添加物
-
D‐ソルビトール 1バッグ(150mL)中の分量:0.45g
-
添加物
-
ブドウ糖 1バッグ(150mL)中の分量:7.05g
性状
本剤は無色澄明の液である。
-
pH
-
3.0~5.0
-
浸透圧比
-
約1(生理食塩液に対する比)
一般的名称
*オルプリノン塩酸塩水和物希釈製剤
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
肥大型閉塞性心筋症の患者
〔左室流出路狭窄を増悪させるおそれがある。〕
-
2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
|
効能又は効果
効能
下記の状態で他の薬剤を投与しても効果が不十分な場合
-
急性心不全
用法及び用量
通常、成人には、オルプリノン塩酸塩水和物として体重1kgあたり10μgを5分間かけて緩徐に静脈内投与し、引き続き1分間あたり0.1~0.3μg/kgを点滴静注する。
なお、点滴投与量は患者の病態に応じて適宜増減し、必要ある場合には1分間あたり0.4μg/kgまで増量できる
用法及び用量の表
〈参考〉投与量早見表
投与量:体重 |
初期投与量
10μg/kg
5分
(2μg/kg/min) |
維持投与量
:0.1μg/kg/min |
維持投与量
:0.2μg/kg/min |
維持投与量
:0.3μg/kg/min |
維持投与量
:0.4μg/kg/min |
30kg |
60(5.0mL) |
3.0 |
6.0 |
9.0 |
12.0 |
40kg |
80(6.7mL) |
4.0 |
8.0 |
12.0 |
16.0 |
50kg |
100(8.3mL) |
5.0 |
10.0 |
15.0 |
20.0 |
60kg |
120(10.0mL) |
6.0 |
12.0 |
18.0 |
24.0 |
70kg |
140(11.7mL) |
7.0 |
14.0 |
21.0 |
28.0 |
80kg |
160(13.3mL) |
8.0 |
16.0 |
24.0 |
32.0 |
太文字:
1時間あたりの投与液量〔mL/時間〕
小児用微量輸液セット(60滴/mL)を使用する場合1分間あたりの滴量〔滴/分〕
初期投与量( )内:
5分間の投与液量
用法及び用量に関連する使用上の注意
投与開始時は、初期投与(10μg/kg)として2μg/kg/分で5分間投与すること。また、5分間の初期投与後、0.1~0.3μg/kg/分に減量して維持投与を行う。なお、点滴速度は過量投与にならないように十分注意すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
-
重篤な頻脈性不整脈のある患者
〔本剤は陽性変時作用と血管拡張作用による圧受容体反射があるため、不整脈を増悪させることがある。〕
-
2.
-
重篤な冠動脈疾患のある患者
〔本剤は陽性変力作用を有し、冠動脈疾患を増悪させるおそれがある。〕
-
3.
-
腎機能障害のある患者
〔腎機能の低下に伴い、本剤の消失半減期が長くなるおそれがある。また、腎機能障害を悪化させるおそれがある。〕
-
4.
-
著しく血圧の低い患者
〔本剤は血管拡張作用を有し、血圧を更に低下させることがある。〕
-
5.
-
高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
重要な基本的注意1.
-
本剤は他の薬剤を投与しても効果が不十分な場合に適用を考慮すること。
-
2.
-
本剤の投与前に体液減少及び電解質の是正、呼吸管理等の必要な処置を行うこと。
-
3.
-
本剤の投与は、血圧、心拍数、心電図、尿量、体液及び電解質、また可能な限り肺動脈楔入圧、心拍出量及び血液ガス等、患者の状態を観察しながら行うこと。
-
4.
-
本剤の投与開始後、120分間で臨床症状の改善がみられない場合、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
5.
-
長時間投与の使用経験は少ないが、3時間を超える投与では副作用の発現頻度が高い傾向にあるので、3時間を超えて投与する場合には、注意して使用すること(「臨床成績」の項参照)。
-
6.
-
本剤の投与により臨床症状が改善し、患者の状態が安定した場合(急性期を脱した場合)には、他の治療法に変更すること。なお、1日の総投与量は0.6mg/kg(1分間あたり0.4μg/kgで24時間投与した場合に相当)を超えないこと。
-
7.
-
本剤の投与中に、過度の心拍数増加、血圧低下があらわれた場合には、過量投与の可能性があるので、減量又は中止するなどの適切な処置を行うこと。
-
8.
-
高度の大動脈弁狭窄・僧帽弁狭窄等がある患者では、本剤による改善がみられない可能性がある。
-
9.
-
腎機能が低下している患者では、消失半減期が長くなることが推定されるので、血圧、心拍数、心電図、尿量、体液及び電解質、また可能な限り肺動脈楔入圧、心拍出量及び血液ガス等、患者の状態を十分に観察しながら、点滴静注の際には1分間あたり0.1μg/kgから開始し、過量投与にならないよう投与量に注意すること。
-
10.
-
利尿剤を大量に投与されている患者では、本剤に十分反応しない可能性があるので注意すること。
-
11.
