,血圧低下,不整脈(頻脈,徐脈,心房細動,心房粗動,房室ブロック)
14. 電解質
1~10%未満
血清ナトリウム,カリウム,クロール,カルシウム,リン,マグネシウム等の異常
15. 電解質
1%未満
抗利尿ホルモン分泌異常症候群
16. 皮膚
10%以上又は頻度不明
脱毛
17. 皮膚
1%未満
色素沈着,爪の変色,皮膚疾患
18. その他
10%以上又は頻度不明
全身倦怠感,無力症※,尿酸上昇※,悪寒※,脱水※,体重減少※,アルブミン低下※,呼吸困難※
19. その他
1~10%未満
発熱,浮腫
20. その他
1%未満
疼痛,潮紅,ほてり,胸部不快感,吃逆,注射部位反応(発赤,腫脹,疼痛,壊死,硬結等),低蛋白血症
※:頻度不明
注1:処置として制吐剤等の投与を行う。
注2:このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者では,一般に生理機能(骨髄機能,肝機能,腎機能等)が低下しているので,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)において催奇形性作用,胎児致死作用が報告されている。]
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍,再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては,骨髄抑制,聴器障害,ファンコニー症候群等の腎障害の発現に特に注意し,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお,外国で,本剤を高用量で他の聴器毒性を有する薬剤と併用した場合,臨床上有意な聴力低下が小児患者に発現するとの報告がある。
過量投与
本剤を高用量で投与した際に,失明を含む視覚障害があらわれたとの報告がある。
適用上の注意
1. 調製時
(1)
本剤は,イオウを含むアミノ酸(メチオニン及びシスチン)輸液中で分解が起こるため,これらのアミノ酸輸液との配合を避けること。
(2)
本剤は,アルミニウムと反応して沈殿物を形成し,活性が低下するので,使用にあたってはアルミニウムを含む医療器具を用いないこと。
(3)
本剤は,錯化合物であるので,他の抗悪性腫瘍剤とは混注しないこと。
(4)
本剤は細胞毒性を有するため,調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合は,直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。
2. 投与時
(1)
本剤は,生理食塩液等の無機塩類(NaCl,KCl,CaCl2等)を含有する輸液に混和するときは,8時間以内に投与を終了すること。
(2)
静脈内投与に際し,薬液が血管外に漏れると,注射部位に硬結・壊死等を起こすことがあるので,薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
3. 保存時
本剤は,光及び熱により分解するので,直射日光や高温を避けること。
その他の注意
1.
本剤は,シスプラチン投与で効果が認められなかった症例に対しては,有効性が認められていない。
2.
本剤は,細菌及びヒトリンパ芽球細胞に対し変異原性が認められており,また,ハムスターに対する染色体異常誘起性が認められている。
3.
ラットの慢性毒性試験(静脈内投与)により耳下腺及び乳腺の腺癌,前立腺の前癌病変が発生したとの報告がある。
4.
本剤と他の抗悪性腫瘍剤の併用により,急性白血病(前白血病相を伴う場合もある),骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。
5.
本剤の投与回数を重ねると,ショック,アナフィラキシー様症状の発現頻度が高くなる傾向がみられ,特に白金製剤の投与回数が8回を超えるとその傾向は顕著となるとの報告がある。
薬物動態
1. 血中濃度2)~4)
癌患者にパラプラチンをカルボプラチンとして75~450mg/m2を1回点滴静注したときの血中濃度の推移は3相性の減衰曲線を示し,α相の半減期は0.16~0.32時間,β相は1.29~1.69時間,γ相は22~32時間であり,大部分のカルボプラチンは投与後速やかに,また,時間の経過とともに緩慢に血中より消失した。
注)本剤の承認された用量は300~400mg/m2である。
2. 排泄2)~4)
本剤の癌患者における尿中排泄は,投与後比較的速く,投与後24時間に57~82%が排泄された。
カルボプラチン投与後の血漿中白金濃度
臨床成績
1. 国内臨床試験成績5)~15)
(1) 頭頸部癌(解析対象症例数67)
著効(CR):1,有効(PR):13,不変(NC):35,進行(PD):18,奏効率%(CR+PR):20.9
(2) 肺小細胞癌(解析対象症例数116)
著効(CR):1,有効(PR):30,不変(NC):56,進行(PD):29,奏効率%(CR+PR):26.7
(3) 睾丸腫瘍(解析対象症例数21)
著効(CR):1,有効(PR):9,不変(NC):7,進行(PD):4,奏効率%(CR+PR):47.6
(4) 卵巣癌(解析対象症例数50)
著効(CR):5,有効(PR):14,不変(NC):22,進行(PD):9,奏効率%(CR+PR):38.0
(5) 子宮頸癌(解析対象症例数32)
著効(CR):2,有効(PR):5,不変(NC):16,進行(PD):9,奏効率%(CR+PR):21.9
(6) 悪性リンパ腫(解析対象症例数33)
著効(CR):2,有効(PR):11,不変(NC)・進行(PD):20,奏効率%(CR+PR):39.4
※)著効=完全寛解,有効=不完全寛解,不変・進行=無寛解
疾患別奏効率(寛解率)は,頭頸部癌20.9%(14/67),肺小細胞癌26.7%(31/116),睾丸腫瘍47.6%(10/21),卵巣癌38.0%(19/50),子宮頸癌21.9%(7/32),悪性リンパ腫39.4%(13/33)であった。また,頭頸部癌及び卵巣癌を対象としたシスプラチンとの比較試験でも本剤の有用性が認められている。
なお,パラプラチンはシスプラチンの臨床第II相試験成績と比べ奏効