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TOPOTECIN(Irinotecan Hydrochloride Hydrate INTRAVENOUS DRIP INFUSION)
2014-01-29 10:49:00 来源: 作者: 【 】 浏览:987次 评论:0

トポテシン点滴静注40mg/トポテシン点滴静注100mg
-------------------------------------------------------------------------------
作成又は改訂年月

**2013年12月改訂 (第17版)

*2013年9月改訂

日本標準商品分類番号

87424

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
2007年6月

効能又は効果追加承認年月(最新)
**2013年12月

国際誕生年月
1994年1月


薬効分類名

抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名
トポテシン点滴静注40mg

販売名コード

4240404A1091

承認・許可番号

承認番号
22100AMX01292
商標名
TOPOTECIN INTRAVENOUS DRIP INFUSION


薬価基準収載年月

2009年9月


販売開始年月

2009年9月


貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること。


規制区分

劇薬

処方せん医薬品※

※注意-医師等の処方せんにより使用すること

組成

1バイアル中に次の成分を含有

有効成分

イリノテカン塩酸塩水和物 40mg/2mL

添加物

D-ソルビトール90mg、乳酸、pH調節剤


性状

pH

3.0~4.0

浸透圧比(生理食塩液対比)

1.0~1.3

外観

微黄色澄明の液

販売名
トポテシン点滴静注100mg

販売名コード

4240404A2098

承認・許可番号

承認番号
22100AMX01293
商標名
TOPOTECIN INTRAVENOUS DRIP INFUSION

薬価基準収載年月

2009年9月


販売開始年月

2009年9月


貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること。


規制区分

劇薬

処方せん医薬品※

※注意-医師等の処方せんにより使用すること


組成

1バイアル中に次の成分を含有

有効成分

イリノテカン塩酸塩水和物 100mg/5mL

添加物

D-ソルビトール225mg、乳酸、pH調節剤

性状

pH

3.0~4.0

浸透圧比(生理食塩液対比)

1.0~1.3

外観

微黄色澄明の液

一般的名称

イリノテカン塩酸塩水和物注

警告

1.
本剤使用にあたっては、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。

2.
本剤の臨床試験において、骨髄機能抑制あるいは下痢に起因したと考えられる死亡例が認められている。本剤の投与は、緊急時に十分に措置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与し、下記の患者には投与しないなど適応患者の選択を慎重に行うこと。

(1)
骨髄機能抑制のある患者

(2)
感染症を合併している患者

(3)
下痢(水様便)のある患者

(4)
腸管麻痺、腸閉塞のある患者

(5)
間質性肺炎又は肺線維症の患者

(6)
多量の腹水、胸水のある患者

(7)
黄疸のある患者

(8)
アタザナビル硫酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

(9)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者


3.
本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施すること。

4.
投与に際しては、骨髄機能抑制、高度な下痢等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

5.
骨髄機能抑制による致命的な副作用の発現を回避するために、特に以下の事項に十分注意すること。


(1)
投与予定日(投与前24時間以内)に末梢血液検査を必ず実施し、結果を確認してから、本剤投与の適否を慎重に判断すること。

(2)
**投与予定日の白血球数が3,000/mm3未満又は血小板数が10万/mm3未満(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3未満)の場合には、本剤の投与を中止又は延期すること。

(3)
**投与予定日の白血球数が3,000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、白血球数又は血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、本剤の投与を中止又は延期すること。


なお、本剤使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制が増悪して重症感染症等を併発し、致命的となることがある。]

2.
感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]

3.
下痢(水様便)のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こし、致命的となることがある。]

4.
腸管麻痺、腸閉塞のある患者[腸管からの排泄が遅れ、重篤な副作用が発現し、致命的となることがある。]

5.
間質性肺炎又は肺線維症の患者[症状が増悪し、致命的となることがある。]

6.
多量の腹水、胸水のある患者[重篤な副作用が発現し、致命的となることがある。]

7.
黄疸のある患者[重篤な副作用が発現し、致命的となることがある。]

8.
アタザナビル硫酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

9.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果


**小細胞肺癌、非小細胞肺癌、子宮頸癌、卵巣癌、胃癌(手術不能又は再発)、結腸・直腸癌(手術不能又は再発)、乳癌(手術不能又は再発)、有棘細胞癌、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、小児悪性固形腫瘍、治癒切除不能な膵癌


