点眼後の最高血漿中カルテオロール濃度(平均値±標準偏差)はそれぞれ1.76±0.86ng/mL及び2.94±1.48ng/mLであった3)。
2. 薬物の肝酸化型代謝に関与するチトクロームP450分子種
主としてCYP2D64)
臨床成績
眼圧下降作用
(1) 国内での成績
1) 本剤1%
国内27施設で高眼圧患者(原発開放隅角緑内障、高眼圧症)146例を対象として実施した第III相試験において、本剤1%(1回1滴、1日1回、8週間点眼)の眼圧下降効果は、ミケラン点眼液1%(1回1滴、1日2回、8週間点眼)と同等であった(図1、表1)5)。
図1 本剤1%の眼圧推移 午前9時~午前11時(点眼前);平均値±標準誤差
2) 本剤2%
国内7施設で高眼圧患者(原発開放隅角緑内障、高眼圧症)120例を対象として実施した第IV相試験において、本剤2%(1回1滴、1日1回、8週間点眼)の眼圧下降効果は、ミケラン点眼液2%(1回1滴、1日2回、8週間点眼)と同程度であった(図2、表2)2)。
図2 本剤2%の眼圧推移 午前9時~午前11時(点眼前);平均値±標準偏差
(2) 外国での成績(参考)
1) 本剤1%
高眼圧患者(原発開放隅角緑内障、高眼圧症)151例を対象として実施した多施設共同二重盲検比較試験において、本剤1%(1回1滴、1日1回、60日間点眼)の眼圧下降効果はミケラン点眼液1%(1回1滴、1日2回、60日間点眼)と同等であった(図3、表3)。
図3 本剤1%の眼圧推移 午前9時(点眼前);平均値±標準偏差
2) 本剤2%
高眼圧患者(原発開放隅角緑内障、高眼圧症)236例を対象として実施した多施設共同二重盲検比較試験において、本剤2%(1回1滴、1日1回、60日間点眼)の眼圧下降効果はミケラン点眼液2%(1回1滴、1日2回、60日間点眼)と同等であった。また、120日間にわたって安定した眼圧下降作用が認められた(図4、表4)6)。
図4 本剤2%の眼圧推移 午前9時(点眼前);平均値±標準偏差
臨床成績の表
表1 点眼8週後の眼圧下降度 午前9時~午前11時(点眼前);有効性解析対象症例
製剤 症例数 眼圧下降度(mmHg) 差 95%信頼区間
本剤1% 70 -4.6±0.3 0.09 [-0.67、0.85]
ミケラン点眼液1% 65 -4.6±0.2 0.09 [-0.67、0.85]
眼圧下降度:平均値±標準誤差、差:平均値(症例数は点眼8週後の症例数を示す。)
表2 点眼8週後の眼圧下降度 午前9時~午前11時(点眼前);試験実施計画書適合対象集団
製剤 症例数 眼圧下降度(mmHg) 差 95%信頼区間
本剤2% 58 -4.7±1.9 0.5 [-0.2、1.1]
ミケラン点眼液2% 60 -5.2±1.8 0.5 [-0.2、1.1]
眼圧下降度:平均値±標準偏差、差:平均値(症例数は点眼8週後の症例数を示す。)
表3 点眼60日後の眼圧下降度 午前9時(点眼前);ITT解析対象症例
製剤 症例数 眼圧下降度(mmHg) 差 95%信頼区間
本剤1% 74 -6.32±2.87 -0.65 [-1.66、0.34]
ミケラン点眼液1% 75 -5.67±3.30 -0.65 [-1.66、0.34]
眼圧下降度:平均値±標準偏差、差:平均値(症例数は点眼60日後の症例数を示す。)
ITT:Intent-to-treat
表4 点眼60日後の眼圧下降度 午前9時(点眼前);ITT解析対象症例
製剤 症例数 眼圧下降度(mmHg) 差 95%信頼区間
本剤2% 117 -6.09±3.18 0.004 [-0.80、0.81]
ミケラン点眼液2% 111 -6.09±2.97 0.004 [-0.80、0.81]
眼圧下降度:平均値±標準偏差、差:平均値(症例数は点眼60日後の症例数を示す。)
ITT:Intent-to-treat
薬効薬理
1. ※※眼圧下降作用
・白色及び有色ウサギの水負荷高眼圧モデルを用いた検討において、本剤の眼圧上昇抑制の持続性が認められた7)。
・ウサギにカルテオロール塩酸塩0.25~2%液を点眼した場合、用量依存的で持続的な眼圧下降が認められている8)。
・ウサギの水負荷眼圧上昇試験において、カルテオロール塩酸塩0.1~2%液点眼により眼圧上昇の有意な抑制が認められている8)。
・ビーグル犬にカルテオロール塩酸塩1~4%液を1回0.1mL、1日2回、連続8週間点眼しても眼圧下降作用の減弱は認められていない8)。
2. アドレナリン性β受容体遮断作用
カルテオロール塩酸塩は内因性交感神経刺激様作用を有するβ受容体遮断薬である9)。
3. 眼圧下降作用の機序10,11)
健康成人におけるフルオロフォトメトリー試験の結果、並びに緑内障及び高眼圧症患者におけるトノグラフィー試験の結果から、カルテオロール塩酸塩は房水産生の抑制により眼圧を下降させるものと推察されている。
4. ※※眼底血流増加作用
健康成人にカルテオロール塩酸塩持続性点眼液2%を1回点眼し、レーザースペックル法により視神経乳頭での組織血流量を測定したところ、視神経乳頭近傍上耳側網脈絡膜において組織血流の指標となるMean blur rate(MBR)値の有意な増加が認められている12)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
カルテオロール塩酸塩〔Carteolol Hydrochloride (JAN)〕
化学名
5-[(2RS)-3-(1,1-Dimethyleth