応じて動脈内に通常、成人には1日5mg/kgを適宜注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
2. 他の抗悪性腫瘍剤又は放射線と併用する場合
フルオロウラシルとして、通常、成人には1日5~10mg/kgを他の抗悪性腫瘍剤又は放射線と併用し、1の方法に準じ、又は間歇的に週1~2回用いる。
3. 頭頸部癌に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
他の抗悪性腫瘍剤との併用療法において、通常、成人にはフルオロウラシルとして1日1000mg/m2(体表面積)までを、4~5日間連日で持続点滴する。投与を繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。本剤単独投与の場合には併用投与時に準じる。
なお、年齢、患者の状態などにより適宜減量する。
4. 結腸・直腸癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法
(1)
通常、成人にはレボホリナートとして1回100mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射、さらにフルオロウラシルとして600mg/m2(体表面積)を22時間かけて持続静注する。これを2日間連続して行い、2週間ごとに繰り返す。
(2)
通常、成人にはレボホリナートとして1回250mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして2600mg/m2(体表面積)を24時間持続静注する。1週間ごとに6回繰り返した後、2週間休薬する。これを1クールとする。
(3)
通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射、さらにフルオロウラシルとして2400~3000mg/m2(体表面積)を46時間持続静注する。これを2週間ごとに繰り返す。
なお、年齢、患者の状態などにより適宜減量する。
5. 治癒切除不能な膵癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法
通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射、さらにフルオロウラシルとして2400mg/m2(体表面積)を46時間持続静注する。これを2週間ごとに繰り返す。
なお、年齢、患者の状態などにより適宜減量する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
頭頸部癌に対して、本剤を含むがん化学療法と放射線照射を併用する場合(特に同時併用する場合)に、重篤な副作用や放射線合併症が発現する可能性があるため、本剤の適切な減量を検討すること。[「重要な基本的注意」の項参照]
2.
オキサリプラチン、イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナートとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行う場合には、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にすること。
2クール目以降の投与可能条件
(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量すること。)
減量基準
前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、以下の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する(「減量時の投与量」を参考にすること)。また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降の本剤急速静脈内投与を中止する。
注1)複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用すること。
注2) CTCAE version 4.0。
減量時の投与量
(オキサリプラチン85mg/m2、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2、本剤持続静注2,400mg/m2で投与を開始した場合)
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。]
2.
肝障害又は腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
3.
感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により感染症が悪化するおそれがある。]
4.
心疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
5.
消化管潰瘍又は出血のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
6.
水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
骨髄機能抑制、激しい下痢等の重篤な副作用が起こることがあるので、定期的(特に投与初期は頻回)に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
特に、本剤の効果を増強する薬剤を併用した療法(メトトレキサート・フルオロウラシル交代療法、レボホリナート・フルオロウラシル療法等)を実施する場合には、致命的な経過をたどることがあるので各薬剤の添付文書を熟読すること。
2.
重篤な腸炎等により脱水症状があらわれた場合には、補液等の適切な処置を行うこと。
3.
感染症・出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。
4.
頭頸部癌に対して、本剤を含むがん化学療法と放射線照射を併用する場合(特に同時併用する場合)に、重篤な副作用や放射線合併症が発現する可能性がある。放射線照射野内の皮膚炎・皮膚の線維化・口内炎、経口摂取量低下、血液毒性、唾液減少等が、放射線照射単独の場合と比較して高度となることが知られているので、血液毒性出現時の感染対策、長期の栄養管理、疼痛コントロール、放射線照射時の粘膜浮腫により気道狭窄が増悪した場合の管理等について十分な注意、対応を行うこと。
5.
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中止後、本剤の投与を行う場合は、少なくとも7日以上の間隔をあけること。[「相互作用」の項参照]
6.
小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
7.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合