週間投与しても本薬投与による腫瘍発生の増加はみられなかったとの報告がある。
薬物動態
〈日本人における成績〉
血中濃度
1. 単回投与1)
本剤200、600、800、1000mg注6)を健康成人男性6名ずつに単回経口投与したときの血漿中リバビリン濃度は投与量に従って高くなった。投与後0.5~3時間(範囲)で最高値をとり、その後3相性の消失を示した。また、暴露量は用量増加に依存して増加する傾向が認められた。
(表1)
リバビリン投与後48時間までの累積尿中排泄率の中央値は200、600、800、1000mg注6)投与量群でそれぞれ13.5%、10.1%、7.23%、7.86%で全被験者では8.97%であった。
2. 反復投与2,3)
C型慢性肝炎患者(21名)にペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)[以後PEG-IFN]と併用して、体重に基づいて定められた用法・用量(600~1000mg/日#1),注6))にて本剤を投与した際、投与後12週時には血漿中濃度は定常状態に達していた。(#1)400mg/日に減量した2例を含む)
なお、C型代償性肝硬変患者の薬物動態は、C型慢性肝炎患者のものと同様であった。
(表2)
3. PEG-IFNに対する薬物相互作用2)
C型慢性肝炎患者36例(本剤とPEG-IFN併用投与群、PEG-IFN単独投与群各18例)においてPEG-IFNと本剤の薬物相互作用を検討したところ、投与後12週時のCmax及びAUC0-168hは両群で類似しており本剤の併用はPEG-IFNの薬物動態に影響を及ぼさないと考えられた。
(表3)
〈外国人における成績(参考)〉
1. 食事の影響4)
本剤の単回経口投与後のバイオアベイラビリティは、高脂肪食を同時に摂取した場合に上昇した。本剤を高脂肪食とともに投与した場合は、絶食時に投与した場合と比較すると、吸収は遅くなり(tmaxが2倍)、AUC0-192h及びCmaxはそれぞれ42%及び66%上昇した。
2. チトクロムP450への影響(in vitro)5)
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験系において、CYP1A2、CYP2A6、CYP2C9、CYP2D6、CYP2C19、CYP2E1及びCYP3A4の各基質の代謝に対するリバビリンの阻害能を検討したところ、これらCYP450分子種の各基質代謝に対して阻害はほとんど認められなかった。
(参考)動物実験の結果
1. 分布
(1) 血漿蛋白結合6)
14C-リバビリンのヒト血漿蛋白への結合はほとんど認められなかった(in vitro)。
(2) 組織内分布7)
雄ラットに14C-リバビリン20mg/kgを単回経口投与した時、放射能は各組織に速やかに分布し、多くの組織で血液中放射能濃度を超える濃度を示した。高い濃度の放射能移行が認められた主な組織は消化管を除くと、肝臓、腎臓、心筋及び膵臓であった。放射能は精巣、小脳、大脳、脊髄にも少量認められた。
(3) 胎盤・胎児移行8)
妊娠13及び18日目のラットに14C-リバビリン20mg/kgを経口投与した時、胎児への放射能の移行が認められた。
2. 排泄
乳汁中移行7)
分娩後12日の授乳ラットに14C-リバビリン20mg/kgを単回経口投与した時、放射能(本薬及び代謝物)の乳汁中への移行が認められた。血漿中放射能は投与後1時間で最大濃度に達したが、乳汁中への放射能の移行はやや遅れ、投与後1時間では血漿中濃度の約1/2の濃度であり、投与後8時間で最大濃度に達した後、速やかに消失した。
薬物動態の表
表1 健康成人男性における薬物動態パラメータ(中央値)
投与量
(mg) tmax
(hr) Cmax
(ng/mL) AUC0-192h
(ng・hr/mL) t1/2
(hr) CL/F
(L/hr) Vd/F
(L)
200 1.00 543 7220 118 21.6 3450
600 1.00 949 16000 136 28.2 4880
800注6) 1.50 1010 17100 85.4 36.9 5310
1000注6) 3.00 1180 23300 122 33.3 5330
表2 C型慢性肝炎患者における投与後12週時の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ(n=21)
tmax(hr) 2.96±1.89
Cmax(ng/mL) 2710±989
AUC0-12h(ng・hr/mL) 25800±9260#2)
(平均値±標準偏差) #2)解析対象例数は14例であった。
注6)本剤の承認された1回用量は、200~600mgである。
表3 リバビリンとPEG-IFN併用投与群、PEG-IFN単独投与群におけるPEG-IFNの薬物動態パラメータ
リバビリン+PEG-IFN併用投与群 PEG-IFN単独投与群
n=18 n=18
tmax(hr) 73.6±58.5 69.2±34.8
Cmax(ng/mL) 30.5±16.0 30.7±14.2
AUC0-168h(ng・hr/mL) 4080±1860 4220±1880
(平均±標準偏差)
臨床成績
<ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用での成績>
C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
ジェノタイプ1bでインターフェロン未治療のC型慢性肝炎患者を対象に、本剤とPEG-IFNの48週間併用投与群とPEG-IFN48週間単独投与群の比較試験2)を実施した。その結果、高ウイルス量(血中HCV-RNA 100KIU/mL以上)症例に対する投与終了後24週時のHCV-RNA陰性化率(ウイルス学的効果)は、PEG-IFN単独投与群で24.0%(23/96)であったのに対し、本剤とPE