恩杂鲁胺胶囊 Xtandi Capsules (enzalutamide)イクスタンジカプセル
イクスタンジカプセル40mg
作成又は改訂年月
-
**2014年5月改訂(第3版)
-
*2014年4月改訂
日本標準商品分類番号
-
874291
日本標準商品分類番号等
-
国際誕生年月
-
2012年8月
薬効分類名
-
前立腺癌治療剤
承認等
-
販売名
-
イクスタンジカプセル40mg
販売名コード
-
YJ(医情研)コード
-
4291031M1024
承認・許可番号
-
承認番号
-
22600AMX00532
-
商標名
-
Xtandi Capsules 40mg
薬価基準収載年月
-
**2014年5月
販売開始年月
-
**2014年5月
貯法・使用期限等
-
貯法
-
室温保存〔開封後は多湿を避けて保存すること。〕
-
使用期限
-
ケース等に表示(製造後2年)〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕
-
注意
-
【取扱い上の注意】の項参照
規制区分
-
劇薬
-
処方せん医薬品
-
注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
有効成分(1カプセル中)
-
エンザルタミド 40mg
-
添加物
-
カプリロカプロイルポリオキシルグリセリド、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ゼラチン、コハク化ゼラチン、トウモロコシデンプン由来糖アルコール液、濃グリセリン、酸化チタン
性状
剤形
-
軟カプセル剤
-
色
-
白色~微帯黄白色
-
外形
-

-
大きさ
-
長径
約21mm
-
大きさ
-
短径
約10mm
-
重量
-
約1.4g
一般的名称
-
エンザルタミドカプセル
-
Enzalutamide
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
|
効能又は効果
去勢抵抗性前立腺癌
効能又は効果に関連する使用上の注意
1.
-
本剤の化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない。
-
2.
-
「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。
用法及び用量
-
通常、成人にはエンザルタミドとして160mgを1日1回経口投与する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
外科的又は内科的去勢術と併用しない場合の有効性及び安全性は確立していない。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
-
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣発作を起こすおそれがある。]
-
2.
-
痙攣発作を起こしやすい患者(脳損傷、脳卒中等の合併又はこれらの既往歴のある患者、痙攣発作の閾値を低下させる薬剤を投与中の患者等)[痙攣発作を誘発するおそれがある。(「相互作用」の項参照)]
-
3.
-
重度の肝機能障害のある患者[本剤は肝臓で代謝を受けるため、血漿中濃度が上昇するおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
-
本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
-
2.
-
痙攣発作があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
相互作用
相互作用の概略
本剤は主として薬物代謝酵素CYP2C8で代謝される。また、本剤はCYP3A4、CYP2C9、CYP2C19、CYP2B6※、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)※及びP糖蛋白(P-gp)※に対して誘導作用を示し、P-gp※、乳癌耐性蛋白(BCRP)※、有機カチオントランスポーター1(OCT1)※及び有機アニオントランスポーター3(OAT3)※に対して阻害作用を示した(※:in vitro データ)。本剤の消失半減期は長いため(4.7~8.4日)、投与終了後も代謝酵素及びトランスポーターの誘導あるいは阻害が持続する可能性がある1)~5)。
併用注意
(併用に注意すること)
-
薬剤名等
痙攣発作の閾値を低下させる薬剤
フェノチアジン系抗精神病薬、三環系及び四環系抗うつ薬、ニューキノロン系抗菌薬等
-
臨床症状・措置方法
-
痙攣発作を誘発するおそれがある。
-
機序・危険因子
