は合成繊維素エステル(MCE)製のフィルターは使用しないこと。
3) 投与時
室温で、50mL/時間の投与速度で1時間かけて点滴静注すること。
点滴ラインは、ポリ塩化ビニル(PVC)製、ポリオレフィン製又はポリブタジエン製が望ましい。
他剤との混注はしないこと。
その他の注意
1.
再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者を対象とした非盲検無作為化比較試験において、全生存期間の部分集団解析の結果、HSCTが施行された患者集団において、対照(化学療法)群(n=33)に対する本剤群(n=77)のハザード比は1.376[97.5%信頼区間:0.729, 2.596])であった。また、HSCT施行100日後までの死亡は、本剤群で20/77例(26.0%)、対照群で2/33例(6.1%)であった。[「警告」、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「副作用」及び「高齢者への投与」の項参照]
2.
臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
3.
ラットを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量の0.2倍以上の曝露量で精子減少ならびに前立腺及び精嚢の萎縮を伴う精巣変性が認められた。また、ラット及びサルを用いた反復投与毒性試験において卵巣、子宮、腟又は乳腺の萎縮が認められた2)。
4.
マウスを用いた小核試験において本剤は染色体異常を誘発した。また、本剤から遊離する細胞毒性物質であるN-Ac-γ-カリケアマイシン ジメチルヒドラジド(DMH)は細菌を用いる復帰突然変異試験において変異原性を示した3)。
5.
本剤のがん原性試験は実施していないが、ラットを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量の0.2倍以上の曝露量で肝臓にオーバル細胞の過形成、変異細胞巣及び肝細胞腺腫が認められた。また、サルを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量の2.9倍の曝露量で1例に変異肝細胞巣が認められた4)。
薬物動態
1. 血清中濃度5)
再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者に本剤を1サイクル28日(初回サイクルのみ21日)とし、1日目は0.8mg/m2、8及び15日目は0.5mg/m2で点滴静注したとき、162例の薬物動態解析対象集団(日本人患者13例)の血清中濃度を以下に示す。
2. 分布6~8)
母集団薬物動態解析により推定された、再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者234例(日本人13例及び外国人221例)の定常状態(4サイクル目)における総分布容積は約12Lであった。
in vitro試験では、N-アセチル-γ-カリケアマイシン ジメチルヒドラジド(DMH)のヒト血漿蛋白に対する結合率は約97%である。
in vitro試験では、N-アセチル-γ-カリケアマイシンDMHは、P-糖タンパク質の基質であることが示されている。
3. 代謝9、10)
in vitro試験では、N-アセチル-γ-カリケアマイシンDMHは主に非酵素的な還元で代謝されると考えられる。N-アセチル-γ-カリケアマイシンDMHはヒト血清中にはほとんど検出されない。
再発又は難治性のCD22陽性の低悪性度非ホジキンリンパ腫患者に本剤1.8 mg/m2を1時間かけて静脈内投与注)した後の尿中には、N-アセチル-γ-カリケアマイシンDMH、N-アセチル-ε-カリケアマイシン、脱グリコシル化カリケアマイシンの四糖部分、N-アセチル-ε-カリケアマイシンの一酸化体及びN-アセチル-ε-カリケアマイシンの還元体が検出された。
注:本剤の承認用法・用量は1日目は0.8mg/m2(体表面積)、8及び15日目は0.5mg/m2(体表面積)を1日1回、1時間以上かけて点滴静脈内投与した後、休薬する。[「用法・用量」の項参照]
4. 排泄6)
母集団薬物動態解析により推定された、再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者234例(日本人13例及び外国人221例)の定常状態(4サイクル目)におけるクリアランスは0.0333L/hrであり、終末相の半減期は12.3日であった。
イノツズマブ オゾガマイシンの血清中濃度
サイクル 第1日目 の投与量(mg/m2) 測定日(日) 濃度注1、注2)(ng/mL)
n 濃度注1、注2)(ng/mL)
投与前 濃度注1、注2)(ng/mL)
n 濃度注1、注2)(ng/mL)
投与終了時
1 0.8 1 - - 128 211(110)
1 0.8 8 151 6.84(276) 126 194(117)
1 0.8 15 147 21.3(168) 117 170(46)
2 0.8 1 27 11.5(145) 27 231(43)
2 0.8 8 24 46.8(79) 0 NA
2 0.5 1 94 38.2(134) 80 222(56)
2 0.5 8 91 65.9(75) 0 NA
4 0.8 1 2 78.2, 109 1 330
4 0.8 8 2 164, 190 0 NA
4 0.5 1 42 58.2(49) 34 316(119)
4 0.5 8 36 89.3(35) 0 NA
注1:平均値(%変動係数)(n=1又は2の場合は個別値)、-:測定せず、NA:データなし
注2:濃度は1.8mg/m2投与(1サイクルを21~28日間として0.8mg/m2、0.5mg/m2及び0.5mg/m2を分割投与)したときの実測値であり、観測値が定量下限(1ng/mL)未満の場合は0ng/mLとして計算した。
臨床成績