におけるウイルス血症の改善への本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与24週で効果が認められない場合には投与の中止を考慮すること。
3.
ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による臨床試験の結果より、投与中止例では有効率が低下するため、減量・休薬などの処置により、可能な限り48週間投与することが望ましい。ただし、C型慢性肝炎において、セログループ1(ジェノタイプI(1a)又はII(1b))でHCV-RNA量が高値の患者以外に対しては、患者の状態や治療への反応性に応じて24週間で投与終了するなど投与期間の短縮も考慮すること。
4.
ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)と併用する場合、本剤の投与は、下表の臨床検査値を確認してから開始すること。
C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
5.
ソホスブビルと併用する場合の投与開始時の臨床検査値基準、投与期間、ソホスブビルの用法・用量は、ソホスブビルの添付文書を確認すること。
6.
本剤投与中は、定期的に血液学的検査を実施し、好中球数、血小板数、ヘモグロビン量の減少が発現した場合には、下表を参考にして用量を調整すること。
なお、投与を再開する場合には、臨床検査値が下表の中止基準を上回ったことを確認すること。また、血小板数の減少による投与中止後の本剤の再開は、下表を参考にすること。
C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
アレルギー素因のある患者
2.
心疾患のある患者又はその既往歴のある患者[貧血により心疾患が悪化することがある。]
3.
腎機能障害のある患者[より重篤な障害に至ることがある。]
4.
高血圧症の患者[脳出血があらわれることがある。]
5.
中枢・精神神経障害のある患者又はその既往歴のある患者[中枢・精神神経障害が増悪することがある。]
6.
骨髄機能抑制のある患者[重度の白血球減少、血小板減少を起こすことがあり、感染症や出血傾向を合併しやすい(「重大な副作用」の項参照)。]
7.
糖尿病の患者又はその既往歴、家族歴のある患者、耐糖能障害のある患者[糖尿病が増悪又は発症しやすい。]
8.
自己免疫疾患の患者又はその素因のある患者[疾患が増悪又は顕性化することがある(「重大な副作用」の項参照)。]
9.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
10.
体重50kg未満の患者[ヘモグロビン減少や血小板減少等の副作用が発現しやすいので、観察を十分に行うこと。]
重要な基本的注意
1.
ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)と併用する場合には、ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)の添付文書の「使用上の注意」を必ず確認すること。
2.
抗HCV剤と併用する場合には、抗HCV剤の添付文書の「使用上の注意」を必ず確認すること。
3.
本剤によるC型代償性肝硬変患者に対する治療は、ウイルス血症の改善を目的としたものであり、ウイルス学的効果が得られた場合であっても、肝硬変が治癒するものではないため、肝硬変に対する適切な処置は継続すること。また、C型代償性肝硬変においては、C型慢性肝炎と比べ、血球系の減少が多く発現するおそれがあるので、十分注意すること。
4.
妊娠する可能性のある女性患者及びパートナーが妊娠する可能性のある男性患者は、投与中及び投与終了後6カ月間は信頼できる避妊法を用いるなどして妊娠を避けること。また、投与直前の妊娠検査結果が陰性であることを確認後に投与を開始すること。なお、妊娠していないことを確認するために、妊娠検査を毎月1回実施すること(【警告】及び【禁忌】の項参照)。
5.
精液中への本剤の移行が否定できないことから、パートナーが妊娠している男性患者には、その危険性を患者に十分理解させ、投与中及び投与終了後6カ月間は本剤が子宮内へ移行しないようにコンドームを使用するよう指導すること(【警告】及び「その他の注意」の項参照)。
6.
本剤を長期投与する場合には、臨床効果及び副作用の程度を考慮して投与を行い、効果が認められない場合には投与を中止すること。なお、48週を超えて本剤を投与した場合の有効性・安全性は確立していない。
7.
本剤の投与により、貧血(溶血性貧血等)を起こす可能性があることから、患者に対し貧血に関連する副作用(めまい等)の発現の可能性について十分説明すること。また、定期的に臨床検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
8.
抑うつ、自殺企図があらわれることがある。また、躁状態、攻撃的行動があらわれ、他害行為に至ることがある。患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討すること。また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続することが望ましい。
9.
抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。
10.
高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
ジダノシン
臨床症状・措置方法
乳酸アシドーシス等のジダノシンの副作用を増強するおそれがある。
機序・危険因子
in vitroにおいて、本剤はプリンヌクレオシドのリン酸化を促進する。
2. 薬剤名等
スタブジン
ジドブジン
臨床症状・措置方法
本剤は、スタブジン及びジドブジンの効果を減弱する可能性がある。併用する場合には、血漿中HIV-RNA量を観察することが望ましい。HIV-RNA量が上昇した場合には、本剤の中止等適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
in vitroにおいて、本剤はスタブジン、ジドブジンのリン酸化を阻害する。
3. 薬剤名等
アザチオプリン
臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制が起こるおそれがある。併用する場合には、定期的に血液検査