マグラックス錠200mg/マグラックス錠500mg
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作成又は改訂年月日
**2010年10月改訂(第4版)
*2008年9月改訂(第3版)
日本標準商品分類番号
872344
872355
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1982年1月
薬効分類名称
制酸・緩下剤
承認等
販売名
マグラックス錠200mg
販売名コード
2344009F3020
承認・許可番号
承認番号
21300AMZ00007000
商標名
Maglax Tab. 200mg
薬価基準収載年月
2001年7月
販売開始年月
2001年7月
貯法・使用期限等
貯 法
室温保存
使用期限
外箱等に記載
組成
有効成分(1錠中):日本薬局方酸化マグネシウム200mg
添加物:カルメロースカルシウム、クロスポビドン、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース
性状
白色の素錠
組成性状の表
外形 表面
外形 裏面
**外形 側面
直径(mm) 7.5
**厚さ(mm) 3.8
重さ(mg) 240
識別コード YO MG3
販売名
マグラックス錠500mg
販売名コード
2344009F4026
承認・許可番号
承認番号
21600AMZ00243000
商標名
Maglax Tab. 500mg
薬価基準収載年月
2005年7月
販売開始年月
2005年9月
貯法・使用期限等
貯 法
室温保存
使用期限
外箱等に記載
組成
有効成分(1錠中):日本薬局方酸化マグネシウム500mg
添加物:カルメロースカルシウム、クロスポビドン、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース
性状
白色の素錠
組成性状の表
外形 表面
外形 裏面
**外形 側面
直径(mm) 10
**厚さ(mm) 5.4
重さ(mg) 600
識別コード YO MG0
一般的名称
酸化マグネシウム製剤
効能又は効果
効能又は効果
下記疾患における制酸作用と症状の改善胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
便秘症
尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防
用法及び用量
制酸剤として使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5~1.0gを数回に分割経口投与する。
緩下剤として使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回投与する。
尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2~0.6gを多量の水とともに経口投与する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
*腎障害のある患者
〔高マグネシウム血症を起こすおそれがある。〕(「4. 副作用(1)重大な副作用」の項参照)
2.
心機能障害のある患者
〔徐脈を起こし、症状が悪化するおそれがある。〕
3.
下痢のある患者
〔下痢を悪化させるおそれがある。〕
4.
高マグネシウム血症の患者
〔高マグネシウム血症の症状を増悪させるおそれがある。〕
重要な基本的注意
*本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがあるので、長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること。(「4. 副作用(1)重大な副作用」の項参照)
相互作用
併用注意(併用に注意すること)
(併用に注意すること)
本剤は吸着作用、制酸作用等を有しているので、他の薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*テトラサイクリン系抗生物質
(テトラサイクリン、ミノサイクリン等)
ニューキノロン系抗菌剤
(シプロフロキサシン、トスフロキサシン等)
ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤
(エチドロン酸二ナトリウム、リセドロン酸ナトリウム等) *これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。 マグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害される。
*セフジニル
ミコフェノール酸モフェチル
デラビルジン
ザルシタビン
ペニシラミン *これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。 機序不明
*アジスロマイシン
セレコキシブ
ロスバスタチン
ラベプラゾール
ガバペンチン *これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 機序不明
*ジギタリス製剤
(ジゴキシン、ジギトキシン等)
鉄剤
フェキソフェナジン これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、服用間隔をあけるなど注意すること。 マグネシウムの吸着作用または消化管内・体液のpH上昇によると考えられる。
*ポリカルボフィルカルシウム *ポリカルボフィルカルシウムの作用が減弱するおそれがある。 *ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、本剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される。
高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤
(ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム) これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。
また、併用によりアルカローシスがあらわれたとの報告がある。 マグネシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するためと考えられる。
活性型ビタミンD3製剤
(アルファカルシドール、カルシトリオール) 高マグネシウム血症を起こすおそれがある。 マグネシウムの消化管吸収及び腎尿細管からの再吸収が促進するためと考えられる。