-
本剤の投与により過度の利尿及び低カリウム血症を起こす可能性があるので、ジギタリス療法を受けている患者については注意すること。
-
12.
-
急性心不全患者では、不整脈があらわれることがあり、本剤の投与によりその可能性を高めるおそれがあるので、注意すること。
-
13.
-
本剤はブドウ糖を含んでいるので、ブドウ糖の投与が好ましくない患者には他の希釈剤で希釈したコアテック注5mgを使用すること。
-
14.
-
水分摂取が制限されている患者では水分摂取量が過剰にならないように注意して投与すること。また必要に応じコアテック注5mgの使用も考慮すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
-
1. 薬剤名等
カテコールアミン系の強心薬
ドパミン塩酸塩
ドブタミン塩酸塩等
アデニル酸シクラーゼ活性化剤
コルホルシンダロパート塩酸塩
-
臨床症状・措置方法
-
互いに強心作用を増強するが、不整脈の発現を助長させるおそれもある。
-
機序・危険因子
-
本剤並びに相手薬剤はともに強心作用を有する。
-
2. 薬剤名等
ジソピラミド
-
臨床症状・措置方法
-
外国における類薬(アムリノン)の使用成績で、併用した1例において過度の血圧低下が報告されている。
-
機序・危険因子
-
機序不明
副作用
副作用等発現状況の概要
*総症例3,899例中、379例(9.72%)の副作用(臨床検査値異常を含む)が報告されている。(アンプル製剤再審査終了時)
重大な副作用
1. 心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、血圧低下
-
心室細動(0.1~5%未満)、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(0.1~5%未満)、血圧低下(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
2. 腎機能障害
-
腎機能障害(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 循環器注1)
-
0.1~5%未満
-
頻脈、上室性又は心室性期外収縮等の不整脈
-
2. 消化器
-
0.1~5%未満
-
嘔吐
-
3. *精神神経系
-
0.1%未満
-
頭痛、頭重
-
4. *血液
-
0.1~5%未満
-
血小板減少、貧血、白血球減少、白血球増多
-
5. 泌尿器
-
0.1~5%未満
-
尿量減少
-
6. *過敏症注2)
-
0.1%未満
-
発疹
-
7. *呼吸器
-
0.1%未満
-
低酸素血症注3)
-
8. *その他
-
0.1%未満
-
熱感
その他の副作用の注意
注1)観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
-
注2)このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
-
注3)血管拡張作用により動脈血酸素分圧の低下を起こすことがあるので、呼吸管理を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
-
高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいと推定されるので、血圧、心拍数、心電図、尿量、体液及び電解質、また可能な限り肺動脈楔入圧、心拍出量及び血液ガス等、患者の状態を十分に観察しながら、点滴静注の際には1分間あたり0.1μg/kgから開始し、過量投与にならないよう投与量に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
-
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
〔動物実験(ラット:静脈内)で胎児体重の増加抑制、化骨遅延が認められている。〕
-
2.
-
本剤投与中は授乳を避けさせること。
〔動物実験(ラット:静脈内)で乳汁中への移行が認められている。〕
小児等への投与
*小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
(1)
-
下記の注射製剤と配合変化を起こすことが確認されているので、混合しないこと。
ソルダクトン、ウロキナーゼ‐Wf、フルマリン静注用
-
(2)
-
他の注射剤と混合せずに用いることが望ましい(患者の病態に応じ、本剤の点滴静注速度を調節する必要がある)。
-
2. 投与時
-
本剤は希釈濃度が一定であるため、患者の体重、投与量に応じて本剤の点滴速度を調節する必要があるので、輸液ポンプ等を使用すること。
薬物動態
1. 血中濃度
-
健康成人男子(3あるいは4名)にオルプリノン塩酸塩水和物を1.25~50μg/kg注)の投与量で5分間定速静脈内投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与量に比例して上昇し、AUCも投与量に比例して増加した。静注後の血漿中からの未変化体の消失は2相性を示し、半減期はα相7.0分、β相57分であった。1)

-
2. 排泄
-
健康成人男子に5分間定速静脈内投与(オルプリノンとして2.5~50μg/kg注))したとき、投与後48時間までに投与量の70~80%が未変化体として尿中に排泄された。1)
注)10μg/kgを超える用量は承認外用量である。
臨床成績
1. 臨床効果
-
本剤は、急性心不全を対象とした二重盲検試験を含む臨床試験において77.6%(83/107例)の有効率を示した。血行動態的にはプラセボを対象とした二重盲検試験において肺動脈楔入圧の減少率、心拍出量の増加率ともに本剤が有意に優れていた。2)3)4)5)6)
-
2. 副作
臨床成績の表
副作用の時間別発現頻度
|
投薬時間:3時間以内 |
投薬時間:3時間~72時間 |
副作用発現頻度
(発現率%) |
33/233例
(14.16%) |
6/21例
(28.57%) |
薬効薬理
(1) 心収縮力増強作用
-
