での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
5.
投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
6.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
モノアミン酸化酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
発汗、不穏、全身痙れん、異常高熱、昏睡等があらわれることがある。
モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からモノアミン酸化酵素阻害剤に切り替えるときには、2~3日間の間隔をおくことが望ましい。
機序・危険因子
モノアミン酸化酵素阻害剤は本剤の代謝を阻害する。また本剤は活性アミンの交感神経終末への取り込みを抑制して、受容体の感受性を増強する。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
抗コリン作用を有する薬剤
フェノチアジン系薬剤
ブチロフェノン系薬剤等
臨床症状・措置方法
口渇、便秘、排尿困難、眼内圧亢進等があらわれることがある。
機序・危険因子
併用により抗コリン作用が増強される。
薬剤名等
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体等
臨床症状・措置方法
眠気、脱力感、倦怠感、ふらつきがあらわれることがある。
機序・危険因子
併用により中枢神経抑制作用が増強される。
薬剤名等
アルコール
臨床症状・措置方法
本剤の中枢神経抑制作用が増強することがある。
機序・危険因子
併用により中枢神経抑制作用が増強される。
薬剤名等
アドレナリン作動薬
アドレナリン
ノルアドレナリン等
臨床症状・措置方法
過度の交感神経興奮、重篤な高血圧、異常高熱等があらわれることがある。
機序・危険因子
三環系抗うつ剤は交感神経終末へのノルアドレナリンの取り込みを抑制し、作用が増強される。
薬剤名等
降圧剤
グアネチジン
ベタニジン等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の降圧作用が減弱することがある。
機序・危険因子
これらの降圧剤はノルアドレナリンの取り込み機構により、交感神経終末に取り込まれて作用を示すが、本剤は降圧剤の取り込みを抑制すると考えられる。
薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することがある。
機序・危険因子
リファンピシンの肝チトクロームP-450誘導作用により、本剤の代謝が促進する。
薬剤名等
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することがある。
機序・危険因子
機序は不明である。
薬剤名等
キニジン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがある。
機序・危険因子
キニジンの肝チトクロームP-450CYP2D6阻害作用により、本剤の代謝が抑制される。
薬剤名等
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
臨床症状・措置方法
クマリン系抗凝血剤の血中濃度半減期が延長することがある。
機序・危険因子
本剤がワルファリンの肝代謝を抑制するとの報告がある。
薬剤名等
血糖降下剤
インスリン
経口血糖降下剤
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血糖降下作用が増強することがある。
機序・危険因子
機序は不明であるが、本剤がインスリン感受性を増強するなどの報告がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認までの臨床試験491例及び市販後の調査1,930例の合計2,421例の調査で、主な副作用は口渇(14.8%)、眠気(4.4%)、便秘(3.1%)等であった。(新開発医薬品の副作用の頻度に関する調査終了時)
重大な副作用
1. てんかん発作
てんかん発作があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量又は休薬など適切な処置を行うこと。
2. 無顆粒球症
無顆粒球症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行い、異常(前駆症状として、発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合もある)が認められた場合には、投与を中止すること。
3. 麻痺性イレウス
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満又は弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので、注意すること。
重大な副作用(類薬)
1. 悪性症候群(Syndrome malin)
類似化合物(アミトリプチリン等)で、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる悪性症候群が報告されている。
2. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
類似化合物(アミトリプチリン等)で、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙れん、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることが報告されている1)。
3. 心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)
四環系抗うつ剤(マプロチリン)で心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)が報告されているので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
循環器
1%以上
血圧降下
循環器
1%未満
血圧上昇、頻脈
循環器
頻度不明
動悸、心電図異常(QT延長等)
精神神経系(注1)
1%以上
眠気、不眠、振戦等のパーキンソン症状、焦燥
精神神経系(注1)
1%未