減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
4.
感染症、出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。
5.
小児では副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
6.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
7.
過去に抗生物質等の筋肉内注射により、筋拘縮症が発現したとの事例が報告されているので、筋肉内注射に際しては適用上の注意を守り、十分に注意すること。(「適用上の注意」の項参照)
8.
急性白血病及び悪性リンパ腫に本剤の筋肉内投与を行う際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:L-アスパラギナーゼ(急性白血病及び悪性リンパ腫の筋肉内注射に関する用法・用量の追加)」等)を熟読すること。
副作用
副作用等発現状況の概要
静脈内投与の承認時188例における副作用及び臨床検査値異常の発現例は128例(発現率68.1%)であった。 また静脈内投与の承認時及び1976年5月1日までの副作用頻度調査を含む調査対象例302例の主な副作用は嘔気103件(34.1%)、嘔吐89件(29.5%)、食欲不振63件(20.9%)、発熱43件(14.2%)、高アンモニア血症12/96(12.5%)、ショック6件(2.0%)等であった。
重大な副作用
1.
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、血管浮腫、悪寒、嘔吐、呼吸困難、意識混濁、痙攣、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
脳出血、脳梗塞、肺出血等の重篤な凝固異常(フィブリノ-ゲン減少、プロトロンビン減少、プラスミノ-ゲン減少、AT-III減少、プロテインC減少等)があらわれることがあるので、頻回に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3.
重篤な急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、嘔吐、アミラーゼ等の膵酵素の上昇等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、膵内分泌機能障害(膵ランゲルハンス島炎)による糖尿病があらわれることがあるので、観察を十分に行い、口渇感、多飲多尿等の症状があらわれた場合には休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.
意識障害を伴う高アンモニア血症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬あるいは投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
**5.
中枢神経系障害として、脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)、昏睡、意識障害、見当識障害等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬あるいは投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、広範な脳の器質的障害を来し、死亡した症例がある。
6.
肝不全等の重篤な肝障害があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.
骨髄抑制があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
8.
肺炎、敗血症等の重度の感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 過敏症
5%以上
発疹
2. 肝臓
5%以上
脂肪肝
3. 肝臓
頻度不明
肝機能障害
4. 腎臓
0.1~5%未満
浮腫、高窒素血症
5. 腎臓
頻度不明
蛋白尿、利尿不全
6. 消化器
5%以上
食欲不振、悪心、嘔吐、下痢
7. 精神神経系
5%以上
けん怠感
8. 精神神経系
0.1~5%未満
傾眠、不安、頭痛
9. 投与部位
頻度不明
投与部位反応(硬結、疼痛、出血、血腫、膿瘍等)
10. その他
5%以上
発熱
11. その他
頻度不明
血管痛、耐糖能異常、高脂血症、唾液腺炎、耳下腺炎
上記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者では生理機能が低下していることが多く、特に肝障害があらわれやすいので、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(マウス及びラット)で脳ヘルニア、胸椎及び肋骨異常、化骨化遅延等が報告されている3)。]
2.
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
「重要な基本的注意」の項5)6)参照
適用上の注意
1. 投与時
(1)
皮内反応試験[ショックがあらわれるおそれがあるので、本剤投与に先立って実施することが望ましい。]
[本剤5000K.U.を日局注射用水2mLで溶解後、日局生理食塩液にて全量5mLとする。このうち0.1mLを注射筒で分取し、日局生理食塩液で全量1mLとした後、この0.1mLを皮内注射する(投与量:10K.U.)4)。
皮内注射後15~30分間異常がないことを確認する。]
(2)
溶解後速やかに使用すること。
(3)
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
1)
同一部位への反復注射は行わないこと。特に乳児、幼児、小児には注意すること。
2)
神経走行部位を避けること。
3)
注射針を刺入したとき、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
4)
注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
5)
本剤の投与液量及び患者の状態を考慮した上で、必要に応じて複数箇所へ分割投与すること。
2. 投与経路
点滴静注又は筋肉内注射にのみ使用すること。
3. その他
本剤は諸外国で製造・使用されている他のL-アスパラギ