効能又は効果に関連する使用上の注意

1.
**治癒切除不能な膵癌の場合、患者の病期、全身状態、UGT1A1注)遺伝子多型等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
注)本剤の活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵素の一分子種である。

2.
**本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

用法及び用量

1.
**小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌(手術不能又は再発)及び有棘細胞癌はA法を、子宮頸癌、卵巣癌、胃癌(手術不能又は再発)及び結腸・直腸癌(手術不能又は再発)はA法又はB法を使用する。
また、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)はC法を、小児悪性固形腫瘍はD法を、治癒切除不能な膵癌はE法を使用する。


A法:
イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、100mg/m2を1週間間隔で3~4回点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。
これを1クールとして、投与を繰り返す。

B法:
イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、150mg/m2を2週間間隔で2~3回点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。
これを1クールとして、投与を繰り返す。

C法:
イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、40mg/m2を3日間連日点滴静注する。これを1週毎に2~3回繰り返し、少なくとも2週間休薬する。
これを1クールとして、投与を繰り返す。

なお、A~C法の投与量は、年齢、症状により適宜増減する。
D法:
イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、1日1回、20mg/m2を5日間連日点滴静注する。これを1週毎に2回繰り返し、少なくとも1週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

E法:
イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、180mg/m2を点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

なお、D法及びE法の投与量は、患者の状態により適宜減量する。

2.
**A法、B法及びE法では、本剤投与時、投与量に応じて500mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、90分以上かけて点滴静注する。
C法では、本剤投与時、投与量に応じて250mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、60分以上かけて点滴静注する。
D法では、本剤投与時、投与量に応じて100mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、60分以上かけて点滴静注する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

**オキサリプラチン、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行う場合には、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にすること。

2クール目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量すること。)

減量基準
前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、以下の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する(「減量時の投与量」を参考にすること)。また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止する。

注1)複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用すること。

注2)CTCAE version4.0

減量時の投与量(オキサリプラチン85mg/m2、本剤180mg/m2、フルオロウラシル持続静注2,400mg/m2で投与を開始した場合)

使用上の注意

慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)

1.
肝障害のある患者[肝障害が悪化及び副作用が強く発現するおそれがある。]

2.
腎障害のある患者[腎障害が悪化及び副作用が強く発現するおそれがある。]

3.
糖尿病の患者(十分な管理を行いながら投与すること)[高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常を起こして糖尿病が増悪し、致命的となるおそれがある。]

4.
全身衰弱が著しい患者[副作用が強く発現するおそれがある。]

5.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

6.
小児(「小児等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
本剤は点滴静注により使用すること。

2.
重篤な過敏反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、過敏症状(呼吸困難、血圧低下等)が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3.
骨髄機能抑制、高度な下痢等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。投与後2週間は特に頻回に末梢血液検査を行うなど、極めて注意深く観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延することがあるので、投与は慎重に行うこと。

(1) **骨髄機能抑制
本剤の投与にあたっては、白血球の変動に十分留意し、投与予定日の白血球数が3,000/mm3未満又は血小板数が10万/mm3未満(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3未満)の場合には、本剤の投与を中止又は延期すること。投与予定日の白血球数が3,000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、白血球数又は血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、本剤の投与を中止又は延期すること。また、白血球数が異常な高値を示す患者及びCRPが異常値を示すなど感染症が疑われる患者では、投与後に白血球の急激な減少が起こることがある。このような場合には、投与予定日の白血球数が3,000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、骨髄機能の回復を十分に確認してから投与を行うこと。
白血球減少(好中球減少)を認めた場合には、観察を十分に行い、減少の程度に応じてG-CSF等の白血球増多剤の投与、発熱を伴う場合には適切な抗生剤の投与、その他必要に応じて適切な感染症対策を行うこと。

(2) 下痢
本剤の投与により排便回数の増加、水様便又は腹痛を伴うような場合は、継続投与により下痢が強く発現することがある。また、腹痛を有する患者に本剤を投与した場合、高度な下痢があらわれることがある。したがって、このような場合には症状の回復を待って投与を行うこと。
下痢が発現した場合には、以下の事項に留意すること。

○高度な下痢の持続により、脱水及び電解質異常等をきたし、特に重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には、致命的な経過をたどることがあるので、次のような処置を行うこと。

