物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、15分以上経過後装用すること3)。
薬物動態
1. 国内で実施された臨床試験(優越性試験)
日本人患者にチモロール0.5%点眼液を1日2回4週間点眼した後、本剤又はチモロール0.5%点眼液を1回1滴、1日2回8週間点眼したとき、点眼8週間後の血漿中チモロール濃度は本剤群(14例)で点眼前0.317ng/mL、点眼45分後1.23ng/mL、チモロール0.5%点眼液群(15例)で点眼前0.212ng/mL、点眼45分後1.03ng/mLであった4)。
2. 国内で実施された臨床試験(長期投与試験)
日本人患者(33例)に本剤を1回1滴、1日2回52週間点眼したとき、点眼52週間後の赤血球中ブリンゾラミド濃度(点眼前)は23.3μmol/Lであった。
また、点眼52週間後に主代謝物であるN-デスエチルブリンゾラミド(点眼前)が33例中32例に検出され、その赤血球中濃度は3.20μmol/Lであった5)。
3. 海外で実施された臨床試験(薬物動態試験)
血漿中チモロール:
外国人健康被験者に本剤又はチモロール0.5%点眼液を1回1滴、1日2回13週間点眼したとき、点眼13週間後のCmaxは本剤群(23例)で0.824ng/mL、チモロール0.5%点眼液群(26例)で1.13ng/mLであった6)。
また、点眼13週間後のTmaxは本剤群(23例)で0.79時間、チモロール0.5%点眼液群(26例)で1.11時間であった6)。
図1 血漿中チモロール濃度の推移
赤血球中ブリンゾラミド:
外国人健康被験者にブリンゾラミド1mgを2週間経口投与した後、本剤又はブリンゾラミド1%点眼液を1回1滴、1日2回13週間点眼したとき、点眼13週間後のブリンゾラミド濃度(点眼前)は本剤群(23例)で18.4μmol/L、ブリンゾラミド1%点眼液群(26例)で17.2μmol/Lであった。
また、赤血球中N-デスエチルブリンゾラミド濃度(点眼前)は本剤群(23例)で1.57μmol/L、ブリンゾラミド1%点眼液群(26例)で1.63μmol/Lであった6)。
図2 赤血球中ブリンゾラミド濃度の推移
臨床成績
1. 国内で実施された臨床試験(優越性試験)7)
緑内障(原発開放隅角緑内障、落屑緑内障)又は高眼圧症患者301例を対象とした第III相二重遮蔽比較試験において、観察期にチモロール0.5%点眼液を1日2回4週間点眼した後、治療期に本剤(1日2回)又は対照薬(チモロール0.5%点眼液1日2回)を8週間点眼したとき、主要評価項目である8週11時(点眼2時間後)の本剤群の眼圧変化量は対照薬群よりも有意に大きく(最小二乗平均の群間差:-1.7mmHg、p<0.0001、対応のないt検定)、本剤のチモロール0.5%点眼液に対する眼圧下降効果の優越性が検証された(ベースライン眼圧値を共変量とした反復測定共分散分析)(表1)。
2. 国内で実施された臨床試験(非劣性試験)8)
緑内障(原発開放隅角緑内障、落屑緑内障、色素緑内障)又は高眼圧症患者309例を対象とした第III相二重遮蔽比較試験において、観察期にチモロール0.5%点眼液を1日2回4週間点眼した後、治療期に本剤(1日2回)又は対照薬(ブリンゾラミド1%点眼液1日2回とチモロール0.5%点眼液1日2回の併用療法)を8週間点眼したとき、主要評価項目である8週11時(点眼2時間後)における眼圧変化量の投与群間差(本剤群-対照薬群)の97.5%片側信頼区間の上限は0.4mmHgで、非劣性の限界値である+1.1mmHgを下回り、本剤の併用療法に対する眼圧下降効果の非劣性が検証された(ベースライン眼圧値を共変量とした反復測定共分散分析)(表2)。
3. 国内で実施された臨床試験(長期投与試験)9)
緑内障(原発開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、落屑緑内障)又は高眼圧症患者125例を対象とした第III相オープンラベル試験において、前治療薬の休薬の後、本剤を1日2回52週間点眼したとき、4週から52週までの各観察時点における眼圧変化量は-5.7mmHg~-4.1mmHgであり、12ヵ月間を通してベースラインからの眼圧下降を示した(p<0.0001、対応のあるt検定)(反復測定分散分析)(図3)。
図3 眼圧値の推移
臨床成績の表
表1 最終評価時(点眼後8週間)における点眼2時間後の眼圧値及びベースラインからの眼圧変化量(ITT:301例)
眼圧値(mmHg) 眼圧値(mmHg)
本剤群
(n=150) チモロール群
(n=151)
ベースラインの眼圧値a) 20.7±2.5 20.7±2.7
最終評価時の眼圧値a) 17.5±3.3 19.2±3.3
眼圧変化量の最小二乗平均b)
[95%信頼区間] -3.2
[-3.6, -2.8] -1.5
[-1.9, -1.1]
群間差(本剤群-チモロール群)b)
[95%信頼区間] - -1.7
[-2.2, -1.2]
a) 平均値±標準偏差
b) ベースライン眼圧値を共変量とした反復測定共分散分析
表2 最終評価時(点眼後8週間)における点眼2時間後の眼圧値及びベースラインからの眼圧変化量(PP:309例)
眼圧値(mmHg) 眼圧値(mmHg)
本剤群
(n=155) 併用療法群
(n=154)
ベースラインの眼圧値a) 20.8±2.6 20.8±2.6
最終評価時の眼圧値a) 17.5±3.0 17.6±3.2
眼圧変化量の最小二乗平均b)
[95%信頼区間] -3.4
[-3.8, -3.1] -3.3
[-3.7, -2.9]
群間差(本剤群-併用療法群)b)
[95%信頼区間] - -0.1
[-0.7, 0.4]
a) 平均値±標準偏差
b) ベースライン眼圧値を共変量とした反復測定共分散分析
薬効薬理
1. ブリンゾラミド
(1) 眼圧下降作用10)
レーザー線維柱帯形成術によって高眼圧症を誘発された12匹のカニクイザルにおいて、ブリンゾラミド1%懸濁液を1日2回点眼したところ、投与1、3、6及び12時間後の眼圧は24.7%、35.8%、26.