いGrade 1
(症状がない;深部腱反射の低下又は知覚異常)
なし
疼痛を伴うGrade 1又はGrade 2(中等度の症状がある;身の回り以外の日常生活動作の制限)
1.3mg/m2の場合1.0mg/m2へ減量又は1.0mg/m2の場合0.7mg/m2へ減量
疼痛を伴うGrade 2又はGrade 3
(高度の症状がある;身の回りの日常生活動作の制限)
回復するまで休薬。症状が回復した場合は、0.7mg/m2に減量した上で週1回投与に変更
Grade 4(生命を脅かす;緊急処置を要する)
投与中止
※NCI-CTCAE v4.0
〈多発性骨髄腫〉
7.2 未治療の多発性骨髄腫に対し、本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
7.3 週1回投与への移行時期、本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照]
8. 重要な基本的注意
〈効能共通〉
8.1 肺障害があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、胸水、咳、及び発熱等の自覚症状や、胸部聴診所見、呼吸数等での異常の有無を慎重に観察すること。また、必要に応じて動脈血酸素飽和度や胸部CT等の検査を適切に実施し、慎重に経過を観察すること。肺障害の危険因子は現時点では明確でないため、肺障害の既往歴のない患者においても、慎重な経過観察を行う必要がある。[1.3.1 参照],[1.3.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
8.2 心障害による死亡例、うっ血性心不全の急性発現又は増悪、心嚢液貯留、左室駆出率低下が報告されているため、心障害の既往や症状の危険因子がある場合には、患者の状態には十分に注意すること。[11.1.2 参照]
8.3 本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.6 参照]
8.4 末梢神経障害があらわれることがあるので、灼熱感、知覚過敏、感覚減退、錯感覚、不快感、神経障害性疼痛等のニューロパチーの症状について観察すること。また、末梢性ニューロパチーが発現する可能性のある薬剤を併用する場合には注意すること。[7.1 参照],[9.1.3 参照],[11.1.3 参照]
8.5 国内臨床試験では重度の発熱性好中球減少症、好中球減少症(好中球数減少)及び貧血(ヘモグロビン減少)が認められているため、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4 参照]
8.6 本剤は血小板減少症を引き起こすことが認められている。本剤の投与前に毎回血小板数を確認すること。本剤投与により発現した血小板減少に伴う胃腸出血及び脳出血の報告例があるので、必要に応じ輸血を考慮すること。[7.1 参照],[11.1.4 参照]
8.7 本剤の投与により悪心、下痢、便秘及び嘔吐の発現が認められており、制吐剤又は止痢剤による処置を要することがある。脱水症状を予防するため、必要に応じ補液及び電解質補充を行うこと。本剤の投与期間中は嘔吐又は下痢がみられるため、患者には脱水症状を避ける適切な対処方法を指導すること。浮動性めまい、頭部ふらふら感又は失神発作があらわれた場合には、医師の診察を受けるよう患者を指導すること。
また、イレウスが報告されているため、便秘を認めた患者は慎重に観察すること。[11.1.5 参照]
8.8 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。[11.1.6 参照]
8.9 低血圧(起立性低血圧を含む)の管理には、必要に応じて降圧剤の調節、水分補給、ミネラルコルチコイド又は交感神経作動薬の投与等の支持療法を行うこと。[9.1.4 参照],[11.1.7 参照]
8.10 疲労、浮動性めまい、失神、起立性低血圧、霧視が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.11 腫瘍量の急激な減少に伴い、腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome)があらわれることがあるため、予防措置として、高尿酸血症治療剤の投与及び適切な水分補給等を考慮すること。急激に腫瘍量が減少した患者においては血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.8 参照]
〈原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫〉
8.12 本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書」等)3) を熟読すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 間質性肺炎、肺線維症等の肺障害の既往歴のある患者
投与前に間質性陰影を認めた患者で致死的な急性肺障害の経過をたどる例が報告されている。[1.3.1 参照],[1.3.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
9.1.2 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性でHBc抗体陽性若しくはHBs抗体陽性の患者
本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。[8.3 参照],[11.1.6 参照]
9.1.3 末梢性ニューロパチーの症状(足又は手のしびれ、疼痛又は灼熱感)や徴候のある患者
本剤の投与期間中に症状が増悪(Grade 3以上を含む)するおそれがある。[8.4 参照],[11.1.3 参照]
9.1.4 失神の既往や症状がある患者、低血圧が発現する可能性のある薬剤を投与中の患者及び脱水状態にある患者
患者の状態を十分に観察すること。低血圧(起立性低血圧を含む)が投与期間を通じ報告されている。[8.9 参照],[11.1.7 参照]
9.1.5 経口血糖降下剤を併用した糖尿病患者
血糖値を注意深く観察し、経口血糖降下剤の用量に留意して慎重に投与すること。海外臨床試験において、低血糖及び高血糖が報告されている。
9.3 肝機能障害患者
本剤のクリアランスが低下し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能年齢にある女性においては本剤投与中及び投与終了後一定期間は避妊するよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には