-
本剤及びこれらの薬剤はいずれも痙攣発作の閾値を低下させる。
-
薬剤名等
CYP2C8阻害剤
ゲムフィブロジル(国内未承認)等
-
臨床症状・措置方法
-
ゲムフィブロジルと本剤を併用したとき、本剤の未変化体と活性代謝物(N -脱メチル体)の合計のAUCinfは単独投与時と比べ2.17倍に上昇した。本剤の作用が増強するおそれがあるので、強力なCYP2C8阻害剤との併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮すること。やむを得ず、強力なCYP2C8阻害剤と併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
-
機序・危険因子
-
これらの薬剤はCYP2C8を阻害するため、併用により本剤の代謝が阻害され、血漿中濃度が上昇する可能性がある。
-
薬剤名等
CYP2C8誘導剤
リファンピシン等
-
臨床症状・措置方法
-
本剤の作用が減弱するおそれがあるので、慎重に投与すること。
-
機序・危険因子
-
これらの薬剤はCYP2C8を誘導するため、併用により本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
-
薬剤名等
CYP3A4の基質となる薬剤
ミダゾラム等
-
臨床症状・措置方法
-
本剤の定常状態でミダゾラムを投与したとき、ミダゾラムのAUCinf及びCmaxは単独投与と比べそれぞれ0.14倍及び0.23倍に低下した。
本剤の併用により、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。
-
機序・危険因子
-
本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
-
薬剤名等
CYP2C9の基質となる薬剤
ワルファリン等
-
臨床症状・措置方法
-
本剤の定常状態でワルファリンを投与したとき、CYP2C9の基質であるS -ワルファリンのAUCinf及びCmaxはワルファリン単独投与時と比べそれぞれ0.44倍及び0.93倍に低下した。
本剤の併用により、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。
-
機序・危険因子
-
本剤のCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
-
薬剤名等
CYP2C19の基質となる薬剤
オメプラゾール等
-
臨床症状・措置方法
-
本剤の定常状態でオメプラゾールを投与したとき、オメプラゾールのAUCinf及びCmaxはオメプラゾール単独投与時と比べそれぞれ0.30倍及び0.38倍に低下した。
本剤の併用により、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。
-
機序・危険因子
-
本剤のCYP2C19誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
-
<国内臨床試験>
-
去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第I/II相試験において、本剤が投与された47例中31例(66.0%)に副作用が認められた。主な副作用は高血圧(14.9%)、便秘(14.9%)、疲労(12.8%)、食欲減退(12.8%)、体重減少(10.6%)及び心電図QT延長(10.6%)等であった。(承認時:2014年3月)
-
<海外臨床試験>
-
ドセタキセル治療歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした海外第III相試験で本剤を投与された800例中554例(69.3%)に副作用が認められた。主な副作用は疲労(21.5%)、悪心(20.1%)、ほてり(15.0%)、食欲減退(12.6%)及び無力症(10.0%)等であった。(承認時:2014年3月)
以下の副作用の頻度は承認時までに実施された国内第I/II相試験及び海外第III相試験において本剤が投与された患者の集計に基づき記載した。
重大な副作用
痙攣発作(0.2%)
-
痙攣、てんかん重積状態等の痙攣発作があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
-
血液
-
1~5%未満
-
貧血
-
血液
-
1%未満
-
ヘモグロビン減少、白血球減少症、好中球減少症
-
心臓
-
1%未満
-
心電図QT延長
-
腎臓
-
1%未満
-
頻尿
-
耳
-
1%未満
-
回転性めまい
-
眼
-
1%未満
-
流涙増加
-
消化器
-
5%以上
-
悪心、下痢、嘔吐、便秘
-
消化器
-
