・危険因子
PG合成抑制によりリチウムの腎排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている。
2. 薬剤名等
チアジド系利尿薬
トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の利尿作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
PG合成抑制により、水、塩類の排泄を抑制すると考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
再審査対象外
重大な副作用
1. ショック
頻度不明注)
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸困難等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎
頻度不明注)
これらの副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 再生不良性貧血、無顆粒球症
頻度不明注)
これらの副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 黄疸
頻度不明注)
黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5. 急性腎不全
頻度不明注)
急性間質性腎炎等により急性腎不全があらわれることがあるので、乏尿、血尿等の症状及び尿蛋白、BUN・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症等の検査所見が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
その他の副作用
1. 過敏症
0.1~5%未満
発疹・紅斑、浮腫、小疱性角膜炎、結膜炎、そう痒等
2. 血液
0.1%未満
貧血、血小板減少、血小板機能の低下(出血時間の延長)等
3. 肝臓
0.1%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ALP上昇等
4. 消化器
0.1~5%未満
胃痛、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢
5. その他
0.1~5%未満
頭痛、倦怠感
上記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者では、副作用があらわれやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(「重要な基本的注意」の項参照)。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
*妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠末期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)が起きたとの報告があり、妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。また、動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている。]
2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]
小児等への投与
過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、投与後の患者の状態に十分注意すること(「重要な基本的注意」の項参照)。
適用上の注意
1.
皮下・筋肉内投与時
皮下・筋肉内投与後、神経麻痺、硬結等をきたすことがあるので注意すること(「用法及び用量に関連する使用上の注意」の項参照)。
2.
開封時
アンプルカット時の異物混入を避けるため、エタノール消毒綿等で清拭しカットすること。
その他の注意
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
薬物動態
血中濃度、代謝
参考(海外データ)
(1) 血漿中濃度の推移1)
健康成人にスルピリン水和物1.0gを臀筋内投与した場合、血漿中に未変化体は検出されず、代謝物である4-methylaminoantipyrine(4-MAA)、4-aminoantipyrine(4-AA)、4-acetylaminoantipyrine(4-AcAA)が検出された。
これらの最高血漿中濃度は、4-MAAで投与1時間後に12.0±2.3μg/mL、4-AAで投与4時間後に1.9±0.7μg/mL、また、4-AcAAで投与8時間後に1.1±0.7μg/mLであった。
(2) 薬物の肝代謝に関与するチトクロームP450分子種2)
CYP2B
薬効薬理
スルピリン水和物は視床下部の体温調節中枢に作用し、熱放散をきたし解熱効果を示す3)。
有効成分に関する理化学的知見
1. 一般名
スルピリン水和物(Sulpyrine Hydrate)
metamizole sodium(INN)
2. 化学名
Monosodium [(1,5-dimethyl-3-oxo-2-phenyl-2,3-dihydro-1H -pyrazol-4-yl)(methyl)amino] methanesulfonate monohydrate
3. 分子式
C13H16N3NaO4S・H2O
4. 分子量
351.35
5. 構造式
6. 性状
白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。光によって着色する。
取扱い上の注意
本品は、「ワンポイントカットアンプル」を使用しているので、アンプル枝部のマークを上にして、反対方向に折りとること。
包装
メチロン注25% (1mL) 50アンプル
(2mL) 50アンプル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Weiss R, et al.:Arzneimittelforschung 1974;24(3):345-348
2)
Kraul H, et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 1991;41(5):475-480
3)
高木博司:常用処方の薬理(南山堂)1969:14-17
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
第一三共株式会社 製品情報部
〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-