グレカプレビル及びピブレンタスビルのP-gp阻害作用による.
薬剤名等
カルバマゼピン
エファビレンツ
フェニトイン
フェノバルビタール
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が低下し,効果が減弱するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
これら薬剤のP-gp誘導作用による.
薬剤名等
エチニルエストラジオール含有製剤
臨床症状・措置方法
ALT(GPT)上昇のリスクが増加するおそれがある.
機序・危険因子
機序不明
薬剤名等
ロスバスタチンカルシウム
臨床症状・措置方法
ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)
ロスバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある.
機序・危険因子
グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B及びBCRP阻害作用による.
薬剤名等
シンバスタチン
臨床症状・措置方法
シンバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)
シンバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある.
機序・危険因子
グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B及びBCRP阻害作用による.
薬剤名等
プラバスタチンナトリウム
臨床症状・措置方法
プラバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)
プラバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある.
機序・危険因子
グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B阻害作用による.
薬剤名等
フルバスタチンナトリウム
ピタバスタチンカルシウム水和物
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある.これらスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある.
機序・危険因子
グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B阻害作用による.
薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
シクロスポリンのOATP1B,P-gp及びBCRP阻害作用によるものと考えられる.
薬剤名等
ロピナビル・リトナビル
臨床症状・措置方法
グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
これら薬剤のOATP1B,P-gp又はBCRP阻害作用によるものと考えられる.
薬剤名等
ダルナビルエタノール付加物/リトナビル
ダルナビルエタノール付加物・コビシスタット
臨床症状・措置方法
グレカプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
これら薬剤のOATP1B,P-gp又はBCRP阻害作用によるものと考えられる.
副作用
副作用等発現状況の概要
国内第III相試験において副作用(臨床検査値異常を含む)は332例中80例(24.1%)に認められた.主な副作用としてそう痒16例(4.8%),頭痛14例(4.2%),倦怠感10例(3.0%),血中ビリルビン増加8例(2.4%)が認められた.(承認時)
本剤の副作用を下記に示す.このような副作用が認められた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと.
消化器
5%未満
悪心
精神神経
5%未満
頭痛
皮膚
5%未満
そう痒,発疹,薬疹
全身症状
5%未満
倦怠感,疲労
全身症状
頻度不明※
無力症
臨床検査
5%未満
血中ビリルビン増加,ALT(GPT)増加
※ 海外臨床試験で認められている副作用
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊娠又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.]
2. 授乳中の婦人には投与することを避け,やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること.[動物実験(ラット)で本剤成分が乳汁中へ移行することが確認されている.1),2)]3),4)
小児等への投与
小児等における安全性及び有効性は確立していない.[使用経験がない.]
過量投与
本剤に特定の解毒薬はない.過量投与の場合は,副作用の徴候や症状を注意深く観察し,適切な対症療法を行うこと.グレカプレビル及びピブレンタスビルは血液透析ではほとんど除去されない.
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与(外国人データ)5)
健康成人に本剤(300mg/120mg)を単回経口投与したときの薬物動態パラメータを下表に示す.(薬物動態の表1 健康成人における単回投与時のグレカプレビル及びピブレンタスビルの薬物動態パラメータ参照)
(2) 反復投与(日本人データ)6)
健康成人に食後にグレカプレビル300mg又はピブレンタスビル120mgを1日1回,7日間反復経口投与し,引き続きグレカプレビル300mg及びピブレンタスビル120mgを1日1回,7日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを下表に示す.(薬物動態の表2 健康成人における反復経口投与14日目のグレカプレビル及びピブレンタスビルの薬物動態パラメータ参照)
(3) 食事の影響(外国人データ)5)
健康成人に本剤(300mg/120mg)を単回経口投与し,グレカプレビル及びピブレンタスビルの吸収に及ぼす食事の影響を検討した.食事摂取によりグレカプレビル及びピブレンタスビルの曝露量は増加した.(薬物動態の表3 健康成人における空腹時投与に対する中脂肪及び高脂肪食後の薬物動態パラメータ参照)
2. 分布(外国人データ)7),8),9)
ヒト血漿蛋白結合率はグレカプレビルで97.5%,ピブレンタスビルで99.9%を上回った.ヒト血液/血漿中濃度比はグレカプレビルで0.57,ピブレンタスビルで0.62であった.
3. 代謝(外国人デ