AIPHAGAN OPHTHALMIC SOLUTION 0.1%(Brimonidine Tartrate)酒石酸溴莫尼定,アイファガン点眼液0.1%
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作成又は改訂年月
**2015年1月改訂(第3版)
*2014年4月改訂
日本標準商品分類番号
871319
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
1996年9月
薬効分類名
アドレナリンα2受容体作動薬
緑内障・高眼圧症治療剤
承認等
アイファガン点眼液0.1%
販売名コード
1319761Q1023
承認・許可番号
承認番号
22400AMX00040
商標名
AIPHAGAN OPHTHALMIC SOLUTION 0.1%
薬価基準収載年月
2012年4月
販売開始年月
2012年5月
貯法・使用期限等
貯法:
室温保存
使用期限:
製造後3年(使用期限内であっても、開栓後は速やかに使用すること。)
規制区分
**処方箋医薬品注)
**注)注意―医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量(1mL中)
ブリモニジン酒石酸塩 1mg
添加物
塩化マグネシウム、ホウ酸、ホウ砂、カルメロースナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩酸、水酸化ナトリウム
性状
剤形
水性点眼剤
色
微黄緑~黄緑色澄明
pH
6.7~7.5
浸透圧比
生理食塩液に対する比:約1
その他
無菌製剤
一般的名称
ブリモニジン酒石酸塩点眼液
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児
(「小児等への投与」の項参照)
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:
緑内障、高眼圧症
効能又は効果に関連する使用上の注意
プロスタグランジン関連薬やβ遮断薬等の他の緑内障治療で効果不十分又は副作用等で使用できない場合に本剤の使用を検討すること(【臨床成績】の項参照)。
用法及び用量
通常、1回1滴、1日2回点眼する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
脳血管障害、起立性低血圧のある患者[血圧低下により、症状が悪化するおそれがある。]
2.
心血管系疾患のある患者[血圧及び脈拍数の変動により、症状が悪化するおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
全身的に吸収されるため、アドレナリンα2受容体作動薬の全身投与時と同様の副作用(眠気、めまい、徐脈、低血圧等)があらわれることがあるので留意すること。
2.
眠気、めまい、霧視等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事する場合は注意させること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
降圧剤
臨床症状・措置方法
降圧作用を増強する可能性がある。
機序・危険因子
本剤による交感神経抑制作用により、相加的に降圧作用が増強されると考えられる。
2. 薬剤名等
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体
オピオイド系鎮痛剤
鎮静剤
麻酔剤 等
アルコール
臨床症状・措置方法
鎮静作用を増強する可能性がある。
機序・危険因子
本剤による交感神経抑制作用により、相加的に鎮静作用が増強されると考えられる。
3. 薬剤名等
モノアミン酸化酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
血圧変動に影響する可能性がある。
機序・危険因子
ノルアドレナリンの代謝及び再取り込みに影響すると考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時の臨床試験での総症例444例中、副作用は122例(27.48%)に認められた。主な副作用は結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)38例(8.56%)、点状角膜炎30例(6.76%)、眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)20例(4.50%)、結膜充血17例(3.83%)、眼そう痒症10例(2.25%)、眼の異常感5例(1.13%)、接触性皮膚炎4例(0.90%)であった(承認時)。
副作用が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1. 過敏症
頻度不明注1)
*発疹、紅斑、蕁麻疹
2. 過敏症
0.1~5%未満
接触性皮膚炎、丘疹
3. 眼
頻度不明注1)
眼瞼障害、麦粒腫、角膜炎、角膜びらん、虹彩炎、白内障、硝子体はく離、硝子体浮遊物、視野欠損、視力低下、縮瞳、灼熱感、羞明
4. 眼
5%以上
点状角膜炎、結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)注2)
5. 眼
0.1~5%未満
眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)注2)、眼瞼紅斑、眼瞼浮腫、マイボーム腺梗塞、結膜充血、結膜浮腫、結膜濾胞、結膜蒼白、結膜出血、乾性角結膜炎、眼脂、眼そう痒症、眼刺激、眼痛、眼の異常感、眼の異物感、霧視、視覚障害、眼精疲労、眼乾燥、流涙増加
6. 循環器
頻度不明注1)
*徐脈、頻脈、低血圧、高血圧、動悸
7. 呼吸器
頻度不明注1)
咳嗽、呼吸困難、気管支炎、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻乾燥
8. 呼吸器
0.1~5%未満
鼻刺激感
9. 精神神経系
頻度不明注1)
不眠症、うつ病、失神
10. 精神神経系
0.1~5%未満
浮動性めまい、回転性めまい、頭痛、耳鳴、傾眠
11. 消化器
頻度不明注1)
胃腸障害、悪心、味覚異常
12. 消化器
0.1~5%未満
口内乾燥、口渇
13. 感染症
頻度不明注1)
インフルエンザ症候群、感冒、呼吸器感染
14. その他
頻度不明注1)
*無力症、疲労、高コレステロール血症、気分不良
15. その他
0.1~5%未満
疣贅、貧血、血中ビリルビン増加、血中ブドウ糖増加、血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加
注1)*自発報告及び海外(濃度0.1%~0.2%)で認められた副作用のため頻度不明。
注2)長期投与において、アレルギー性結膜炎・眼瞼炎の発現頻度が高くなる傾向が認められている。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2. 授乳婦
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット:経口投与)で乳汁中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
1.
