-2のCmaxは1.6倍に増加し,M-5のAUC及びCmaxはそれぞれ3.6倍及び4.2倍増加したが,M-2のAUCは変化しなかった.
CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること.併用が避けられない場合には,患者の状態を慎重に観察すること.
機序・危険因子
In vitro試験において,本剤はCYP3A4によって代謝され,また,M-2及びM-5の生成にCYP3A4が関与していることが示されている.
薬剤名等
CYP3A4阻害薬(ケトコナゾール等)
臨床症状・措置方法
本剤単回投与とケトコナゾールとの併用により,未変化体のAUC及びCmaxはそれぞれ33%及び40%増加した.M-2及びM-5のAUCはそれぞれ94%及び93%減少し,Cmaxはそれぞれ97%及び94%減少した.
CYP3A4阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること.併用が避けられない場合には,患者の状態を慎重に観察すること.
機序・危険因子
In vitro試験において,本剤はCYP3A4によって代謝され,また,M-2及びM-5の生成にCYP3A4が関与していることが示されている.
薬剤名等
イリノテカン
臨床症状・措置方法
イリノテカンとの併用により,イリノテカン及びその活性代謝物であるSN-38のAUCがそれぞれ28%及び44%増加し,Cmaxはそれぞれ22%増加及び9%減少した.
機序・危険因子
In vitro試験において,本剤はUGT1A1によるグルクロン酸抱合を阻害することが示されている.
副作用
副作用等発現状況の概要
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
結腸・直腸癌患者を対象とした国際共同第III相臨床試験において,500例中(日本人65例を含む)465例(93.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用の発現例数(発現率)は,手足症候群225例(45.0%),下痢169例(33.8%),食欲減退152例(30.4%),疲労145例(29.0%),発声障害142例(28.4%),高血圧139例(27.8%),発疹113例(22.6%)等であった.(承認時)
*がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍
消化管間質腫瘍患者を対象とした国際共同第III相臨床試験において,132例中(日本人12例を含む)130例(98.5%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用の発現例数(発現率)は,手足症候群87例(65.9%),高血圧64例(48.5%),下痢53例(40.2%),発声障害44例(33.3%),疲労39例(29.5%),発疹38例(28.8%),脱毛31例(23.5%),口内炎30例(22.7%),疼痛29例(22.0%),食欲減退28例(21.2%)等であった.(効能追加承認時)
副作用の頻度は,結腸・直腸癌患者及び消化管間質腫瘍患者を対象とした国際共同第III相臨床試験の集計に基づき記載した.これらの臨床試験以外からの報告は頻度不明とした.
重大な副作用
1. *手足症候群
(49.4%)
手足症候群があらわれることがあるので,皮膚症状があらわれた場合には対症療法,減量,休薬又は投与の中止を考慮すること.
2. *中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.2%),多形紅斑(0.6%)
中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,多形紅斑があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
3. *肝不全(0.5%),肝機能障害(2.7%),黄疸(0.5%)
AST(GOT),ALT(GPT)の著しい上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれ,肝不全により死亡に至る例が報告されている.本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量,休薬又は投与を中止し,適切な処置を行うこと.
4. *出血
(9.8%)
消化管出血(1.1%),喀血(0.3%),肺出血(0.3%),腹腔内出血(0.2%),腟出血(0.2%),脳出血(頻度不明),鼻出血(6.2%),血尿(0.9%)等の出血があらわれることがある.重篤な出血においては,死亡に至る例が報告されているので,本剤投与中は観察を十分に行い,重篤な出血があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
5. 血栓塞栓症
心筋虚血(0.2%),心筋梗塞(0.2%)等の血栓塞栓症があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
6. *高血圧(32.1%),高血圧クリーゼ(0.2%)
高血圧があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.なお,コントロールできない重症の高血圧が認められた場合には休薬すること.また,高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
7. *可逆性後白質脳症
(0.2%)
可逆性後白質脳症があらわれることがあるので,痙攣,頭痛,錯乱,視覚障害,皮質盲等が認められた場合には投与を中止し,血圧のコントロールを含め,適切な処置を行うこと.
8. 消化管穿孔(頻度不明),消化管瘻(0.2%)
消化管穿孔,消化管瘻があらわれることがあり,死亡に至る例が報告されている.本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
9. **血小板減少
(11.2%)
血小板減少があらわれることがあるので,本剤投与中は定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量,休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には,必要に応じて投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
精神神経系
1~10%未満
頭痛,末梢性ニューロパチー,浮動性めまい,錯感覚,不眠,失声症
*精神神経系
1%未満
回転性めまい,傾眠,知覚過敏,振戦
感覚器
1~10%未満
味覚異常
感覚器
1%未満
耳鳴
消化器
10%以上
下痢,食欲減退,口内炎,悪心
消化器
1~10%未満
便秘,嘔吐,腹痛,口内乾燥,リパーゼ上昇,アミラーゼ上昇,肛門の炎症,口唇炎,歯周病,消化不良,鼓腸
消化器
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