・ ロペラミド塩酸塩等の止瀉剤の投与を行うこと。(ただし、腸管麻痺を引き起こすことがあるので、ロペラミド塩酸塩等の予防的投与や、漫然とした投与は行わないこと。)

・ 脱水を認めた場合には、輸液、電解質補充を行うこと。

・ 重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には、適切な抗生剤の投与を考慮すること。

○高度な下痢や嘔吐に伴いショック(循環不全)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

なお、本剤による下痢に関しては、以下の2つの機序が考えられている。

早発型:
本剤投与中あるいは投与直後に発現する。コリン作動性と考えられ、高度である場合もあるが多くは一過性であり、副交感神経遮断剤の投与により緩和することがある。

遅発型:
本剤投与後24時間以降に発現する。主に本剤の活性代謝物(SN-38)による腸管粘膜傷害に基づくものと考えられ、持続することがある。

4.
重症感染症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、出血傾向、腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞、腸炎及び間質性肺炎の発現又は増悪に十分注意すること。

5.
悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器症状が高頻度にあらわれるので、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。

6.
投与初期又は比較的低用量の投与でも副作用があらわれることがあるので、使用上の注意に十分注意すること。

7.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。

8.
Gilbert症候群のようなグルクロン酸抱合異常の患者においては、本剤の代謝が遅延することにより骨髄機能抑制等の重篤な副作用が発現する可能性が高いため、十分注意すること。

9.
本剤の活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転移酵素(UDP-glucuronosyltransferase, UGT) の2つの遺伝子多型 (UGT1A1*6、UGT1A1*28 ) について、いずれかをホモ接合体 (UGT1A1*6/*6、UGT1A1*28/*28 ) 又はいずれもヘテロ接合体(UGT1A1*6/*28 ) としてもつ患者では、UGT1A1のグルクロン酸抱合能が低下し、SN-38の代謝が遅延することにより、重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなることが報告されているため、十分注意すること(「薬物動態」、「臨床成績」の項参照)1, 2, 3)。

10.
小児悪性固形腫瘍に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:イリノテカン塩酸塩水和物(小児悪性固形腫瘍)」等)を熟読すること。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

1.

薬剤名等 
アタザナビル硫酸塩
  レイアタッツ

臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。

機序・危険因子
本剤の活性代謝物(SN-38)は、主に肝のUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体(SN-38G)となる。UGT阻害作用のあるアタザナビル硫酸塩との併用により、本剤の代謝が遅延することが考えられる。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等 
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射


臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強することがある。
患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。

機序・危険因子
併用により殺細胞作用が増強される。

2. 薬剤名等 
末梢性筋弛緩剤


臨床症状・措置方法
末梢性筋弛緩剤の作用が減弱するおそれがある。

機序・危険因子
本剤の動物実験で、筋収縮増強作用が認められている。

3. 薬剤名等 
CYP3A4阻害剤
  アゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール等)
  マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)
  リトナビル
  ジルチアゼム塩酸塩
  ニフェジピン
  モザバプタン塩酸塩 等
グレープフルーツジュース

臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。

機序・危険因子
本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化される。CYP3A4を阻害する上記薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が阻害されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN-38の生成がその分増加し、SN-38の全身曝露量が増加することが考えられる。

4. 薬剤名等 
CYP3A4誘導剤
  フェニトイン
  カルバマゼピン
  リファンピシン
  フェノバルビタール 等
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort: セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

臨床症状・措置方法
本剤の活性代謝物(SN-38)の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
本剤投与期間中は上記薬剤・食品との併用を避けることが望ましい。

機序・危険因子
本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化される。CYP3A4を誘導する上記薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が促進されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN-38の生成がその分減少し、SN-38の全身曝露量が減少することが考えられる。

5. 薬剤名等 
ソラフェニブトシル酸塩

臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。
患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。

機序・危険因子
本剤の活性代謝物(SN-38)は、主に肝のUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体(SN-38G)となる。UGT1A1阻害作用のあるソラフェニブトシル酸塩との併用により、本剤及び本剤の活性代謝物(SN-38)の血中濃度が上昇する可能性がある。

6. 薬剤名等 
ラパチニブトシル酸塩水和物

臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。
患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。

機序・危険因子
機序は不明だが、ラパチニブトシル酸塩水和物との併用により、本剤の活性代謝物(SN-38)のAUCが約40%増加したとの報告がある。

7. 薬剤名等 
*レゴラフェニブ水和物

臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。
患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。

