収,蓄積性は認められなかった.
臨床成績
1. 一般臨床試験3)
本剤の一般臨床試験は,保存療法期の慢性腎不全患者566例を対象として,本剤の投与を1日3~6g(分3)より開始し,主治医の判断により増減して実施された.その結果,透析導入時期は本剤投与で非投与群に比し延長されることが認められた.投与量6g/日における腎不全進行速度・自覚症状などに対する主治医判定は,有効以上55%(50/91),やや有効以上85%(77/91)であった.
2. 二重盲検比較試験4)
本剤の二重盲検比較試験は,プラセボを対照薬として,進行性の慢性腎不全患者244例(本剤群124例,プラセボ群120例)を対象とし,1日6g(分3),24週間の投与で実施された.その結果,本剤群では血清クレアチニンの逆数~時間プロットの傾斜(S-Cr逆数傾斜)が試験後に有意に緩やかになり(表2),また尿毒症症状は投与2週後より本剤群がプラセボ群に比し優れた改善を示した.本剤群の全般改善度は改善以上45%(55/122),やや改善以上71%(87/122)であり,プラセボ群の22%(26/119),33%(39/119)に比べ有意に優れていた.
3. 使用成績等の調査
(1) 使用成績調査1)
保存療法期の慢性腎不全患者1,848例を対象として有効性の評価が行われた.その結果,判定不能例を除く全般改善度は改善以上で52.3%(917/1,753),やや改善以上で68.1%(1,193/1,753)であった.
このうち65歳以上の高齢者は664例で,判定不能例を除く高齢者の全般改善度は改善以上で56.9%(353/620),やや改善以上で72.1%(447/620)であった.
(2) 長期使用成績調査1)
保存療法期の慢性腎不全患者361例を対象として48週間の長期使用に関する有効性及び安全性の評価が行われた.その結果,判定不能例を除く全般改善度は改善以上で57.5%(206/358),やや改善以上で74.6%(267/358)であった.
臨床成績の表
表2 S-Cr逆数傾斜の試験開始前後の比較
傾斜(10-5dL/mg・週)(Mean±SD)
症例数 前 後 W検定
A群 119 -329±245 -222±378 p<0.001
P群 118 -293±184 -274±279 N.S.
W検定:Wilcoxon matched pairs signed-ranks test
薬効薬理
1. 慢性腎不全に対する作用
(1)
腎不全モデルラットに投与したとき,腎不全病態悪化抑制(摂餌量・体重の維持,血清クレアチニン・尿素窒素の上昇抑制,糸球体濾過機能の低下抑制,腎組織病変の悪化抑制)が得られ,生存日数が延長する5,6,7).
(2)
保存期慢性腎不全患者に投与したとき,血清クレアチニンの上昇が抑制され,尿毒症症状が改善され,透析導入までの期間が延長される3,4).
2. 作用機序8)
本剤は,内服により慢性腎不全における尿毒症毒素を消化管内で吸着し,便とともに排泄されることにより,尿毒症症状の改善や透析導入を遅らせる効果をもたらす.
有効成分に関する理化学的知見
化学名
炭素
性状
直径約0.2~0.4mmの黒色球形の粒子で,においはない.水及びエタノール(95)にほとんど溶けない.
包装
クレメジンカプセル200mg:1,000カプセル(10カプセル×100)
クレメジン細粒分包2g:2g×84包
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
秋澤忠男 他:腎と透析 1998;45(3):373-388
2)
菅野三喜男 他:基礎と臨床 1987;21(5):2411-2417
3)
越川昭三 他:腎と透析 1987;23(2):373-381
4)
小出桂三 他:臨床評価 1987;15(3):527-564
5)
越川昭三 他:腎と透析 1986;21(1):199-206
6)
Kanai F, et al.:Japanese Journal of Nephrology 1986;28(9):1249-1259
7)
酒井 糾 他:日本腎臓学会誌 1989;31(4):359-365
8)
小出桂三 他:日本臨牀 1985;43(特別号):422-440
文献請求先
**,*田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**販売
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10
*製造販売元
株式会社クレハ
東京都新宿区百人町3-26-2
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