(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
構音障害、運動失調、意識障害等のフェニトイン中毒があらわれることがある。
機序・危険因子
機序は不明であるがフルオロウラシルがフェニトインの血中濃度を上昇させる。
2. 薬剤名等
ワルファリンカリウム
臨床症状・措置方法
フルオロウラシルがワルファリンカリウムの作用を増強させることがあるので、凝固能の変動に注意すること。
機序・危険因子
機序は不明である。
3. 薬剤名等
他の化学療法、放射線治療
臨床症状・措置方法
血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
副作用が相互に増強される。
4. 薬剤名等
葉酸代謝拮抗剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム等)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用が減弱することがある。
機序・危険因子
ホリナートによって葉酸代謝拮抗作用が減弱するためと考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. 激しい下痢
頻度不明
激しい下痢があらわれ、脱水症状にまで至ることがあるので、観察を十分に行い、下痢があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
2. 重篤な腸炎
頻度不明
出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 骨髄抑制
頻度不明
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少等の骨髄抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
4. ショック、アナフィラキシー
頻度不明
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5. 白質脳症、精神・神経障害
頻度不明
白質脳症(初期症状:歩行時のふらつき、四肢末端のしびれ感、舌のもつれ等)、また、錐体外路症状、言語障害、運動失調、眼振、意識障害、痙攣、顔面麻痺、見当識障害、せん妄、記憶力低下、自発性低下、尿失禁等の精神神経症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
6. うっ血性心不全、心筋梗塞、安静狭心症
頻度不明
うっ血性心不全、心筋梗塞、安静狭心症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
7. 肝機能障害、黄疸
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれ、肝不全に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
8. 急性腎不全
頻度不明
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9. 間質性肺炎
頻度不明
間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
10. 消化管潰瘍、重篤な口内炎
頻度不明
消化管潰瘍、重篤な口内炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11. 手足症候群
頻度不明
手足症候群(手掌、足蹠の紅斑、疼痛性発赤腫脹、知覚過敏等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12. 播種性血管内凝固症候群(DIC)
頻度不明
播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うこと。症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
13. 嗅覚脱失
頻度不明
嗅覚障害(長期投与症例に多い)があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
14. 高アンモニア血症
頻度不明
意識障害を伴う高アンモニア血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
15. 急性膵炎
頻度不明
急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
16. **劇症肝炎、肝硬変、心室性頻拍、ネフローゼ症候群、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、溶血性貧血
頻度不明
フルオロウラシルの類似化合物(テガフール等)で劇症肝炎、肝硬変、心室性頻拍、ネフローゼ症候群、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、溶血性貧血があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
1. 消化器注1)
頻度不明
胸やけ、食欲不振、悪心・嘔吐、味覚異常、腹痛、心窩部痛、口渇、便秘、歯肉炎、口唇炎・口角炎、舌炎、腹部膨満感、下血
2. 肝臓
頻度不明
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇、AL-P上昇、LDH上昇
3. 腎臓
頻度不明
クレアチニンクリアランス低下、BUN上