機序・危険因子
本剤の活性代謝物(SN-38)は、主に肝のUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体(SN-38G)となる。UGT1A1阻害作用のあるレゴラフェニブ水和物との併用により、本剤及び本剤の活性代謝物(SN-38)のAUCがそれぞれ28%及び44%増加し、Cmaxがそれぞれ22%増加及び9%減少したとの報告がある。

副作用

副作用発生状況の概要

〈承認時までの臨床試験〉

(単独投与)
単独投与による臨床試験において、本剤との因果関係が否定できない死亡例が、全投与症例1,245例中55例(4.4%)に、適格例1,150例中45例(3.9%)に認められた。
本剤単独投与による安全性評価症例1,134例中、認められた主な副作用は次表のとおりであった。

**(FOLFIRINOX法)
膵癌に対するFOLFIRINOX法(1クールを2週間として第1日目にオキサリプラチン85mg/m2、レボホリナート200mg/m2、本剤180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/m2を46時間かけて持続静注)による第II相臨床試験における安全性評価症例36例中、認められた主な副作用は次表のとおりであった。


〈非小細胞肺癌に対する第III相臨床試験〉
非小細胞肺癌に対する第III相臨床試験における本剤投与例(シスプラチンと本剤併用療法群234例: 1コースを4週間としてシスプラチン80mg/m2を第1日に、本剤60mg/m2を第1、8、15日に投与、本剤単独療法群130例: 1コースを4週間として本剤100mg/m2を第1、8、15日に投与) において、本治療との因果関係が否定できない死亡例が、全投与症例364例中3例(0.8%: シスプラチンと本剤併用療法群2例、本剤単独療法群1例)に認められた。シスプラチンと本剤併用療法群及び本剤単独療法群における安全性評価症例351例中、認められた主な副作用は次表のとおりであった。

〈市販後の全症例調査〉
再審査期間中(平成6年4月~平成12年1月)に、本剤との因果関係が否定できない死亡例が、本剤投与例16,549例中188例(1.1%)に認められた。市販後に行われた副作用発生状況調査(平成6年4月~平成7年3月)、使用成績調査(平成7年4月~平成12年1月)などの全症例調査における調査終了症例15,385例中、認められた主な副作用は次表のとおりであった。


注) 副作用発生状況調査1,040例、使用成績調査13,935例、非小細胞肺癌に対する第III相臨床試験351例、子宮頸癌・卵巣癌に対する併用第II相臨床試験56例、非ホジキンリンパ腫に対する併用第I相臨床試験3例の集計

重大な副作用

1. **骨髄機能抑制
汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(73.5%)、好中球減少(60.3%)、血小板減少(27.4%)、貧血(57.2%)、発熱性好中球減少症(0.05%)等があらわれるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
また、高度な骨髄機能抑制の持続により、次のような疾患を併発し、死亡した例も報告されているので、頻回に血液検査を実施し、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。


・ 重症感染症(敗血症、肺炎等)
重篤な白血球・好中球減少に伴い、敗血症(頻度不明)、肺炎(頻度不明) 等の重症感染症があらわれることがある。

・ 播種性血管内凝固症候群(DIC)
重篤な感染症、血小板減少に伴い、播種性血管内凝固症候群(頻度不明)があらわれることがある。


2. **高度な下痢、腸炎
下痢(44.4%)、大腸炎(0.1%)、小腸炎(0.04%)、腸炎(部位不明: 0.1%)があらわれるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
なお、高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常、ショック(循環不全: 頻度不明)を併発し、死亡した例も報告されているので、十分に注意すること。

3. 腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞
腸管穿孔(0.02%)、消化管出血(下血、血便を含む: 0.1%)、腸管麻痺(1.7%)、腸閉塞(0.4%) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、腸管麻痺・腸閉塞に引き続き腸管穿孔を併発し、死亡した例が報告されている。これらの症例の中には、腸管蠕動を抑制する薬剤(ロペラミド塩酸塩、モルヒネ硫酸塩水和物等)の併用例があるので、腸管蠕動を抑制する薬剤を併用する場合には、特に注意すること。

4. 間質性肺炎
間質性肺炎(0.9%)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5. *ショック、アナフィラキシー
ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

6. 肝機能障害、黄疸
肝機能障害(1.1%)、黄疸(0.06%)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

