抜歯を含む
必要な第VIII因子レベル(%又はIU/dL)
30-60
投与量(IU/kg)
15-30
投与頻度
8-24時間おきに出血消失まで
手術の種類
大手術
頭蓋内、腹腔内、胸腔内の手術、関節置換術
必要な第VIII因子レベル(%又はIU/dL)
80-100
投与量(IU/kg)
40-50
投与頻度
8-24時間おきに創傷治癒まで
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
本剤の成分、マウス又はハムスタータンパク質に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
他の血液凝固第VIII因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
重要な基本的注意
1.
本剤の投与は、血友病の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
2.
本剤の投与によりアナフィラキシーを含むアレルギー反応があらわれる可能性があるので、観察を十分に行うこと。
3.
患者の血中に血液凝固第VIII因子に対するインヒビターが発生するおそれがある。特に、血液凝固第VIII因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビターが発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
4.
十分な血液凝固第VIII因子レベルに到達・維持していることを確認するため、必要に応じ血漿中血液凝固第VIII因子レベルをモニタリングすること。
5.
本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合のみに適用すること。本剤を処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施した後、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、患者又はその家族に対し、本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、在宅自己注射後何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。適用後、在宅自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行うこと。
副作用
副作用等発現状況の概要
治療歴のある12歳以上の重症型血友病A患者を対象とした国際共同臨床試験において、156例中10例(6.4%)に12件の副作用が認められた。主な副作用は頭痛3例(1.9%)であった。(承認時)
治療歴のある12歳未満の重症型血友病A患者を対象とした海外臨床試験において、66例中1例に蕁麻疹(1.5%)が認められた。手術患者を対象とした海外臨床試験において、17例中1例にALT上昇(5.9%)が認められた。(用法・用量追加時)
重大な副作用(類薬)
ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、悪心、血管浮腫、呼吸困難、血圧低下、頻脈等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
その他の副作用
過敏症
1%未満
蕁麻疹
胃腸障害
1%未満
下痢、悪心
一般・全身障害および投与部位の状態
1%未満
注射部位疼痛
肝胆道系障害
1%未満
高ビリルビン血症
臨床検査
1%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)上昇
筋骨格系および結合組織障害
1%未満
関節痛
神経系障害
1%以上
頭痛
血管障害
1%未満
潮紅
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、生殖発生毒性試験は実施していない。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。なお、動物における乳汁移行試験は実施していない。]
適用上の注意
1. 調製時
(1)
調製前に、室温に戻しておくこと。
(2)
装着されている溶解液以外は使用しないこと。本剤に溶解液全量を加えた後、静かに円を描くように回して溶解すること。(激しく振とうしないこと)
(3)
他の製剤と混合しないこと。
(4)
使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
2. 投与時
(1)
溶解した液は、無色澄明である。沈殿の認められるもの又は混濁しているものは使用しないこと。
(2)
溶解後は冷蔵せず、室温(30℃以下)にて3時間以内に使用すること。3時間以内に使用されない場合は、廃棄すること。
3. 在宅自己注射
(1)
患者が家庭で保存する場合においては、冷蔵庫内で保存することが望ましいが、室温(30℃以下)で保存することもできる。室温で保存した場合には、使用期限を超えない範囲で3ヵ月以内に使用し、再び冷蔵庫に戻さないように指導すること。
(2)
子供による誤用等を避けるため、薬剤の保管には十分注意すること。
(3)
使用済みの医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。
その他の注意
本剤はvon Willebrand因子を含んでいない。
薬物動態
12歳以上の重症型血友病A患者を対象に、本剤及びルリオクトコグ アルファ45±5 IU/kgを静脈内単回投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。本剤の平均消失半減期はルリオクトコグ アルファと比較して1.4倍であった。
(表1参照)
その内、日本人患者における薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
(表2参照)
12歳未満の重症型血友病A患者(外国人)を対象に、本剤60±5 IU/kgを静脈内単回投与した際の母集団薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。
(表3参照)
表1
パラメータ
(平均±SD) 本剤
(26例) ルリオクトコグ
アルファ(26例)
血中半減期[h] 14.3±3.8 10.4±2.2
クリアランス
[mL/(kg・h)] 2.8±2.0 4.6±2.2
補正回収率注3)
[(IU/dL)/(IU/kg)] 2.5&p