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験がない)。
2.
低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児には投与しないこと。[外国での市販後において、乳児に無呼吸、徐脈、昏睡、低血圧、低体温、筋緊張低下、嗜眠、蒼白、呼吸抑制及び傾眠があらわれたとの報告がある。]
3.
外国での臨床試験において、0.2%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を1日3回投与した場合2~7歳の幼児及び小児に高頻度(25~83%)で傾眠が認められている。
適用上の注意
1. 投与経路:
点眼用にのみ使用すること。
2. 投与時:
患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
(1)
点眼に際して、患者は原則として仰向けの状態になり、患眼を開瞼し結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫した後開瞼すること。
(2)
点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
(3)
他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分間以上の間隔をあけて点眼すること。
薬物動
血漿中濃度1)
*日本人健康成人男子に0.15%又は0.2%ブリモニジン酒石酸塩点眼液注)(各6例)を両眼に1回1滴、1日2回7日間反復点眼したとき、7日目の血漿中ブリモニジン濃度は0.15%点眼液が点眼後平均1.1時間で最高濃度38.57±11.22pg/mL(平均値±標準偏差)を示し、0.2%点眼液では、0.6時間で最高濃度44.25±14.94pg/mLを示した。血漿中濃度は点眼液の濃度に依存して上昇したが、検出された濃度はわずかであり、最終点眼24時間後には定量限界値(2pg/mL)未満であった。(図1)
注)本剤の承認された濃度は0.1%である。
(参 考)
眼組織内移行〈サル〉2),3)
0.5%14C-ブリモニジン酒石酸塩点眼液35μLをサルの両眼に単回点眼したとき、眼組織内放射能の最高濃度は、虹彩、結膜、角膜、強膜、毛様体、網脈絡膜、房水、水晶体、硝子体の順に高かった。また、1日2回2週間反復点眼したとき、最高濃度は虹彩で最も高く、ついで下結膜、毛様体、網脈絡膜の順であった。
虹彩、上強膜、硝子体、毛様体及び網脈絡膜においては、単回点眼時の5~17倍高かった。
臨床成績
1. 単剤投与時のプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(国内第II相試験)
*原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者85例(本剤群43例、プラセボ群42例)を対象に、本剤又はプラセボを1回1滴、1日2回4週間点眼した試験において、眼圧変化値は表1のとおりであり、主要評価項目である治療期終了時(4週後)の0時間値(朝点眼直前)及び2時間値(朝点眼2時間後)は、いずれも本剤群とプラセボ群の対比較において有意な差が認められた(p<0.05、Dunnettの多重比較)。また、副次評価項目である0時間値と2時間値の平均値も同様の結果を示した4)。
2. 単剤投与時のチモロールマレイン酸塩0.5%点眼液対照単盲検並行群間比較試験(国内第III相試験)
*原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者196例(本剤群103例、チモロールマレイン酸塩0.5%点眼液群93例)を対象に、本剤又はチモロールマレイン酸塩0.5%点眼液を1回1滴、1日2回4週間点眼した試験において、眼圧変化値は表2のとおりであり、主要評価項目である点眼終了時(点眼4週後)における両群間の差(0時間値と2時間値の平均値、本剤群―チモロールマレイン酸塩0.5%点眼液群)とその95%信頼区間は0.7[0.1,1.3]mmHgで、95%信頼区間の上限値は非劣性限界値(Δ=1.2)を上回り、非劣性は検証されなかった5)。
3. プロスタグランジン関連薬との併用時のプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(国内第III相試験)
*プロスタグランジン関連薬による治療期間が90日以上で、眼圧値が18.0mmHg以上の原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者266例(本剤群134例、プラセボ群132例)を対象に、本剤又はプラセボを1回1滴、1日2回、プロスタグランジン関連薬と併用して4週間点眼した試験において、眼圧変化値(0時間値と2時間値の平均値)は図2のとおりであり、点眼4週後の眼圧変化値は、本剤群とプラセボ群の対比較において有意な差が認められた(p<0.05、t検定)5)。
4. 国内長期投与試験
