セボ対照、二重盲検比較試験)注3)が実施された。外国臨床試験(1)では、本剤群(203例)で64.0%(130例)、プラセボ群(103例)で6.8%(7例)の有効率注2)であった。外国臨床試験(2)では、本剤群(45例)で44.4%(20例)、プラセボ群(21例)で4.8%(1例)の有効率注2)であった。両試験ともプラセボに対する本剤の優越性が検証された(p<0.001)。(下表参照)
注1)効果が不十分な場合、一関節あたり最大3回まで投与可能とした。なお、被験者あたりの最大投与回数は5回であった。
注2)最終投与30日後に主要関節(最初にプラセボ又は本剤を投与したMP関節又はPIP関節)の伸展不足角度が5°以下に減少した患者の割合
注3)効果が不十分な場合、一関節あたり最大3回まで投与可能とした。なお、被験者あたりの最大投与回数は外国臨床試験(1)では3回、外国臨床試験(2)では8回であった。
表 最終投与a)30日後の有効率b)
群 国内臨床試験
本剤群 外国臨床試験(1)
本剤群 外国臨床試験(1)
プラセボ群 外国臨床試験(2)
本剤群 外国臨床試験(2)
プラセボ群
主要関節 (N=77) (N=203) (N=103) (N=45) (N=21)
有効率b) 85.7%
(N=66) 64.0%
(N=130) 6.8%
(N=7) 44.4%
(N=20) 4.8%
(N=1)
p値c) - <0.001 - <0.001 -
主要MP関節 (N=47) (N=133) (N=69) (N=20) (N=11)
有効率b) 93.6%
(N=44) 76.7%
(N=102) 7.2%
(N=5) 65.0%
(N=13) 9.1%
(N=1)
p値d) - <0.001 - 0.003 -
主要PIP関節 (N=30) (N=70) (N=34) (N=25) (N=10)
有効率b) 73.3%
(N=22) 40.0%
(N=28) 5.9%
(N=2) 28.0%
(N=7) 0%
(N=0)
p値d) - <0.001 - 0.069 -
a)主要関節に対する最大投与回数は3回
b)主要関節の伸展不足角度が5°以下に減少した患者の割合
c)本剤投与前の重症度及び関節種類を層としたCochran-Mantel-Haenszel検定
d)本剤投与前の重症度を層としたCochran-Mantel-Haenszel検定
薬効薬理
1. 作用機序
本薬は、コラーゲン分解作用3,4,5,6)により沈着コラーゲンを分解して拘縮索の破断強度を低下させる7)。
2. 効力を裏付ける薬理作用(in vitro)
(1) コラーゲン分解作用8)
本薬は、クロストリジウム属由来のクラスI及びクラスIIコラゲナーゼを質量比1:1で含有する。クラスI及びクラスIIコラゲナーゼは、ラット尾由来I型コラーゲンをそれぞれ異なる分子量の断片に分解する。
クラスI及びクラスIIコラゲナーゼを混合させた場合、それぞれを単独で作用させた場合の分解産物がさらに分解される。また、総酵素量が同量の場合、クラスIコラゲナーゼを単独で作用させた場合よりも、混合物を作用させた場合の分解活性が高いことが示されている。
(2) ヒト摘出拘縮索に対する作用7)
本薬注入部位でコラーゲンの分解を認めた。本薬注入により、拘縮索の破断強度の低下を認めた。また、拘縮索の引張変形に必要な応力を示す引張弾性係数の低下も認められている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
コラゲナーゼ(クロストリジウム ヒストリチクム)(JAN)
本質
コラゲナーゼ(クロストリジウム ヒストリチクム)は、Clostridium histolyticumが産生するクラスI及びクラスIIコラゲナーゼの混合物である。クラスI及びクラスIIコラゲナーゼは、それぞれ、1,008個及び991個のアミノ酸残基からなるタンパク質である。
承認条件
1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2. 本剤についての講習を受け、本剤の安全性及び有効性を十分に理解し、本剤による治療方法に関し精通した医師によってのみ用いられるよう、必要な措置を講じること。
包装
ザイヤフレックス注射用:1バイアル(専用溶解用液添付)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1) 社内資料:デュピュイトラン拘縮患者を対象とした国内及び外国臨床試験(抗薬剤抗体)
2) 社内資料:デュピュイトラン拘縮患者を対象とした国内及び外国臨床試験(薬物動態)
3) Seifter S. et al.:J. Biol. Chem., 234(2), 285(1959)
4)
Bond MD. et al.:Biochemistry, 23(13), 3085(1984)
5) Steinbrink DR. et al.:J. Biol. Chem., 260(5), 2771(1985)
6) French MF. et al.:Biochemistry, 26(3), 681(1987)
7) Starkweather KD. et al.:J. Hand Surg. Am., 21(3), 490(1996)
8) 社内資料:ラット尾由来I型コラーゲンに対する分解特性および分解活性
文献請求先
文献請求先・製品情報に関するお問い合わせ先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
旭化成ファーマ株式会社 医薬情報部くすり相談窓口
〒101-8101 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
フリーダイヤル 0120-114-936(9:00~17:45/土日祝、休業日を除く)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
旭化成ファーマ株式会社
東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
提携先
エンド ベンチャーズ リミテッド
アイルランド
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