指、口蓋裂、血管系の異常及び骨格異常等が報告されている。また、動物実験(ラット)で胎盤を通過することが認められている。]
(参考)
ラット及びウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験において、ラット400mg/kg/日、ウサギ120mg/kg/日の経口投与で、外部、内部あるいは骨格異常が認められた。
また、同試験において、ラット30mg/kg/日の経口投与で胎児体重減少及び出生児体重増加抑制、ウサギ120mg/kg/日の経口投与で胎児死亡率上昇及び内部・骨格異常が認められたことから、各試験の次世代の発生に関する無毒性量は、ラット2.5mg/kg/日、ウサギ35mg/kg/日であった。
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
(参考)
ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、1mg/kg/日の経口投与で出生児体重増加抑制が認められたことから、本試験の次世代の発生に関する無毒性量は0.5mg/kg/日であった。
小児等への投与
1.
*低出生体重児、新生児、乳児、2歳未満の幼児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験がない)。
2.
*市販後の自発報告において、小児における腎・尿路結石、代謝性アシドーシス、乏汗症(発汗減少)の報告が成人に比べて多い傾向が認められているので、観察を十分に行うこと。[「重要な基本的注意」の項1)、2)及び3)、「重大な副作用」の項(2)、(3)及び(4)参照]
過量投与
1. 症状:
痙攣、傾眠、精神障害、昏迷、激越、めまい、抑うつ、会話障害、代謝性アシドーシス、協調運動異常、霧視、複視、低血圧、腹痛等があらわれることがある。
2. 処置:
過量投与後早期の場合は、催吐、胃洗浄、活性炭投与、十分な水分補給による尿排泄の促進等の一般的な支持・対症療法を行う。また必要に応じて血液透析を行う。
なお、in vitroでは、活性炭が本剤を吸着することが示されている。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。
薬物動態
1. 吸収
(1) *成人
1) 単回投与
健康成人にトピラマート25~400mgを絶食下単回経口投与した場合の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。(薬物動態の表1参照)
2) 反復投与
健康成人にトピラマート1回50mgを1日2回13日間(計25回投与)反復経口投与した場合、血漿中濃度は5日目以降ほぼ定常状態に達し、単回投与後の12時間値と最終回投与後の12時間値の比(蓄積率)は5.20であった。
3) 腎機能障害患者(外国人データ)
中等度(クレアチニンクリアランス30~69mL/min/1.73m2)及び重度(クレアチニンクリアランス<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害患者にトピラマート100mgを単回経口投与した。トピラマートの見かけの全身クリアランス(CL/F)は、腎機能が正常な患者(クレアチニンクリアランス≧70mL/min/1.73m2)と比べ、中等度の腎機能障害患者では42%、重度の腎機能障害患者では54%低下した。したがって、中等度若しくは重度の腎機能障害患者に対しては、通常用量の半量の使用が推奨される。
4) 血液透析患者(外国人データ)
血液透析患者にトピラマート100mgを単回経口投与後、400mL/minの速度で血液透析を3時間行ったところ、3時間後の血漿中トピラマート濃度は約半分に低下した。トピラマートの透析時間中のCL/Fは約7.2L/hr(120mL/min)であり、これは健康成人におけるCL/F1.2~1.8L/hr(20~30mL/min)よりも大きく、血液透析によりトピラマートは血漿から急速に除去される。
5) 肝機能障害患者(外国人データ)
中等度から重度(Child-Pugh スコア5~9)の肝機能障害患者では、健康成人と比較してAUC0~∞は29%増加し、CL/Fは26%低下した。
6) 高齢者(外国人データ)
健康高齢者(65~81歳)にトピラマート100mgを単回経口投与した場合、健康高齢者では健康成人に比べCmax及びAUC0~∞はそれぞれ23%及び25%増加し、T1/2が約13%延長した。
7) *生物学的同等性1)
トピナ細粒又はトピナ錠(それぞれトピラマートとして50mg)をそれぞれ絶食下にて水とともに単回経口投与した生物学的同等性試験では、Cmax及びAUC0~tのトピナ錠に対するトピナ細粒の比の90%信頼区間はそれぞれ86.1~103.5%及び96.0~100.9%であり、両製剤の同等性が確認された。
(2) *小児
1) 反復投与(1日2回)2)
2~15歳の症候性又は潜因性局在関連性てんかん患児に、トピナ細粒を1日2回開始用量1mg/kg/日から1週ごとに2mg/kg/日ずつ、9mg/kg/日まで漸増投与した。1及び5mg/kg/日投与における血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである。肝代謝酵素誘導作用を有する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン、プリミドン、フェノバルビタール)と併用(誘導例)した場合に比べ、非併用(非誘導例)では、Cmaxで約1.6倍、AUC0~12で約2.0倍(いずれも5mg/kg/日投与時)であった。(薬物動態の表2参照)
2. 分布
*●体組織への分布(参考:ラットでのデータ)3)
雄性ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したところ、大部分の組織では投与後30分に最も高い放射能濃度を示した。投与後30分では胃>膀胱>肝臓