原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者128例(本剤単剤投与82例、プロスタグランジン関連薬併用46例)を対象に、本剤単剤又はプロスタグランジン関連薬と併用して本剤を1回1滴、1日2回最長52週間点眼した試験において、眼圧変化値(0時間値と2時間値の平均値)の推移は、表3のとおりであり、52週間を通して安定した眼圧下降作用を示した6)。
5. 心血管系又は呼吸器系への影響を検討したチモロールマレイン酸塩0.5%点眼液対照単盲検並行群間比較試験(国内臨床薬理試験)
心血管系又は呼吸器系疾患を有さない高齢者100例(本剤群50例、チモロールマレイン酸塩0.5%点眼液群50例)を対象に、本剤又はチモロールマレイン酸塩0.5%点眼液を1回1滴、1日2回4週間点眼した試験において、点眼4週後の1秒量(FEV1.0)及び脈拍数は、本剤群及びチモロールマレイン酸塩0.5%点眼液群のいずれも点眼開始日と比較して有意に低下したが、前後比又は前後差(点眼開始日に対する比又は差)は、本剤群と比較してチモロールマレイン酸塩0.5%点眼液群で有意に大きかった(p<0.05、t検定)。なお、点眼4週後の収縮期及び拡張期血圧は、本剤群でのみ点眼開始日と比較して有意に低下した7)。
薬効薬理
1. 眼圧下降作用
ウサギに0.000015%~0.15%ブリモニジン酒石酸塩溶液を単回点眼したとき、濃度依存的な眼圧下降効果が認められた8)。
2. 作用機序
ブリモニジンは、アドレナリンα2受容体に作用し、房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路を介した房水流出の促進により眼圧を下降させると考えられている9)。
・ ウサギの片眼に0.3%ブリモニジン酒石酸塩溶液を単回点眼した試験(フルオロフォトメトリー法)では、点眼1時間後に点眼前に比べて最大43.9%の有意な房水産生抑制が認められた10)。
・ 高眼圧症患者の片眼に0.2%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を点眼した試験(フルオロフォトメトリー法)において、房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路からの房水流出の促進が認められた11)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
ブリモニジン酒石酸塩
(Brimonidine Tartrate)〔JAN〕
化学名:
5-Bromo-N-(4, 5-dihydro-1H -imidazol-2-yl)quinoxaline-6-amine mono-(2R,3R) -tartrate
構造式:
分子式:
C11H10BrN5・C4H6O6
分子量:
442.22
性状:
ブリモニジン酒石酸塩は白色~微黄色の粉末である。水にやや溶けやすく、ジメチルホルムアミド及びメタノールに溶けにくく、アセトン、塩化メチレン及び酢酸エチルにほとんど溶けない。
包装
5mL×5、5mL×10
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
千寿製薬株式会社 社内資料:ブリモニジン酒石酸塩点眼液の第I相臨床試験(7日間点眼試験)
2)
千寿製薬株式会社 社内資料:ブリモニジン酒石酸塩点眼液のサルにおける単回点眼投与後の眼組織内分布試験
3)
千寿製薬株式会社 社内資料:ブリモニジン酒石酸塩点眼液のサルにおける反復点眼投与後の眼組織内分布試験
4)
*新家 眞他:あたらしい眼科, 29, 1303, 2012.
5)
*新家 眞他:日本眼科学会雑誌, 116, 955, 2012.
6)
*新家 眞他:あたらしい眼科, 29, 679, 2012.
7)
*新家 眞他:日本眼科学会雑誌, 116, 623, 2012.
8)
千寿製薬株式会社 社内資料:ブリモニジン酒石酸塩点眼液の正常眼圧ウサギにおける用量反応性
9)
Burke, J. et al.:Surv. Ophthalmol., 41 Suppl.1, S9, 1996.
10)
千寿製薬株式会社 社内資料:ブリモニジン酒石酸塩点眼液のウサギ房水産生に及ぼす影響
11)
Toris, C. B. et al.:Arch. Ophthalmol., 113, 1514, 1995.
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
〈文献請求先・製品情報お問合せ先〉
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製造業者又は輸入販売業者の氏名又は名称及び住所
製造販売元
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大阪市中央区平野町二丁目5番8号
販売
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