1~5%未満
-
口内乾燥、腹部膨満、上腹部痛、消化不良、腹痛、鼓腸
-
消化器
-
1%未満
-
胃炎、口内炎、腹部不快感
-
全身及び投与局所
-
5%以上
-
疲労、無力症
-
全身及び投与局所
-
1~5%未満
-
末梢性浮腫、体重減少
-
全身及び投与局所
-
1%未満
-
疼痛、悪寒、倦怠感
-
代謝
-
5%以上
-
食欲減退
-
代謝
-
1%未満
-
低カリウム血症、脱水
-
筋骨格系
-
1~5%未満
-
関節痛、筋肉痛、背部痛、筋力低下、筋骨格痛
-
筋骨格系
-
1%未満
-
筋痙縮、四肢痛、筋骨格硬直
-
神経系
-
1~5%未満
-
頭痛、浮動性めまい、味覚異常、錯感覚
-
神経系
-
1%未満
-
感覚鈍麻、嗜眠、記憶障害、傾眠、下肢静止不能症候群、末梢性ニューロパチー、認知障害、注意力障害、失神、健忘
-
精神系
-
1~5%未満
-
不眠症
-
精神系
-
1%未満
-
不安、うつ病、錯乱状態、幻覚
-
生殖系及び乳房
-
1%未満
-
女性化乳房
-
呼吸器
-
1~5%未満
-
呼吸困難、咳嗽
-
呼吸器
-
1%未満
-
鼻出血
-
皮膚
-
1~5%未満
-
皮膚乾燥、発疹、そう痒症、多汗症、寝汗
-
皮膚
-
1%未満
-
脱毛症、紅斑、斑状丘疹状皮疹
-
血管
-
5%以上
-
ほてり
-
血管
-
1~5%未満
-
高血圧
-
血管
-
1%未満
-
潮紅
-
その他
-
1%未満
-
転倒、脊椎圧迫骨折、骨折(病的骨折を除く)
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いことから、患者の状態を観察しながら投与すること。
小児等への投与
-
低出生体重児、新生児、乳児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
過量投与
症状:
-
過量投与により、痙攣発作、発疹、錯乱状態及び重度の疲労等が発現することがある。
-
処置:
-
本剤を体外に除去する方法は知られていない。
適用上の注意
薬剤交付時:
-
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬物動態
(2) 肝機能障害患者6)(外国人データ)
-
本剤160mgを単回経口投与したとき、軽度肝機能障害者(Child-Pugh A、6例)では健康成人男性(6例)と比較して、未変化体と活性代謝物(N -脱メチル体)の合計のAUCinfは13%高く、Cmaxは23%高かった。中等度肝機能障害者(Child-Pugh B、8例)では健康成人男性(8例)と比較して、未変化体と活性代謝物(N -脱メチル体)の合計のAUCinfは18%高く、Cmaxは11%低かった。
-
(3) 腎機能障害患者7)(外国人データ)
-
健康成人男性(59例)及び去勢抵抗性前立腺癌患者(873例)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、軽度腎機能障害患者(60≦Ccr<90mL/min、332例)及び中等度腎機能障害患者(30≦Ccr<60mL/min、88例)の未変化体のクリアランス(CL/F)の中央値は、腎機能正常者(Ccr≧90mL/min、512例)と比較してそれぞれ0.95倍及び0.91倍と推定された。なお、腎機能障害が本剤の薬物動態に及ぼす影響を評価するための臨床試験は実施していない。
-
(4) 食事の影響8)(外国人データ)
-
健康成人男性(60例)に本剤160mgを単回経口投与したとき、空腹時投与(30例)に比べ食後投与(高脂肪食、30例)では、未変化体のAUCinfは同程度であったがCmaxは0.70倍であり、Tmaxの中央値は約1時間遅かった。活性代謝物(N -脱メチル体)のAUCinf及びCmaxは、それぞれ8%及び6%高く、Tmaxの中央値は同程度であった。(「薬物動態の表」表3参照)
-
1) 単回投与
-
去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤80mg、160mg、240mgを単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度は投与後1~2時間で最大値を示し、t1/2は113~202時間であった。未変化体のCmax及びAUCinfは用量の増加に伴って上昇した。活性代謝物(N -脱メチル体)濃度は緩やかに上昇し本剤投与後144~168時間で最大値を示した。活性代謝物(N -脱メチル体)のCmax及びAUC7dは用量の増加に伴って上昇した。(「薬物動態の表」表1参照)


(注)本剤の承認された用法・用量は、160mgを1日1回投与である。
-
2) 反復投与
-
