を中止すること。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがあるので、適切な処置を行うこと。また、薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者では、厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。
5. 意識消失(頻度不明※)
意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
※:トラマドール塩酸塩カプセル・注射液又は海外で認められた副作用であるため頻度不明。
その他の副作用
1. 呼吸器
1%未満
口腔咽頭不快感、発声障害
2. 呼吸器
頻度不明※
呼吸困難、口腔咽頭痛、咽喉乾燥
3. 循環器
1%未満
血圧上昇、ほてり、血圧低下、動悸、起立性低血圧、高血圧
4. 循環器
頻度不明※
不整脈、蒼白、胸内苦悶、頻脈、徐脈
5. 血液凝固系
1%未満
好中球増加、好酸球増加、リンパ球減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少、白血球増加
6. 血液凝固系
頻度不明※
好酸球減少、ヘマトクリット減少、血小板減少
7. 精神神経系
5%以上
傾眠、浮動性めまい
8. 精神神経系
1~5%未満
頭痛、振戦、不眠症
9. 精神神経系
1%未満
譫妄、睡眠障害、感覚鈍麻、味覚異常、健忘、回転性めまい、耳鳴、悪夢、落ち着きのなさ、不安、活動性低下、異常行動、無感情、不快気分
10. 精神神経系
頻度不明※
幻覚、鎮静、体位性めまい、不随意性筋収縮、記憶障害、ジスキネジー、眼振、疲労、気分動揺、うつ病、頭重感、激越、抑うつ気分、両手のしびれ感、ふらつき感、不快感、錯感覚、協調運動異常、失神、錯乱、精神運動亢進、錯覚、言語障害
11. 消化器
5%以上
悪心、嘔吐、便秘、食欲減退
12. 消化器
1~5%未満
腹部不快感
13. 消化器
1%未満
下痢、上腹部痛、口内乾燥、口内炎、消化不良、腹痛、胃炎、口唇炎、胃食道逆流性疾患、腹部膨満感、おくび
14. 消化器
頻度不明※
口の錯感覚、胃腸音異常
15. 肝臓
1%未満
AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、LDH増加、肝機能異常、ビリルビン増加
16. 肝臓
頻度不明※
Al-P増加
17. 皮膚
1~5%未満
多汗症、そう痒症
18. 皮膚
1%未満
湿疹、発疹、全身性そう痒症、蕁麻疹、薬疹、冷汗、寝汗
19. 腎臓及び尿路系
1%未満
排尿困難、尿糖陽性、尿蛋白陽性、尿潜血陽性、クレアチニン増加、BUN増加、頻尿・夜間頻尿、尿量減少、膀胱炎
20. 腎臓及び尿路系
頻度不明※
尿閉
21. 代謝異常
1%未満
尿酸増加
22. 代謝異常
頻度不明※
トリグリセリド増加
23. その他
5%以上
口渇
24. その他
1~5%未満
倦怠感、異常感、浮腫
25. その他
1%未満
無力症、CK(CPK)増加、脱水、関節痛、四肢痛、筋骨格硬直、易刺激性、末梢性浮腫、胸部不快感、転倒、悪寒、発熱、冷感、視調節障害、心電図QT延長、体重減少
26. その他
頻度不明※
熱感、視力障害、背部痛、疼痛、霧視、散瞳
※:トラマドール塩酸塩カプセル・注射液又は海外で認められた副作用であるため頻度不明。
高齢者への投与
高齢者では、生理機能が低下していることが多く、代謝・排泄が遅延し副作用があらわれやすいので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦、新生児に対する安全性は確立されていない。また、胎盤関門を通過し、退薬症候が新生児に起こる可能性がある。なお、動物実験で、器官形成、骨化及び出生児の生存に影響を及ぼすことが報告されている。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止すること。[静脈内投与(国内未承認)の場合、0.1%が乳汁中に移行することが知られている。]
小児等への投与
1.
*12歳未満の小児には投与しないこと。[海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。]
2.
*12歳以上の小児への投与に関する安全性は確立されていない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状:
中毒による典型的な症状は、縮瞳、嘔吐、心血管虚脱、昏睡に至る意識障害、痙攣、呼吸停止に至る呼吸抑制等が報告されている。
処置:
緊急処置として、気道を確保し、症状に応じた呼吸管理と循環の管理を行うこと。本剤摂取後2時間以内の場合、胃内容物の吸引、胃洗浄あるいは活性炭投与等の処置が有効である。また、呼吸抑制に対してはナロキソンの投与、痙攣に対してはジアゼパムの静脈内投与を行うこと(ナロキソンは動物実験で痙攣を増悪させるとの報告がある)。本剤は透析によってはほとんど除去されず、急性中毒に対して、解毒のための血液透析、あるいは血液濾過のみの治療は不適切である。
適用上の注意
1. 薬剤交付時:
(1)
本剤の投与にあたっては、具体的な服用方法、服用時の注意点、保管方法等を十分に説明し、本剤の目的以外への使用をしないように指導するとともに、本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。
(2)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
2.
*有効成分放出後の基剤(抜け殻)が糞便中に排泄されることがある。
その他の注意
*遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra-rapid Metabolizer)では、トラマドールの活性代謝物の血中濃度が上昇し、呼吸抑制等の副作用が発現しやすくなるおそれがある。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 健康成人
1)
健康成人