盐酸雷莫司注射液 Nasea Injection 0.3mg ナゼア注射液0.3mg
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ナゼア注射液0.3mg
作成又は改訂年月
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**2014年5月改訂(第13版)
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*2012年11月改訂
日本標準商品分類番号
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872391
日本標準商品分類番号等
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再審査結果公表年月(最新)
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2007年6月
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国際誕生年月
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1996年7月
薬効分類名
5-HT3受容体拮抗型制吐剤
承認等
-
販売名
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ナゼア注射液0.3mg
販売名コード
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YJ(医情研)コード
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2391403A1025
承認・許可番号
承認番号
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20800AMZ00766
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商標名
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Nasea Injection 0.3mg
薬価基準収載年月
1996年9月
販売開始年月
1996年9月
貯法・使用期限等
貯法
-
遮光、室温保存
-
使用期限
-
ケース等に表示(製造後3年)
規制区分
劇薬
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処方せん医薬品
-
注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
有効成分(1管2mL中)
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ラモセトロン塩酸塩 0.3mg
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添加物
-
乳酸、等張化剤、pH調節剤
性状
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剤形
-
注射剤(褐色アンプル)
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色・形状
-
無色澄明の液
-
pH
-
4.0~5.0
-
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
-
約1
一般的名称
ラモセトロン塩酸塩注射液
Ramosetron Hydrochloride
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
*本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
|
効能又は効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
用法及び用量
通常、成人にはラモセトロン塩酸塩として0.3mgを1日1回静脈内投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、効果不十分な場合には、同用量を追加投与できる。
ただし、1日量として0.6mgを超えないこととする。
使用上の注意
重要な基本的注意
本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。
相互作用
相互作用の概略
本剤は、主として肝臓の薬物代謝酵素CYP1A2及びCYP2D6により代謝される。(「薬物動態」の項参照)
併用注意
(併用に注意すること)
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薬剤名等
フルボキサミン
-
臨床症状・措置方法
-
本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。
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機序・危険因子
-
フルボキサミンのCYP1A2阻害作用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時までの臨床試験では、352例中18例(5.1%)に、市販後の使用成績調査及び市販後臨床試験では、3,464例中260例(7.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められている。(再審査結果通知:2007年6月)
以下の副作用は、上記の試験・調査あるいは自発報告等で認められたものである。
重大な副作用
-
ショック、アナフィラキシー様症状(いずれも頻度不明)
-
ショック、アナフィラキシー様症状(気分不良、胸内苦悶感、呼吸困難、喘鳴、顔面潮紅、発赤、そう痒感、チアノーゼ、血圧低下等)を起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重大な副作用(類薬)
てんかん様発作
-
他の5-HT3受容体拮抗型制吐剤で、外国において、てんかん様発作があらわれたとの報告がある。
その他の副作用
過敏症注)
-
0.1~1%未満
-
皮疹
-
過敏症注)
-
0.1%未満
-
そう痒感
-
過敏症注)
-
頻度不明
-
発赤
-
精神神経系
-
0.1~1%未満
-
頭痛、頭重
-
消化器
-
0.1~1%未満
-
下痢、便秘
-
腎臓
-
0.1~1%未満
-
BUN上昇、血中クレアチニン上昇
-
肝臓
-
1~5%未満
-
肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇等)
-
その他
-
0.1~1%未満
-
体熱感、しゃっくり、頭部のほてり
-
その他
-
0.1%未満
-
舌のしびれ感
その他の副作用の注意
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用が発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦等:
-
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。]