7. 急性腎不全
急性腎不全(0.05%)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

8. **血栓塞栓症
肺塞栓症(頻度不明)、静脈血栓症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9. 脳梗塞
脳梗塞(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10. 心筋梗塞、狭心症発作
心筋梗塞(0.01%)、狭心症発作(0.02%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11. 心室性期外収縮
心室性期外収縮(0.05%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

なお、「重大な副作用」、「その他の副作用」に示す副作用発現頻度は、承認時までの臨床試験(1,170例)及び市販後の全症例調査(平成6年4月~平成12年1月:15,385例)に基づき算出した。副作用自発報告(平成12年1月~)にて報告された副作用については頻度不明とした。

その他の副作用

1. **消化器
50%以上 
悪心・嘔吐、食欲不振

2. **消化器
5~50%未満 
腹痛

3. **消化器
5%未満 
食道炎、吐血、腸管運動亢進、しゃっくり、腹部膨満感、口内炎、口唇炎、痔核、胃腸音異常

4. 消化器
頻度不明 
胃潰瘍、胃・腹部不快感、胃炎、消化不良、便秘

5. 肝臓 
5%未満 
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ALP上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇

6. 腎臓 
5%未満 
腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、クレアチニンクリアランス低下、電解質異常、蛋白尿、血尿、尿沈渣異常

7. 腎臓 
頻度不明 
乏尿

8. **呼吸器
5%未満 
呼吸困難、PaO2低下、気管支炎、上気道炎、咽頭炎、鼻炎、発声障害、咽頭知覚不全、口腔咽頭不快感

9. 呼吸器
頻度不明 
咽頭痛、咳嗽

10. 過敏症
5%未満 
発疹、そう痒感

11. 過敏症
頻度不明 
蕁麻疹

12. 皮膚 
5~50%未満 
脱毛

13. **皮膚 
5%未満 
色素沈着、浮腫、発赤、紅斑、手足症候群、ざ瘡様皮膚炎、皮膚乾燥

14. 皮膚 
頻度不明 
帯状疱疹、粘膜炎

15. 精神神経系
5%未満 
しびれ等の末梢神経障害、頭痛、めまい、精神症状、意識障害、傾眠、興奮・不安感、不穏

16. **精神神経系
頻度不明 
痙攣、耳鳴、味覚異常、うつ病、目のかすみ、不眠、振戦、構語障害

17. 循環器
5%未満 
頻脈、心電図異常、血圧低下、動悸

18. 循環器
頻度不明 
不整脈、徐脈、心房細動、高血圧

19. その他
5%未満 
倦怠感、発熱、熱感、発汗、顔面潮紅、疼痛、腰痛、腹水、鼻汁、好酸球増加、総蛋白減少、アルブミン減少、カルシウム異常、尿酸異常、尿ウロビリノーゲン異常、糖尿

20. その他
頻度不明 
脱水、コリン作動性症候群、悪寒、胸部不快感、胸痛、関節痛、筋痛、鼻出血、脱力感、無力症、疲労、体重増加、体重減少、LDH低下、白血球増加、血小板増加、白血球分画の変動、CRP上昇、注射部位反応(発赤、疼痛等)、血管炎、流涙


以上の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しており、排泄が遅れることから、骨髄機能抑制、下痢等の副作用に注意し、異常が認められた場合には、回復を十分に確認してから投与を行うなど、投与間隔に留意すること。


妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。]

2.
授乳中の婦人には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]


小児等への投与

1.
小児悪性固形腫瘍

幼児又は小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

2.
小児悪性固形腫瘍以外

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

1. 調製時:
本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚、眼、粘膜に薬液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。

2. 投与経路:
必ず点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しないこと。

3. 投与時:

(1)
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので薬液が血管外に漏れないように投与すること。

(2)
本剤は、輸液に混和後、できるだけ速やかに投与すること。

(3)
本剤は光に不安定なので直射日光を避けること。また、点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与すること。

その他の注意

欧州における進行性小細胞肺癌を対象とした無作為化第III相臨床試験において、本剤とシスプラチン併用投与群(本剤80mg/m2を第1、8日目、シスプラチン80mg/m2を第1日目に投与し3週毎に繰り返す) での治療関連死が39例中4例に認められ、臨床試験が中断された。その後、本剤の投与量を65mg/m2に減量し、臨床試験は再開され、試験は終了となった。なお、本剤減量後の治療関連死は202例中7例であった。4)

