)部分を手で押して隔壁を開通させ,更に溶解液部分を繰り返し押して薬剤を完全に溶解する。
(詳しい溶解方法については,キット製品の外袋及びカバーシートに記載の溶解操作方法を参照のこと。)
2. 高度の腎障害のある患者では,投与量を減らすか,投与間隔をあけるなど患者の状態を十分に観察し,慎重に投与すること。
腎機能障害患者への投与に際しては,下表を目安に投与量を調節すること。[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]
3. 本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
4. 本剤の使用に際しては,投与開始後3日を目安として更に継続投与が必要か判定し,投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。
**,*使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1. ドリペネムに関する注意
(1) カルバペネム系,ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2) 本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
(3) 高度の腎障害のある患者[血中からの消失が遅延する。また,痙攣,意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。(「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重大な副作用」及び「薬物動態」の項参照)]
(4) 肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
(5) 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者,全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
(6) 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
(7) てんかんの既往歴あるいは中枢神経障害を有する患者[痙攣,意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。(「重大な副作用」の項参照)]
2. 生理食塩液に関する注意
(1) 心臓,循環器系機能障害のある患者[ナトリウムの負荷及び循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ,症状が悪化するおそれがある。]
(2) 腎障害のある患者[水分,塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく,症状が悪化するおそれがある。]
重要な基本的注意
1. 本剤によるショック,アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること。
(1) 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2) 投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3) 投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に,投与開始直後は注意深く観察すること。
2. 発疹等の副作用の発現には特に注意し,症状が発現した時には,他剤に切り替えるなど適切な処置を講じること。なお,継続使用にあたっても,引き続き副作用症状に注意すること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
バルプロ酸ナトリウム
デパケン,バレリン,ハイセレニン等
臨床症状・措置方法
バルプロ酸の血中濃度が低下し,てんかんの発作が再発するおそれがある。
機序・危険因子
機序は不明
副作用
副作用等発現状況の概要
<成人>
承認時における安全性評価対象例835例中,副作用は37例(4.4%)に認められた。主なものは,下痢6例(0.7%),発疹5例(0.6%)であった。また,臨床検査値の異常変動は,検査を実施した安全性評価対象例818例中,195例(23.8%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇102例/806例(12.7%),AST(GOT)上昇78例/807例(9.7%)であった。
重症・難治性感染症患者を対象とした1回1.0g(力価)1日3回投与による臨床試験の安全性評価対象例101例中,臨床検査値異常を含む副作用は42例(41.6%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇14例(13.9%),AST(GOT)上昇13例(12.9%),γ-GTP上昇9例(8.9%),下痢9例(8.9%),Al-P上昇7例(6.9%)であった。
<小児>
承認時における安全性評価対象例107例中,臨床検査値異常を含む副作用は30例(28.0%)に認められた。主なものは,下痢14例(13.1%),血小板増多6例(5.6%),ALT(GPT)上昇6例(5.6%)であった。
重大な副作用
1. ショック,アナフィラキシー(頻度不明):ショック,アナフィラキシーを起こすことがあるので,観察を十分に行い,不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴,発汗等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2. 偽膜性大腸炎(0.1~1%):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので,腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3. 肝機能障害,黄疸(頻度不明):肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4. 急性腎不全(頻度不明):急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
5. 汎血球減少症,無顆粒球症,白血球減少,血小板減少(頻度不明):汎血球減少症,無顆粒球症,白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
6. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
7. 間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発熱,咳嗽,呼吸困難等の異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し,間質性肺炎が疑われる場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
8. 痙攣,意識障害(頻度不明):痙攣,意識障害等の中枢神経症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。特に腎障害や,脳血管障害等の中枢神経障害のある患者に起こりやすいので,投与する場合には注意すること。
重大な副作用(類薬)
1. 溶血性貧血:他のカルバペネム系抗生物質で,溶血性貧血があらわれることが報告されているので,定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常 |