は、本剤のクリアランスが低下することがあるので、クレアチニンクリアランスが70mL/分未満の場合には、投与量を半量にするなど慎重に投与すること。[「慎重投与」、「薬物動態」の項参照]
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化するおそれがある。]
2.
アシドーシスの素因を有する患者又はアシドーシスを来しやすい治療を受けている患者[高クロール性の代謝性アシドーシスが生じるおそれがある。]
3.
腎機能障害、肝機能障害のある患者[本剤のクリアランスが低下することがある。(「薬物動態」の項参照)]
4.
自殺企図の既往及び自殺念慮を有するうつ病の患者[症状が悪化するおそれがある。]
5.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1.
*腎・尿路結石があらわれることがあるので、結石を生じやすい患者に投与する場合には十分水分を摂取するよう指導すること。[「重大な副作用」の項(2)、「小児等への投与」の項2)参照]
2.
*代謝性アシドーシスがあらわれることがあるので、本剤投与中、特に長期投与時には、重炭酸イオン濃度測定等の検査を患者の状態に応じた適切な間隔で実施することが望ましい。[「重大な副作用」の項(3)、「小児等への投与」の項2)参照]
3.
*発汗減少があらわれることがあり、特に夏季に体温が上昇することがあるので、本剤投与中は体温の上昇に留意し、このような場合には高温環境下をできるだけ避けること。なお、あらかじめ水分を補給することにより症状が緩和される可能性がある。[「重大な副作用」の項(4)、「小児等への投与」の項2)参照]
4.
体重減少を来すことがあるので、本剤投与中、特に長期投与時には、定期的に体重計測を実施するなど患者の状態を慎重に観察し、徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
5.
連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、発作頻度が増加する可能性があるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意すること。
6.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
7.
本剤は血液透析により除去されるので、透析実施日は本剤の補充投与を考慮すること。[「薬物動態」の項参照]
8.
投与開始に先立ち、主な副作用について患者に説明し、異常が認められた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指示すること。
相互作用
本剤の代謝に関与する主なチトクロームP450分子種はCYP3A4である。[「薬物動態」の項参照]
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
*肝代謝酵素(CYP3A4)誘導作用を有する薬剤(フェニトイン、カルバマゼピン等)
臨床症状・措置方法
併用中の上記薬剤を減量又は中止する場合には本剤の血中濃度が上昇することがある。注)
機序・危険因子
上記薬剤により肝代謝酵素(CYP3A4)が誘導され、併用により本剤の血中濃度は非併用時に比べ低下する。
2. 薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度が上昇することがある。注)
機序・危険因子
本剤が上記薬剤の代謝を阻害することがある。
3. 薬剤名等
中枢抑制薬(バルビツール酸誘導体等)
臨床症状・措置方法
相互に作用が増強されることがある。
機序・危険因子
本剤及び上記薬剤の中枢神経抑制作用による。
4. 薬剤名等
炭酸脱水酵素阻害剤(アセタゾラミド等)
臨床症状・措置方法
腎・尿路結石を形成するおそれがある。
機序・危険因子
本剤は弱い炭酸脱水酵素阻害作用を有する。
5. 薬剤名等
リスペリドン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度が低下することがある。注)
機序・危険因子
上記薬剤のクリアランスが上昇することがある。
6. 薬剤名等
メトホルミン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度が上昇し、血糖降下作用が増強するおそれがある。注)
機序・危険因子
上記薬剤のクリアランスが低下することがある。
7. 薬剤名等
ピオグリタゾン
臨床症状・措置方法
上記薬剤のAUCが低下し、血糖降下作用が減弱するおそれがある。注)
機序・危険因子
上記薬剤のクリアランスが上昇することがある。
8. 薬剤名等
アミトリプチリン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて用量を調節すること。注)
機序・危険因子
機序は不明である。
9. 薬剤名等
リチウム
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度が上昇又は低下することがある。注)
機序・危険因子
機序は不明である。
10. 薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
ジゴキシンのAUCが低下することがある。注)
機序・危険因子
機序は不明である。
11. 薬剤名等
ヒドロクロロチアジド
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて本剤の用量を調節すること。注)
機序・危険因子
上記薬剤により本剤の腎排泄が低下し、血中濃度が上昇すると考えられる。
12. 薬剤名等
経口避妊薬(エチニルエストラジオール等)
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。注)
機序・危険因子
機序は不明である。
13. 薬剤名等
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
機序・危険因子
上記含有食品により誘導された代謝酵素(CYP3A4)が本剤の代謝を促進することがある。
注)薬物動態の項参照。
副作用
副作用等発現状況の