去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤160mgを1日1回反復経口投与したときの未変化体及び活性代謝物(N -脱メチル体)の血漿中濃度は、それぞれ約1カ月及び約2カ月で定常状態に達した。反復投与85日目の薬物動態パラメータは以下のとおりである。定常状態において、活性代謝物(N -脱メチル体)のトラフ濃度は未変化体と同程度であった。未変化体及び活性代謝物(N -脱メチル体)のピーク/トラフ比(PTR)は、それぞれ1.26及び1.07であり、血漿中濃度の日内変動は小さかった。(「薬物動態の表」表2参照)
-
(2) 肝機能障害患者6)(外国人データ)
-
本剤160mgを単回経口投与したとき、軽度肝機能障害者(Child-Pugh A、6例)では健康成人男性(6例)と比較して、未変化体と活性代謝物(N -脱メチル体)の合計のAUCinfは13%高く、Cmaxは23%高かった。中等度肝機能障害者(Child-Pugh B、8例)では健康成人男性(8例)と比較して、未変化体と活性代謝物(N -脱メチル体)の合計のAUCinfは18%高く、Cmaxは11%低かった。
-
(3) 腎機能障害患者7)(外国人データ)
-
健康成人男性(59例)及び去勢抵抗性前立腺癌患者(873例)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、軽度腎機能障害患者(60≦Ccr<90mL/min、332例)及び中等度腎機能障害患者(30≦Ccr<60mL/min、88例)の未変化体のクリアランス(CL/F)の中央値は、腎機能正常者(Ccr≧90mL/min、512例)と比較してそれぞれ0.95倍及び0.91倍と推定された。なお、腎機能障害が本剤の薬物動態に及ぼす影響を評価するための臨床試験は実施していない。
-
(4) 食事の影響8)(外国人データ)
-
健康成人男性(60例)に本剤160mgを単回経口投与したとき、空腹時投与(30例)に比べ食後投与(高脂肪食、30例)では、未変化体のAUCinfは同程度であったがCmaxは0.70倍であり、Tmaxの中央値は約1時間遅かった。活性代謝物(N -脱メチル体)のAUCinf及びCmaxは、それぞれ8%及び6%高く、Tmaxの中央値は同程度であった。(「薬物動態の表」表3参照)
2. 吸収9)(外国人データ)
健康成人男性6例に14Cで標識した本剤を単回投与したとき、用量の少なくとも84.2%が吸収されると考えられた。
3. 分布10)11)
去勢抵抗性前立腺癌患者における未変化体のみかけの分布容積の平均値は110Lであった。(外国人データ)本剤の血漿蛋白結合率は97~98%で、主結合蛋白はアルブミンであった。代謝物であるカルボン酸体及び活性代謝物(N -脱メチル体)の血漿蛋白結合率は、それぞれ98%及び95%であった(in vitro 試験)。
4. 代謝1)6)8)9)12)13)
ヒト血漿中の主代謝物は、カルボン酸体及び活性代謝物(N -脱メチル体)であった。活性代謝物(N -脱メチル体)は、in vitro 試験において未変化体と同程度の薬理作用を有することが示された。健康成人男性に本剤160mgを単回経口投与したとき、カルボン酸体は投与後3~7日、活性代謝物(N -脱メチル体)は投与後5~9日で最高血漿中濃度に達し、これらの代謝物の生成は緩徐であった。本剤の代謝は主にCYP2C8が、また一部CYP3A4/5が関与し、ともに活性代謝物(N -脱メチル体)を生成することが示された。
5. 排泄9)(外国人データ)
健康成人男性6例に14Cで標識した本剤を単回経口投与したとき、総放射能として用量の71.0%が尿中に排泄された。尿中に排泄された放射能は主にカルボン酸体であり、未変化体及び活性代謝物(N -脱メチル体)の尿中排泄率は0.42%以下であった。糞中に用量の13.6%が排泄され、未変化体及び活性代謝物(N -脱メチル体)の糞中排泄率は用量のそれぞれ0.39%及び0.98%であった。
薬物動態の表
表1 単回投与時の未変化体及び活性代謝物(N -脱メチル体)の薬物動態パラメータ
用量
(mg) |
例数 |
Cmax
(μg/mL) |
Tmax
(h) |
AUCa)
(μg・h/mL) |
t1/2
(h) |
未変化体:80 |
3 |
1.42±0.17 |
2.10
(1.95~3.95) |
141±26 |
113±11 |
未変化体:160 |
3 |
2.17±0.55 |
2.00
(1.83~3.97) |
425±27 |
202±25 |
未変化体:240 |
3 |
5.72±2.30 |
1.08
(0.92~2.00) |
653±268 |
151± 35 |
N -脱メチル体:80 |
3 |
0.358±0.030 |
