.
消化管出血等の出血が認められている患者[出血が増強されるおそれがある。]
3.
出血素因や凝固系異常のある患者又は抗凝固剤を投与している患者[出血があらわれるおそれがある。]
4.
高血圧症の患者[高血圧が悪化するおそれがある。]
5.
血栓塞栓症又はその既往歴のある患者[心筋梗塞、脳血管障害、肺塞栓症等があらわれるおそれがある。]
6.
大きな手術の術創が治癒していない患者[創傷治癒遅延による合併症があらわれるおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
高血圧があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧を測定すること。高血圧が認められた場合には、降圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
2.
ネフローゼ症候群、蛋白尿があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を検査すること。
3.
好中球減少症、発熱性好中球減少症があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を行うこと。
4.
創傷治癒を遅らせる可能性があるので、手術を予定している場合には手術の前に本剤の投与を中断すること。手術後の投与再開は、患者の状態に応じて判断すること。
副作用
副作用等発現状況の概要
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者を対象に、イリノテカン塩酸塩水和物・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(FOLFIRI)と本剤を併用投与した国内第II相臨床試験の安全性評価対象例62例中62例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は好中球減少症48例(77.4%)、食欲減退46例(74.2%)、下痢42例(67.7%)、疲労38例(61.3%)、悪心36例(58.1%)等であった。(承認時)
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者を対象に、FOLFIRIと本剤を併用投与した海外第III相臨床試験の安全性評価対象例611例中584例(95.6%)に副作用が認められた。主な副作用は下痢383例(62.7%)、悪心295例(48.3%)、口内炎286例(46.8%)、疲労254例(41.6%)、好中球減少症239例(39.1%)等であった。(承認時)
副作用の発現頻度は国内第II相臨床試験における副作用の集計に基づく。なお、当該試験で認められていない副作用については頻度不明とした。
重大な副作用
1. 出血(46.8%)
消化管出血(6.5%)、血尿(頻度不明)、術後出血(頻度不明)、鼻出血(40.3%)、頭蓋内出血(頻度不明)、肺出血(頻度不明)、喀血(頻度不明)等があらわれることがあり、死亡に至る例も報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 消化管穿孔(頻度不明)
消化管穿孔があらわれることがあり、死亡に至る例も報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 瘻孔(3.2%)
瘻孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 高血圧(45.2%)、高血圧クリーゼ(頻度不明)
高血圧があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。また、高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、血圧の推移等に十分注意して投与すること。高血圧クリーゼが認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照]
5. ネフローゼ症候群(頻度不明)、蛋白尿(30.6%)
ネフローゼ症候群、蛋白尿があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等、適切な処置を行うこと。[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照]
6. 好中球減少症(77.4%)、発熱性好中球減少症(8.1%)
好中球減少症、発熱性好中球減少症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤を休薬する等、適切な処置を行うこと。[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照]
7. 重度の下痢(19.4%注))
重度の下痢があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
8. Infusion reaction(16.1%)
気管支痙攣、呼吸困難、血管浮腫及びアナフィラキシー等のinfusion reactionがあらわれることがあるので、本剤投与期間中は観察を十分に行い、重度のinfusion reactionが認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照]
9. 創傷治癒遅延(頻度不明)
創離開、縫合不全(いずれも頻度不明)等の創傷治癒遅延による合併症があらわれることがあるので、創傷治癒遅延による合併症が認められた場合には創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10. 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明)
可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣発作、頭痛、精神状態変化、視覚障害等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11. 動脈血栓塞栓症(頻度不明)
一過性脳虚血発作、脳血管発作、狭心症、心臓内血栓、心筋梗塞、動脈塞栓症(いずれも頻度不明)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12. 静脈血栓塞栓症(1.6%)
深部静脈血栓症、肺塞栓症(いずれも頻度不明)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
13. 血栓性微小血管症(3.2%)
血栓性微小血管症があらわれることがあるので、定期的に検査を行う等観察を十分に行い、破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重大な副作用の注意
注)臨床試験で認められたGrade3以上の副作用の頻度を記載した。
その他の副作用
1. 血液
5%以上
血小板減少症
2. 血液
5%未満
白血球減少症
3. 神経系障害
5%以上
頭痛
4. 呼吸器
5%以上
発声障害
5. 呼吸器
5%未満
口腔咽頭痛、鼻漏
6. 消化器
5