アチニンクリアランス
注1:中央値(90%予測範囲),母集団薬物動態解析パラメータ(NONMEM(R)を用いて推定)によるシミュレーション結果
*臨床成績
1. 成人
承認時における臨床試験での有効性評価対象例は734例であり,有効率は93.2%(684例)であった11)。
表6 臨床成績参照
重症・難治性感染症患者を対象とした1回1.0g(力価)1日3回投与による臨床試験で登録された101例のうち,本剤1回1.0g(力価)1日3回投与が必要となる重症・難治性感染症患者で,かつ本剤単独での有効性評価が可能な症例を選択した結果,有効性評価対象例は73例となり,有効率は75.3%(55例)であった12),13)。
表7 臨床成績〔1回1.0g(力価)1日3回投与〕参照
2. 小児
承認時における臨床試験での有効性評価対象例は100例であり,有効率は97.0%(97例)であった7),14)。
表8 臨床成績参照
臨床成績の表
表6 臨床成績
疾患名 有効例数/有効性評価対象例数 有効率(%)
敗血症,感染性心内膜炎 11/11 100
深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎 19/19 100
外科領域感染症
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 20/22 90.9
整形外科領域感染症
骨髄炎,関節炎 6/6 -
呼吸器感染症
咽頭・喉頭炎,扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍を含む),肺炎,肺膿瘍,膿胸,慢性呼吸器病変の二次感染 299/326 91.7
尿路感染症
複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性症,慢性症),精巣上体炎(副睾丸炎) 198/209 94.7
腹腔内感染症
腹膜炎,腹腔内膿瘍 33/35 94.3
肝・胆道感染症
胆嚢炎,胆管炎,肝膿瘍 22/24 91.7
産婦人科領域感染症
子宮内感染,子宮付属器炎,子宮旁結合織炎 32/37 86.5
眼科領域感染症
眼窩感染,角膜炎(角膜潰瘍を含む),眼内炎(全眼球炎を含む) 15/15 100
耳鼻科領域感染症
中耳炎 5/6 -
歯科・口腔外科領域感染症
顎骨周辺の蜂巣炎,顎炎 24/24 100
表7 臨床成績〔1回1.0g(力価)1日3回投与〕
疾患名 有効例数/有効性評価対象例数 有効率(%)
敗血症 27/39 69.2
肺炎 15/19 78.9
腹膜炎,腹腔内膿瘍 12/14 85.7
手術創の二次感染 1/1 -
表8 臨床成績
疾患名 有効例数/有効性評価対象例数 有効率(%)
敗血症 5/5 -
リンパ管・リンパ節炎 2/2 -
呼吸器感染症
咽頭・喉頭炎,扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍を含む),肺炎 61/63 96.8
尿路感染症
腎盂腎炎 11/11 100
化膿性髄膜炎 6/6注1 -
耳鼻科領域感染症
中耳炎 8/8 -
歯科・口腔外科領域感染症
顎骨周辺の蜂巣炎 4/5 -
注1:本剤単剤での評価が可能であった症例は6例中2例であり,他の4例はセフェム系抗生物質との併用療法での評価症例である。
薬効薬理
1. 薬理作用
好気性のグラム陽性菌,グラム陰性菌及び嫌気性菌に対して,幅広い抗菌スペクトルを有し,特に緑膿菌に対しては既存のカルバペネム系抗生物質に比べ強い抗菌力を有する15)。
2. 作用機序
細菌の細胞壁合成酵素であるペニシリン結合蛋白(PBP)に結合し,細菌の細胞壁合成阻害により抗菌作用を発揮し,その作用は殺菌的である。
黄色ブドウ球菌ではPBP1に,緑膿菌ではPBP2,3に,大腸菌ではPBP2に高い結合親和性を示した15)。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:ドリペネム水和物(JAN)
Doripenem Hydrate
略号:DRPM
化学名:(+)-(4R,5S,6S)-6-[(1R)-1-Hydroxyethyl]-4-methyl-7-oxo-3-[[(3S,5S)-5-[(sulfamoylamino)methyl]-3-pyrrolidinyl]thio]-1-azabicyclo[3.2.0]hept-2-ene-2-carboxylic acid monohydrate
分子式:C15H24N4O6S2・H2O
分子量:438.52
化学構造式:
性状:白色~微黄褐白色の結晶性の粉末である。
水にやや溶けにくく,メタノールに溶けにくく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
融点:明確な融点を示さない。(140℃以上で徐々に着色する。)
分配係数:0.002[1-オクタノール/水]
取扱い上の注意
1. キット製品では,下記の点に注意すること。
(1) 製品の品質を保持するため,本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。
(2) 次の場合には使用しないこと。
1) 外袋が破損しているときや溶解液が漏出しているとき。
2) 隔壁の開通前に薬剤が溶解しているとき。
3) 薬剤が変色しているときや,薬剤溶解前に溶解液が着色しているとき。
(3) 容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
2. 生理食塩液溶解時の安定性
0.25g製剤1瓶及び1キットを生理食塩液100mLに溶解したときの含量を表9に示す。
3. 主な輸液製剤との配合変化
0.25g製剤1瓶を主な輸