モルモット及びイヌ摘出心筋の収縮力を濃度依存的に増強し、静脈内投与により麻酔及び覚醒イヌの心収縮力(LV dP/dt max)を用量依存的に増強する。7)8)9)
-
(2) 血管拡張作用
-
ラット摘出大動脈のノルアドレナリン及びKCl収縮、並びにイヌ摘出大腿動脈及び伏在静脈のフェニレフリン収縮を濃度依存的に抑制する。また、麻酔イヌにおいて、静脈内投与により全末梢血管抵抗を用量依存的に減少し、動脈内投与により局所血流を増加する。9)10)
-
(3) 心不全病態の改善作用
-
麻酔イヌを用いたプロプラノロール心不全、容積負荷及び冠動脈結紮による心不全並びに僧帽弁逆流による心不全の各病態モデルにおいて、心収縮力増強、心拍出量増加、後負荷及び前負荷の減少を示し、心不全病態を著明に改善する。また、プロプラノロール心不全における左室内径の拡大及び内径短縮率の低下を著明に改善し、僧帽弁逆流による心不全モデルにおいて容量血管拡張作用が示唆された。9)11)12)
-
(1) 心収縮力増強
-
主たる作用機序はcAMPに特異的なPDEIIIの選択的阻害であり、その結果として生じる細胞内cAMP増加及びピークCa2+レベル上昇により心収縮力増強を示すと推測される。7)8)13)14)
-
(2) 血管拡張
-
主たる作用機序はPDEIIIの選択的阻害であり、その結果として生じる細胞内cAMP増加及びCa2+レベル低下により血管拡張を示すと推測される。10)15)16)
有効成分に関する理化学的知見
*一般名
-
オルプリノン塩酸塩水和物
(Olprinone Hydrochloride Hydrate)
-
化学名
-
1,2‐dihydro‐5‐(imidazo[1,2‐α]pyridin‐6‐yl)‐6‐methyl‐2‐oxo‐3‐pyridinecarbonitrile hydrochloride monohydrate
-
分子式
-
C14H10N4O・HCl・H2O
-
分子量
-
304.73
-
構造式
-

-
物理化学的性状
-
オルプリノン塩酸塩水和物は白色~淡黄白色の結晶性の粉末で、においはない。本品はギ酸に溶けやすく、水にやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)、無水酢酸、酢酸(100)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
取扱い上の注意
1.
-
ソフトバッグを包んでいる外袋はUVカット素材を用いているため、外袋開封後は速やかに使用すること。
-
2.
-
注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと。
斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある。
-
3.
-
*原則として連結管(U字管)を用いたタンデム方式による投与はできない。
-
4.
-
包装内に、水滴が認められた場合や、内容液が着色又は混濁等の異常が認められた場合には使用しないこと。
-
5.
-
容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
包装
コアテック注SB9mg(150mL):5袋
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
-
新 博次ら:臨床薬理, 21, 613 (1990) COR‐0054
-
2)
-
木全心一ら:臨牀と研究, 69, 2260 (1992) COR‐0055
-
3)
-
木全心一ら:臨牀と研究, 69, 3984 (1992) COR‐0056
-
4)
-
木全心一ら:臨牀と研究, 70, 903 (1993) COR‐0057
-
5)
-
村上林児ら:臨牀と研究, 70, 1265 (1993) COR‐0062
-
6)
-
東 秋弘ら:臨牀と研究, 70, 1307 (1993) COR‐0063
-
7)
-
Ogawa, T. et al.:Arzneim. Forsch., 39(I), 33 (1989) COR‐0027
-
8)
-
Satoh, H. et al.:Jpn. J. Pharmacol., 52, 215 (1990) COR‐0028
-
9)
-
Ohhara, H. et al.:Arzneim. Forsch., 39(I), 38 (1989) COR‐0024
-
10)
-
Tajimi, M. et al.:Naunyn‐Schmiedeberg's Arch. Pharmacol., 344, 602 (1991) COR‐0029
-
11)
-
Tanio, H. et al.:Jpn. Circ. J., 55, 1068 (1991) COR‐0026
-
12)
-
大原秀人ら:日本薬理学雑誌, 99, 421 (1992) COR‐0025
-
13)
-
Honda, M. et al.:Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 21, 1001 (1994) COR‐0032
-
14)
-
Sugioka, M. et al.:Naunyn‐Schmiedeberg's Arch. Pharmacol., 350, 284 (1994) COR‐0078
-
15)
-
Ohoka, M. et al.:Jpn. Circ. J., 54, 679 (1990) COR‐0030
-
16)
-
Itoh, H. et al.:Eur. J. Pharmacol., 240, 57 (1993) COR‐0077
文献請求先
エーザイ株式会社 安全管理部
-
FAX番号
-
03(3811)2710
-
商品情報お問い合わせ先
エーザイ株式会社 お客様ホットライン
-
電話番号
-
0120(419)497
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
-
エーザイ株式会社
-
東京都文京区小石川4-6-10
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