薬物動態

1. 血中濃度5)
各種悪性腫瘍患者に、本剤50~350mg/m2を単回点滴静脈内投与したときの血漿中の未変化体と活性代謝物(SN-38)の濃度を測定した。未変化体は血漿中からの減衰速度が速く、t1/2が3.7~5.8時間であったが、SN-38のt1/2は11.4~18.5時間であり、未変化体と比べて持続的な濃度推移を示した。未変化体及びSN-38は投与後72時間程度でほぼ完全に血中から消失した。

イリノテカン塩酸塩水和物投与後の血漿中濃度推移

(表1参照)

2. 分布6, 7)

参考(動物実験)
ラットに14C標識体を単回静脈内投与した後の組織内放射能濃度は、脳、中枢神経系、生殖系を除く各組織で血漿中放射能濃度より高く、速やかでかつ良好な組織移行性が認められた。

3. 代謝
ヒトの肝及び各組織において、本剤はカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に直接変換される8, 9)。その他本剤は、CYP3A4により一部は無毒化され、また、一部は間接的にSN-38に変換される10, 11)。
SN-38は、主に肝の代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)の一分子種であるUGT1A1によりグルクロン酸抱合され、SN-38のグルクロン酸抱合体(SN-38G)となり、主に胆汁中に排泄される12, 13)。
UGT1A1にはUGT1A1*6、UGT1A1*28 等の遺伝子多型が存在し、UGT1A1*6、もしくはUGT1A1*28 においては、これら遺伝子多型をもたない患者に比べてヘテロ接合体、ホモ接合体としてもつ患者の順にSN-38Gの生成能力が低下し、SN-38の代謝が遅延する1, 2, 3)。
日本人におけるUGT1A1*6、UGT1A1*28 のアレル頻度は13.0~17.7%、8.6~13.0%との報告がある14)。
各種癌患者(176例)におけるUGT1A1遺伝子多型とAUC比注) との関連性は次表のとおりである3)。

(表2参照)

参考(動物実験)
ラットにおいてSN-38Gは、腸内細菌がもつβ-グルクロニダーゼによりSN-38に脱抱合される15, 16)。

4. 排泄
各種悪性腫瘍患者に、本剤165mg/m2又は250mg/m2を単回点滴静脈内投与したときの24時間までの尿中排泄率は、未変化体が16.3~21.1%、SN-38が0.11~0.15%であった。

表1 各種悪性腫瘍患者におけるイリノテカン塩酸塩水和物(CPT-11)、SN-38の薬物動態学的パラメータ

 投与量
(mg/m2)  Cmax(μg/mL)
CPT-11  Cmax(μg/mL)
SN-38  t1/2(hr)
CPT-11  t1/2(hr)
SN-38  AUC(μg・hr/mL)
CPT-11  AUC(μg・hr/mL)
SN-38 
50  0.7  0.02  5.6  11.4  3.6  0.2 
100  1.9  0.03  5.8  18.5  14.2  0.6 
165  4.7  0.05  4.2  12.2  21.5  0.7 
250  7.6  0.07  4.5  13.9  27.9  0.9 
350  7.1  0.14  3.7  14.8  44.7  1.1 

(注) 本剤の承認された1回用量は、180mg/m2以下である(「用法及び用量」の項参照)。

表2

 遺伝子多型  AUC比注)例数  AUC比注)
中央値(四分位範囲) 
UGT1A1*6 とUGT1A1*28 をともにもたない  85  5.55(4.13-7.26) 
UGT1A1*6 又はUGT1A1*28 をヘテロ接合体としてもつ  75  3.62(2.74-5.18) 
UGT1A1*6 又はUGT1A1*28 をホモ接合体としてもつ、もしくはUGT1A1*6 とUGT1A1*28 をヘテロ接合体としてもつ  16  2.07(1.45-3.62) 

注) SN-38GのAUCをSN-38のAUCで除した値

臨床成績

1. 承認時までの臨床試験

(単独投与)
国内で実施された本剤単独投与における後期第II相臨床試験成績は、次表のとおりであった17~23)。

(表3参照)