167.55
(120.10~167.92) |
31.3±6.7 |
- |
N -脱メチル体:160 |
3 |
0.463±0.049 |
168.00
(167.25~168.03) |
36.5± 5.0 |
- |
N -脱メチル体:240 |
3 |
0.952±0.384 |
144.00
(118.08~167.92) |
82.8±35.0 |
- |
表2 反復投与時の未変化体及び活性代謝物(N -脱メチル体)の薬物動態パラメータ
|
例数 |
Cmax
(μg/mL) |
Tmax
(h) |
AUC24h
(μg・h/mL) |
C24ha)
(μg/mL) |
PTRa) |
未変化体 |
25 |
14.5±2.9 |
1.00
(0.00~22.92) |
296±55 |
11.2±2.1 |
1.26±0.17 |
N -脱メチル体 |
25 |
13.9±2.6 |
0.00
(0.00~22.92) |
293±48 |
12.9±2.3 |
1.07±0.07 |
表3 空腹時及び食後投与時の未変化体及び活性代謝物(N -脱メチル体)の薬物動態パラメータ
|
Cmax
(μg/mL) |
Tmax
(h) |
AUCinf
(μg・h/mL) |
t1/2(h) |
未変化体:空腹時投与 |
5.25±1.06
(20%) |
1.02
(0.75~3.07) |
292±88
(30%) |
94.3±30.0
(32%) |
未変化体:食後投与 |
3.74±1.15
(31%) |
2.00
(0.50~6.00) |
285±73
(26%) |
87.4±24.7
(28%) |
N -脱メチル体:空腹時投与 |
0.791±0.226
(29%) |
144
(48.1~312) |
389±90(23%) |
206±43
(21%) |
N -脱メチル体:食後投与 |
0.824±0.168
(20%) |
144
(48.0~312) |
425±119
(28%) |
197±50
(25%) |
-
(平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(範囲))
a)未変化体はAUCinf、N -脱メチル体はAUC7d
(平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(範囲))
a)n=21
(平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(範囲))
臨床成績
1. 国内臨床成績14)
-
国内第I/II相試験のPhase2パートにおいて、ドセタキセル治療歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象に、本剤160mg/日を38例に連日投与した。主要評価項目であるDay85までの画像診断上の奏効割合は5.3%(2/38例、90%信頼区間:0.9~15.7%)であり、90%信頼区間の下限値は閾値奏効割合(5%)を下回っていた。PSA奏効割合(最大低下時にPSA値がベースラインから50%以上低下した患者の割合)は28.9%(11/38例、90%信頼区間:17.2~43.3%)であった。
-
2. 海外臨床成績15)
-
海外第III相試験において、ドセタキセル治療歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者注)を対象に、プラセボ投与を対照群として、本剤160mg/日を800例に連日投与した。なお、両側除睾術を実施していない患者には、GnRHアゴニスト/アンタゴニストによる去勢治療の併用を必須とした。
主要評価項目である全生存期間(OS)の中間解析(目標イベント数である650イベントのうち、520イベントが発生した時点)の結果、中央値は、本剤群で18.4カ月、プラセボ群で13.6カ月であり、本剤群のOSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.631、95%信頼区間:0.529~0.752、p値<0.0001、層別ログランク検定)。
注)外科的又は内科的去勢を受け、ドセタキセルを含む化学療法を行った後の病勢進行(下記の3つのうち1つ以上に当てはまる)があった患者
・1週間以上の間隔で測定された3回以上のPSA上昇が認められ、スクリーニング時のPSAが2μg/L(2ng/mL)以上
・RECIST(ver. 1.1)で定義される軟部組織病変の病勢進行
・骨シンチグラフィーで2つ以上の新規骨病変が出現

薬効薬理
1. 作用機序16)~18)
-
