>腎臓>副腎>血液の順に放射能濃度が高かった。
*●通過性・移行性(参考:ラットでのデータ)3)
1) 血液-脳関門通過性
雄性ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したところ、投与後4時間までの脳内(大脳・小脳)放射能濃度は、血漿中放射能濃度の0.4~0.5倍であった。
2) 血液-胎盤関門通過性
妊娠ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したところ、胎盤及び胎児への放射能の移行が認められ、胎盤及び胎児全身の放射能濃度は、ほぼ母体血漿中放射能濃度と同程度であった。
3) 母乳中への移行性
授乳期のラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したところ、乳汁中放射能濃度は、血漿中放射能濃度の0.07~0.73倍であった。
●蛋白結合率(in vitro、ヒト血漿、限外ろ過法)
薬物動態の表3参照。
3. 代謝・排泄
(1) 代謝酵素(ヒト発現系ミクロソーム)
トピラマートのヒト代謝に関与する主なチトクロームP450分子種はCYP3A4である。
(2)
健康成人に14C-トピラマート100mgを単回経口投与後、10日目までに主に尿中に未変化体として(投与量の約60%)排泄される。血漿中、尿中及び糞中には6種の代謝物(水酸化体、加水分解体及びグルクロン酸抱合体)が認められたが、いずれも投与量の2.5%未満である。(外国人データ)
4. 相互作用(外国人データ)
健康成人あるいはてんかん患者を対象にした薬物相互作用の検討について以下に示した。
(1) フェニトイン
フェニトイン単剤(130~300mgを1日2回若しくは360~480mgを1日1回)で治療を受けている部分てんかん患者12例にトピラマート(100、200、400mgを1日2回)を反復投与したとき、トピラマートの血漿中濃度はトピラマート単独投与時(400mgを1日2回)に比べ48%低下した。一方、12例の患者のうち6例で、トピラマートの併用によりフェニトインのAUCが25%程度上昇した。
(2) カルバマゼピン
カルバマゼピン単剤(300~800mgを1日3回)で治療を受けている部分てんかん患者12例にトピラマート(100、200、400mgを1日2回)を反復投与したとき、トピラマートの血漿中濃度はトピラマート単独投与時(400mgを1日2回)に比べ40%低下した。一方、トピラマートはカルバマゼピンの体内動態に影響を及ぼさなかった。
(3) リスペリドン
健康成人12例にリスペリドン(2mg)を単回投与したとき、リスペリドンのCmax及びAUC0~∞は、トピラマート(50~100mgを1日2回)の併用により、それぞれ29%及び23%低下した。
(4) メトホルミン
健康成人25例にメトホルミン(500mgを1日2回)を反復投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUC0~12は、トピラマート(100mgを1日2回)の併用により、それぞれ18%及び25%増加した。
(5) ピオグリタゾン
健康成人26例にピオグリタゾン(30mg/日)を反復投与したとき、ピオグリタゾンのAUC0~24は、トピラマート(16~96mgを1日2回)の併用により15%低下した。一方、ピオグリタゾンはトピラマートの体内動態に影響を及ぼさなかった。
(6) アミトリプチリン
健康成人18例にアミトリプチリン(25mg/日)を反復投与したとき、アミトリプチリンのCmax及びAUC0~24は、トピラマート(25~100mgを1日2回)の併用により、それぞれ12%及び13%増加した。
(7) リチウム
健康成人12例にリチウム(300mgを1日3回)を反復投与したとき、リチウムのAUC0~8は、トピラマート(50~100mgを1日2回)の併用により12%低下した。一方、リチウムで治療を受けている双極性障害患者32例のリチウムのAUC0~12は、低用量のトピラマート(200mg/日)の併用では影響を受けなかったが、高用量のトピラマート(600mg/日)の併用により26%増加した。
(8) ジゴキシン
健康成人男性12例にジゴキシン(0.6mg)を単回投与したとき、ジゴキシンのCmax及びAUC0~∞は、トピラマート(100mgを1日2回)の併用により、それぞれ16%及び12%低下した。
(9) ヒドロクロロチアジド
健康成人24例にヒドロクロロチアジド(25mg/日)を反復投与したとき、ヒドロクロロチアジドの体内動態は、トピラマート(64~96mgを1日2回)の併用により影響を受けなかった。一方、トピラマート(64~96mgを1日2回)を反復投与したとき、トピラマートのCmax及びAUC0~12は、ヒドロクロロチアジド(25mg/日)の併用により、それぞれ27%及び29%増加した。
(10) 経口避妊薬
バルプロ酸単剤(375~1250mgを1日2回)で治療を受けているてんかん女性患者12例にノルエチステロン(1mg/日)及びエチニルエストラジオール(0.035mg/日)を反復投与したとき、ノルエチステロンの体内動態は、トピラマート(100、200、400mgを1日2回)の併用により影響を受けなかったが、エチニルエストラジオールのAUC0~24は、トピラマートの併用により18~30%減少した。
表1 薬物動態パラメータ
用量(mg) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) AUC0~∞(μg・hr/mL)
25 0.25±0.03 2.4±1.6 -a) 1.7±2.2b)
50 0.84±0.25 1.4±0.9 46.7±10.9 40.9±7.7
100 2.12±0.39 2.0±1.4 30.9±6.2 76.2±15.1
200 5.10±0.47 0.8±0.3 25.3±2.2 159.1±17.5
300 6.20±2.04 2.3±1.4 28.9±7.4 222.0±65.0
400 8.27±1.27&n