**(FOLFIRINOX法)
欧州で実施された、化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象とした第II/III相臨床試験におけるFOLFIRINOX法群(1クールを2週間として第1日目にオキサリプラチン85mg/m2、ホリナート400mg/m2、本剤180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/m2を46時間かけて持続静注)とゲムシタビン塩酸塩(GEM)単独投与群(GEM1,000mg/m2の週1回点滴投与を7週連続し、8週目は休薬する。その後は、週1回点滴投与を3週連続し、4週目は休薬として、これを4週毎に繰り返す)の中間解析時の成績は次表のとおりであった24,25)。対象患者はECOG注1)Performancestatus 0及び1であった。登録において2つの遺伝子多型(UGT1A1*6 、UGT1A1*28 )に関する基準は設定されなかった。また、登録時の選択基準として、好中球数(1,500/mm3以上)、総ビリルビン値(施設基準値上限の1.5倍以下)等が設定された。

(表4参照)

国内で実施された、化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象とした第II相臨床試験におけるFOLFIRINOX法(1クールを2週間として第1日目にオキサリプラチン85mg/m2、レボホリナート200mg/m2、本剤180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/m2を46時間かけて持続静注)の成績は次表のとおりであった26)。対象患者はECOG Performance status 0及び1であった。2つの遺伝子多型(UGT1A1*6 、UGT1A1*28 )について、いずれかをホモ接合体(UGT1A1*6 /*6 、UGT1A1*28 /*28 )又はいずれもヘテロ接合体(UGT1A1*6 /*28 )としてもつ患者は除外された。また、1クール目の投与可能条件として、好中球数(2,000/mm3以上)、総ビリルビン値(施設基準値上限以下)等が設定された。

(表5参照)

2. 非小細胞肺癌に対する第III相臨床試験
独立した2つのグループ(Aグループ27) 及びBグループ28) )において非小細胞肺癌に対する第III相臨床試験を国内で実施した。Aグループ及びBグループにおけるシスプラチンと本剤併用療法群(1コースを4週間としてシスプラチン80mg/m2を第1日に、本剤60mg/m2を第1、8、15日に投与)、シスプラチンとビンデシン硫酸塩併用療法群(1コースを4週間としてシスプラチン80mg/m2を第1日に、ビンデシン硫酸塩3mg/m2を第1、8、15日に投与)及び本剤単独療法群(1コースを4週間として本剤100mg/m2を第1、8、15日に投与)の成績は、次表のとおりであった。

(表6、表7参照)

3. UGT1A1遺伝子多型と副作用発現率3)
国内において本剤単独投与(55例)の各種癌患者について、UGT1A1遺伝子多型と副作用との関連性について検討した。本剤は、100mg/m2を1週間間隔又は150mg/m2を2週間間隔で投与した。
グレード3以上の好中球減少及び下痢の発現率は次表のとおりであった。

(表8参照)

表3

 疾患名  奏効率(%)
〔CR+PR/完全例〕  奏効率(%)
〔CR+PR/適格例〕 
小細胞肺癌17)  37.1〔13/35〕  31.7〔13/41〕 
非小細胞肺癌17)  24.7〔23/93〕  21.1〔23/109〕 
子宮頸癌18)  23.6〔13/55〕  19.7〔13/66〕 
卵巣癌18)  23.6〔13/55〕  19.1〔13/68〕 
胃癌19)  23.3〔14/60〕  18.4〔14/76〕 
結腸・直腸癌20)  32.1〔17/53〕  27.0〔17/63〕 
乳癌21)  23.1〔15/65〕  20.0〔15/75〕 
有棘細胞癌22)  39.4〔13/33〕  31.7〔13/41〕 
悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)23)  41.9〔26/62〕  37.7〔26/69〕 

表4

 疾患名  投与群  例数
(ITT)  生存期間
(主要評価項目)
中央値
(月)  生存期間
(主要評価項目)
ハザード比
P 値注2) 
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌  FOLFIRINOX法  127  10.5  0.62
P <0.001 
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌  GEM単独投与  128  6.9  0.62
P <0.001 

注1)Eastern Cooperative Oncology Group
注2)log-rank検定

表5
 疾患名  奏効率(有効例/適格例) 
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌  38.9%(14/36) 

表6 腫瘍縮小効果

 グループ  投与群  奏効率(%)〔CR+PR/評価対象例〕 
A  本剤+CDDP  43.7〔55/126〕 
A  CDDP+VDS  31.7〔38/120〕 
A  本剤単独  20.5〔26/127〕 
B  本剤+CDDP  28.6〔28/ 98〕 
B  CDDP+VDS  21.8〔22/101〕 
表7 生存期間及び生存率