-
2. 授乳婦:
-
授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること。[ラットにおいて乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)
適用上の注意
1. 調製時:
-
現在までに下記に示す注射液との配合変化を起こすことが確認されているので、混合しないこと。
D-マンニトール注射液、ルネトロン注射液、ラシックス注
なお、ラシックス注については、フロセミド20mgを含むラシックス注に生理食塩液200mLを加え本剤1アンプルと混合する場合には差し支えない。
-
2. アンプルカット時:
-
本品は、ワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
薬物動態
-
吸収・代謝・排泄
-
健康成人に0.1~0.8mgを静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度は二相性を示して低下し、β相の半減期は約5時間であった。AUCは投与量に比例し、体内動態は線形性を示した。投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は投与量の16~22%であった1)。
尿中には未変化体のほかに代謝物として脱メチル体、水酸化体及びその抱合体が存在した。健康成人に反復投与したとき、体内動態の変化はなく、蓄積性は認められなかった。
in vitro代謝試験において、ラモセトロン塩酸塩の一次代謝には肝臓の薬物代謝酵素CYP1A1、CYP1A2及びCYP2D6が関与することが示されており2)、ヒトにおける本剤の一次代謝にはCYP1A2及びCYP2D6が関与していると考えられる。(「薬物動態の表」表1、2参照)
薬物動態の表
表1 <健康成人に静脈内投与したときの薬動力学パラメータ>
投与量 |
t1/2β(h) |
AUC0-∞(ng・h/mL) |
CLtot(L/h/kg) |
Vdss(L/kg) |
0.2mg |
4.33 |
9.86 |
0.30 |
1.69 |
0.4mg |
5.78 |
24.95 |
0.27 |
2.11 |
0.8mg |
5.44 |
41.64 |
0.29 |
2.07 |
表2 <健康成人と腫瘍患者の薬動力学パラメータ>3)
|
C15分(ng/mL) |
t1/2β(h) |
AUC0-4h(ng・h/mL) |
血漿蛋白結合率(%) |
健康成人 |
2.42 |
5.78 |
6.57 |
91.2 |
腫瘍患者 |
4.97 |
9.02 |
12.49 |
85.9 |
-
(注)本剤の承認された1日用量は、最大0.6mgである。
(ラモセトロン塩酸塩0.3mg投与時)
臨床成績
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐に対して国内延べ121施設、357例を対象として二重盲検比較試験及び一般臨床試験を行った。臨床成績の概要は以下のとおりである3)~9)。
なお、シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐を対象としたプラセボとの二重盲検比較試験により、本剤の有用性が確認されている。(「臨床成績の表」表3参照)
臨床成績の表
表3
投与量 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐に対する有効率 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に先立って投与した場合の有効率 |
0.3mg |
79.8%(178/223例) |
85.1%(40/47例) |
薬効薬理
(1) 5-HT3受容体拮抗作用
-
セロトニンによるモルモット摘出結腸収縮10)並びにラット11)及びフェレット12)徐脈反射(ベツォルト-ヤーリッシュ反射)の実験において5-HT3受容体拮抗作用を示した。
-
(2) 抗悪性腫瘍剤誘発嘔吐抑制作用
-
シスプラチン投与により誘発されるフェレットの嘔吐に対して、嘔吐発現前又は初回嘔吐発現後の投与において抑制作用を示した13)。
-
2. 作用機序
-
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤は消化管の腸クロム親和性細胞からセロトニンを遊離させる。このセロトニンが消化管粘膜内求心性迷走神経終末に存在する5-HT3受容体に結合し、その刺激が嘔吐中枢を経て嘔吐を誘発させる。ラモセトロン塩酸塩はこの5-HT3受容体を遮断することにより制吐作用を発現するものと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
-
一般名
-
ラモセトロン塩酸塩(Ramosetron Hydrochloride)
-
化学名
-
(-)-(R )-5-[(1-Methyl-1H -indol-3-yl)carbonyl]-4,5,6,7-tetrahydro-1H -benzimidazole monohydrochloride
-
構造式
-

-
分子式
-
C17H17N3O・HCl
-
分子量
-
315.80
-
性状
-
ラモセトロン塩酸塩は白色~微帯黄白色の結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。光によって変化する。
包装
0.3mg/2mL:5管
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
-
中島光好 他:臨床と研究 71(9):2461,1994 [NA-065]
-
2)
-
社内報告書(ヒト肝ミクロソーム・代謝)(DIR050011)
-
3)
-
上田昭一 他:西日本泌尿器科 56(11):1445,1994 [NA-071]
-
4)
-
野田起一郎 他:臨床と研究 71(10):2753,1994 [NA-067]
-
5)
-
野田起一郎 他:臨床と研究 71(10):2765,1994 [NA-068]
-
6)
-
野田起一郎 他:新薬と臨床 43(11):2241,1994 [NA-00285]
-
7)
-
武谷雄二 他:産科と婦人科 61(12):1759,1994 [NA-00275]
-
8)
-
武谷雄二 他:産婦人科の世界 46(12):965,1994 [NA-00276]
-
9)
-
森 昌造 他:臨床成人病 24(12):2257,1994 [NA-072]
-
10)
-
Miyata, K. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 259(1):15,1991 [NA-033]
-
11)
-
Miyata, K. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 259(2):815,1991 [NA-00196]
-
12)
-
藤原 明 他:基礎と臨床 28(8):2329,1994 [NA-035]
-
13)
-
藤原 明 他:基礎と臨床 28(8):2337,1994 [NA-039]
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