大量の牛乳、カルシウム製剤 milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止すること。 機序:代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増大する。
危険因子:高カルシウム血症、代謝性アルカローシス、腎機能障害のある患者。
*ミソプロストール *下痢が発現しやすくなる。 *ミソプロストールは小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせる。本剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる。
副作用
マグラックス錠250mg・330mgの承認時の常習性便秘を対象とした95例の臨床試験において、腹痛1例(1.1%)、軽度の下痢1例(1.1%)が認められ、9例(9.5%)に血漿中マグネシウム濃度の軽微な上昇が認められた。
重大な副作用
*高マグネシウム血症
(頻度不明)
本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれ、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウムの濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(処置法は「6. 過量投与」の項参照)
その他の副作用
種類\頻度 頻度不明
消化器 下痢等
*電解質注) 血清マグネシウム値の上昇
注)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量または休薬等の適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
過量投与
*徴候、症状:
血清マグネシウム濃度が高値になるにつれ、深部腱反射の消失、呼吸抑制、意識障害、房室ブロックや伝導障害等の不整脈、心停止等があらわれることがある。(初期症状は「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
*処 置:
大量服用後の間もない場合には、催吐並びに胃洗浄を行う。中毒症状があらわれた場合には、心電図並びに血清マグネシウム濃度の測定等により患者の状態を十分に観察し、症状に応じて適切な処置を行うこと(治療にはグルコン酸カルシウム静注が有効であるとの報告がある)。
なお、マグネシウムを除去するために血液透析が有効である。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
長期・大量投与により胃・腸管内に結石を形成し、腸閉塞を起こしたとの報告がある。
臨床成績
マグラックス錠250mgを用い常習性便秘を対象とした2施設46例のクロスオーバー比較試験の臨床試験において、改善以上の改善率は87.0%(40/46)であった2)。
マグラックス錠330mgを用い常習性便秘を対象とした2施設49例のクロスオーバー比較試験の臨床試験において、改善以上の改善率は93.9%(46/49)であった3)。
薬効薬理
本剤は胃内における制酸作用と腸内における緩下作用を持つ。制酸作用の発現に際して、二酸化炭素を発生しないため刺激のない制酸剤として奨用される。酸化マグネシウム1gは0.1mol/L塩酸約500mLを中和でき、水に不溶性なので、炭酸水素ナトリウムに比較すると制酸性は遅効性で、作用時間も長い。また、腸内では難吸収性の重炭酸塩又は炭酸塩となり、浸透圧維持のため腸壁から水分を奪い腸管内容物を軟化することにより緩下作用を現す。本剤は非吸収性であり、アルカローシスを生じない。
*生物学的同等性
マグラックス錠200mg及びマグラックス錠500mgと標準製剤マグラックス錠250mgの制酸作用について、日局の制酸力試験並びにFuchsの方法により比較した結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
また、マグラックス錠200mg及びマグラックス錠500mgは「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、マグラックス錠250mgを標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた4)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
酸化マグネシウム
化学名:
Magnesium Oxide
分子式:
MgO
分子量:
40.30
性 状:
酸化マグネシウムは白色の粉末又は粒で、においはない。水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。空気中で湿気及び二酸化炭素を吸収する。
取扱い上の注意
1.
本剤は湿気に影響されるので、開封後はできるだけ速やかにご使用下さい。また、開封後は湿気を避けて保管して下さい。
2.
金属と擦れることにより黒色になることがあります。
3. *安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75% 6ヵ月)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、マグラックス錠200mg及びマグラックス錠500mgは通常の市場の流通下において3年間安定であることが推測された5)。
包装
200mg
バラ:1000錠
PTP包装:
100錠(10錠×10)、210錠(21錠×10)
1000錠(10錠×100)、2100錠(21錠×100)
500mg
バラ:500錠
PTP包装:
100錠(10錠×10)、210錠(21錠×10)
1000錠(10錠×100)、2100錠(21錠×100)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
日本公定書協会:第15改正 日本薬局方解説書 C-1538 広川書店(2006)
2)
加賀谷寿孝 他:診療と新薬35(9)829(1998)
3)
崎村恭也 他:薬理と治療26(6)1027(1998)
4)
吉田製薬社内資料
5)
吉田製薬社内資料
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても、下記にご請求ください。
吉田製薬株式会社 学術部
〒164-0011 東京都中野区中央5-1-10
TEL 03-3381-2004
FAX 03-3381-7728
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
吉田製薬株式会社
埼玉県狭山市南入曽951