本剤は、アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達阻害薬である。ARへのアンドロゲンの結合を競合的に阻害し、また、ARの核内移行及びARとDNA上の転写因子結合領域との結合を阻害する。
-
2. 抗腫瘍作用19)~22)
-
本剤は、in vitro において、ヒト前立腺癌細胞株に対し、AR依存性の遺伝子発現を阻害し、細胞の増殖を抑制するとともに、細胞死を誘導した。また、ヒト前立腺癌由来LNCaP細胞株にARを高発現させたLNCaP/AR細胞株を皮下に移植したマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。
有効成分に関する理化学的知見
-
一般名
-
エンザルタミド(Enzalutamide)
-
化学名
-
4-{3-[4-Cyano-3-(trifluoromethyl)phenyl]-5,5-dimethyl-4-oxo-2-sulfanylideneimidazolidin-1-yl}-2-fluoro-N -methylbenzamide
-
構造式
-

-
分子式
-
C21H16F4N4O2S
-
分子量
-
464.44
-
性状
-
エンザルタミドは白色の結晶又は粉末である。1-メチル-2-ピロリジノン及びアセトニトリルに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
注意:
-
本品はアルミ袋により品質保持をはかっているので、アルミ袋開封後は多湿を避けて保存すること。
包装
-
56カプセル(14カプセル×4)
主要文献及び文献請求先
主要文献1)
-
社内報告書(海外健康成人・薬物相互作用試験)(DIR140017)
-
2)
-
社内報告書(前立腺癌患者・薬物相互作用試験)(DIR140018)
-
3)
-
社内報告書(ヒト初代培養肝細胞・酵素誘導試験)(DIR140019)
-
4)
-
社内報告書(ヒトトランスポーター発現細胞・薬物動態試験)(DIR140020)
-
5)
-
社内報告書(前立腺癌患者・国内第I/II相試験)(DIR140021)
-
6)
-
社内報告書(海外健康成人及び肝機能障害者・薬物動態試験)(DIR140022)
-
7)
-
社内報告書(海外健康成人及び前立腺癌患者・薬物動態)(DIR140023)
-
8)
-
社内報告書(海外健康成人・食事の影響試験)(DIR140024)
-
9)
-
社内報告書(海外健康成人・マスバランス試験)(DIR140025)
-
10)
-
社内報告書(前立腺癌患者・海外第I相試験)(DIR140026)
-
11)
-
社内報告書(ヒト血漿・蛋白結合試験)(DIR140027)
-
12)
-
社内報告書(海外健康成人・薬物動態)(DIR140028)
-
13)
-
社内報告書(ヒトCYP分子種発現系ミクロソーム・薬物動態試験)(DIR140029)
-
14)
-
社内報告書(前立腺癌患者・国内第I/II相試験)(DIR140030)
-
15)
-
社内報告書(前立腺癌患者・第III相二重盲検試験)(DIR140031)
-
16)
-
社内報告書(ヒトアンドロゲン受容体・薬理試験)(DIR140032)
-
17)
-
社内報告書(ヒト前立腺癌細胞・薬理試験)(DIR140033)
-
18)
-
社内報告書(ヒト前立腺癌細胞・薬理試験)(DIR140034)
-
19)
-
Tran, C. et al. :Science 324(5928):787, 2009[XTA-00059]
-
20)
-
社内報告書(ヒト前立腺癌細胞・薬理試験)(DIR140036)
-
21)
-
社内報告書(ヒト前立腺癌細胞・薬理試験)(DIR140037)
-
22)
-
社内報告書(マウス及びヒト前立腺癌細胞・薬理試験)(DIR140038)
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
-
主要文献に記載の社内報告書につきましても下記にご請求下さい。
アステラス製薬株式会社 営業本部DIセンター
-
〒103-8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
-
0120-189-371
長期投与医薬品に関する情報
-
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、平成27年5月末日までは、1回14日分を超える投薬は認められていない。
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
ダウンロード
-
製造販売
-
アステラス製薬株式会社
-
*東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号