2.
肝機能障害のある患者[使用経験が少なく安全性が確立していない。]
重要な基本的注意
本剤は尿酸降下薬であり、痛風関節炎(痛風発作)発現時に血中尿酸値を低下させると痛風関節炎(痛風発作)を増悪させるおそれがあるため、本剤投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認められた場合は、症状がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。また、本剤投与中に痛風関節炎(痛風発作)が発現した場合には、本剤の用量を変更することなく投与を継続し、症状によりコルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド等を併用すること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
メルカプトプリン水和物
ロイケリン
アザチオプリン
イムラン、アザニン
臨床症状・措置方法
骨髄抑制等の副作用を増強する可能性がある。
機序・危険因子
アザチオプリンの代謝物メルカプトプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、メルカプトプリンの血中濃度が上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
ワルファリン
臨床症状・措置方法
ワルファリンの作用を増強させる可能性がある。[「薬物動態」の項参照]
機序・危険因子
本剤による肝代謝酵素の阻害作用により、ワルファリンの代謝を抑制し、ワルファリンの血中濃度が上昇する可能性がある。
2. 薬剤名等
ビダラビン
臨床症状・措置方法
幻覚、振戦、神経障害等のビダラビンの副作用を増強する可能性がある。
機序・危険因子
ビダラビンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、ビダラビンの代謝を抑制し、作用を増強させることがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
3. 薬剤名等
キサンチン系薬剤
テオフィリン等
臨床症状・措置方法
キサンチン系薬剤(テオフィリン等)の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は、キサンチン系薬剤の投与量に注意すること。
機序・危険因子
テオフィリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、テオフィリンの血中濃度が上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
4. 薬剤名等
ジダノシン
臨床症状・措置方法
ジダノシンの血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤と併用する場合は、ジダノシンの投与量に注意すること。
機序・危険因子
ジダノシンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、健康成人及びHIV患者においてジダノシンのCmax及びAUCが上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内で実施された臨床試験において、826例中292例(35.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は痛風関節炎83例(10.0%)、ALT(GPT)増加62例(7.5%)、β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加58例(7.0%)、α1ミクログロブリン増加49例(5.9%)、AST(GOT)増加42例(5.1%)等であった。[承認時]
重大な副作用
1. 肝機能障害(2.9%)
AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害(重篤な肝機能障害は0.2%)があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
2. 多形紅斑(0.5%未満)
多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 胃腸
1%未満
口内炎
2. 肝及び胆道系
5%以上
ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加
3. 肝及び胆道系
1~5%未満
γ-GTP増加
4. 肝及び胆道系
1%未満
LDH増加、血中ビリルビン増加、Al-P増加
5. 代謝
1~5%未満
血中トリグリセリド増加
6. 代謝
1%未満
血中アミラーゼ増加、血中K増加、血中リン増加
7. 筋及び骨格系
5%以上
痛風関節炎注1)
8. 筋及び骨格系
1~5%未満
四肢痛、四肢不快感、血中CK(CPK)増加
9. 筋及び骨格系
1%未満
関節痛、関節炎、血中CK(CPK)減少
10. 腎及び泌尿器系
5%以上
β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、α1ミクログロブリン増加
11. 腎及び泌尿器系
1~5%未満
尿中β2ミクログロブリン増加、β2ミクログロブリン増加
12. 腎及び泌尿器系
1%未満
尿中アルブミン陽性、血中クレアチニン増加、尿中血陽性、頻尿、尿中赤血球陽性、尿中蛋白陽性
13. 皮膚
1%未満
発疹
14. 血液
1%未満
白血球数増加、白血球数減少、単球百分率増加
15. その他
1%未満
口渇、血圧上昇、異常感
注1)「重要な基本的注意」の項参照
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、経過を十分に観察し、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与を考慮すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている1)。]
2.
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移