 グループ  投与群  例数  MST(週)  生存率(%)
年数  生存率(%)
点推定  生存率(%)
95%CI 
A  本剤+CDDP  129  50.0  1年  46.5  37.8-55.2 
A  本剤+CDDP  129  50.0  2年  19.4  12.5-26.3 
A  CDDP+VDS  122  45.6  1年  38.3  29.6-47.0 
A  CDDP+VDS  122  45.6  2年  18.7  11.7-25.8 
A  本剤単独  129  46.0  1年  41.8  33.2-50.4 
A  本剤単独  129  46.0  2年  21.9  14.6-29.3 
B  本剤+CDDP  100  44.7  1年  42.5  32.8-52.3 
B  本剤+CDDP  100  44.7  2年  14.2  7.3-21.1 
B  CDDP+VDS  103  49.6  1年  47.6  37.9-57.2 
B  CDDP+VDS  103  49.6  2年  17.5  10.1-24.8 

CDDP: シスプラチン VDS: ビンデシン硫酸塩 MST: 生存期間中央値 CI: 信頼区間

表8

 遺伝子多型  グレード3以上の好中球減少発現率〔例数〕  グレード3の下痢発現率〔例数〕 
UGT1A1*6 とUGT1A1*28 をともにもたない  14.3%〔3/21〕  14.3%〔3/21〕 
UGT1A1*6 又はUGT1A1*28 をヘテロ接合体としてもつ  24.1%〔7/29〕  6.9%〔2/29〕 
UGT1A1*6 又はUGT1A1*28 をホモ接合体としてもつ、もしくはUGT1A1*6 とUGT1A1*28 をヘテロ接合体としてもつ  80.0%〔4/5〕  20.0%〔1/5〕 

薬効薬理

イリノテカン塩酸塩水和物は、1983年に抗腫瘍性アルカロイドであるカンプトテシンから合成された抗悪性腫瘍剤である29)。本剤は生体内でカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に加水分解されるプロドラッグである30)。

(1) **抗腫瘍作用31, 32, 33)
移植腫瘍に対して広い抗腫瘍スペクトラムを有する。マウスS180肉腫、Meth A線維肉腫、Lewis肺癌、L1210及びP388白血病、ラットWalker 256癌肉腫ならびにヌードマウス可移植性ヒト腫瘍MX-1(乳癌)、Co-4(大腸癌)、St-15(胃癌)、QG-56(肺癌)等に強い抗腫瘍効果を示す。また、in vitro 試験においてヒト膵癌由来BxPC-3、PANC-1、SPA及びSUIT-2細胞株の増殖を抑制した。

(2) 作用機序30)
I型DNAトポイソメラーゼを阻害することによって、DNA合成を阻害する。殺細胞効果は細胞周期のS期に特異的であり、制限付時間依存性に効果を示す薬剤である。

有効成分に関する理化学的知見

1. 一般名
イリノテカン塩酸塩水和物(Irinotecan Hydrochloride Hydrate)

2. 化学名
(+)-(4S )-4,11-Diethyl-4-hydroxy-9-[(4-piperidinopiperidino)carbonyloxy]-1H -pyrano[3´,4´: 6,7]indolizino[1,2-b ]quinoline-3,14(4H ,12H )-dione hydrochloride trihydrate

3. 分子式
C33H38N4O6・HCl・3H2O

4. 分子量
677.18

5. 構造式
 

6. 性状
微黄色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水、無水酢酸又はエタノール(95)に溶けにくい。

7. 融点
250~263℃(分解)

取扱い上の注意

1.
薬液が皮膚に付着した場合は、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。

2.
凍結しないように注意すること。

包装

トポテシン点滴静注40mg (2mL) 1バイアル

トポテシン点滴静注100mg (5mL) 1バイアル


主要文献及び文献請求先


主要文献

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Ando Y, et al.:Cancer Res. 2000; 60(24):6921-6926

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Innocenti F, et al.: J Clin Oncol. 2004;22(8):1382-1388

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**社内資料:膵癌に対する第II相臨床試験

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33)
Kawato Y, et al.:Cancer Chemother Pharmacol. 1991; 28(3):192-198


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