sp; 15.6±1.14
平均値は算術平均値
最高濃度到達時間(tmax)は中央値(最小、最大)として示した。
腎機能別クレアチニンクリアランス(CLcr)実測値 正常:83~145mL/min、軽症:57~74mL/min、中等症:33~46mL/min、重症:17~29mL/min
表6 **腎機能障害患者に投与する際の開始用量の目安
腎機能
(クレアチニンクリアランス:CLcr) 用法・用量 用法・用量 用法・用量
多発性骨髄腫 5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群 再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫
中等症腎機能障害
30≦CLcr<60mL/min 本剤10mgを1日1回投与で開始し、2サイクル終了後忍容可能な場合は15mgに増量できる。 本剤5mgを1日1回投与 本剤10mgを1日1回投与で開始し、投与開始56日経過後忍容可能な場合は15mgに増量できる。
重症腎機能障害(透析不要)
CLcr<30mL/min 本剤15mgを2日に1回投与 本剤5mgを2日に1回投与 本剤15mgを2日に1回投与
重症腎機能障害(透析必要)
CLcr<30mL/min 本剤5mgを1日1回投与
(透析日は透析後に投与) 本剤5mgを週3回投与
(透析日は透析後に投与) 本剤5mgを1日1回投与
(透析日は透析後に投与)
用法・用量はシミュレーションに基づき算出
臨床成績
未治療の多発性骨髄腫
<国内臨床試験成績10)> 65歳以上又は造血幹細胞移植の適応とならない日本人の未治療の多発性骨髄腫患者を対象とした国内第II相試験(MM-025試験)を実施し、本剤25mg注3)+デキサメタゾン40mg注4)併用療法(Ld療法)の有効性を検討した。その結果、奏効率は83.3%[95%信頼区間:68.4,98.2](最良部分寛解3/24例、部分寛解17/24例)であった。
<外国臨床試験成績11)> 65歳以上又は造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者を対象とした第III相試験(MM-020試験)を実施し、本剤25mg注3)+デキサメタゾン40mg注4)併用療法(Ld療法)を病勢進行まで投与したLd群、Ld療法を18サイクル(72週、1サイクル:28日)投与したLd18群及びメルファラン0.25mg/kg、プレドニゾン2mg/kg、サリドマイド200mgの併用療法を12サイクル(72週、1サイクル:42日)投与したMPT群の3群による有効性を検討した。その結果、Ld群ではMPT群に比べて主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が認められた。なお、副次評価項目である全生存期間(OS)の中間解析結果では、有意な延長は認められていない。(表7参照)
注3)本剤の用法・用量は28日を1サイクルとし、1日1回25mgを21日間経口投与する。なお、症状に応じ適宜減量する。
国内及び外国臨床試験では、本剤を投与される全ての患者に対して、本剤の投与開始時から抗血栓薬又は抗凝固薬を投与する規定であった。
注4)デキサメタゾンの用法・用量は28日を1サイクルとし、デキサメタゾン40mg(>75歳の患者では20mg)を1日1回、1、8、15、22日目に経口投与する。
再発又は難治性の多発性骨髄腫
<外国臨床試験成績12)> 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした第III相二重盲検比較試験(MM-009試験)を実施し、本剤25mg注5)+デキサメタゾン40mg注6)併用療法の有効性をデキサメタゾン40mg注6)単独療法と比較した。その結果、本剤+デキサメタゾン群では、無増悪期間(TTP)、OSのいずれの評価に対しても、デキサメタゾン単独群と比べて有意に延長効果が認められた。(表8参照)
注5)本剤の用法・用量は28日を1サイクルとし、1日1回25mgを21日間経口投与する。なお、症状に応じ適宜減量する。
注6)デキサメタゾンの用法・用量は28日を1サイクルとし、デキサメタゾン40mgを1日1回、1~4日、9~12日、17~20日目に経口投与する。これを4サイクル繰り返す。5サイクル目以降は、デキサメタゾンとして40mgを1日1回、各サイクルの1~4日目に経口投与する。なお、症状に応じ適宜減量する。
5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群
<外国臨床試験成績13)> 5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群患者を対象注7)とした外国第III相試験(MDS-004試験)を実施し、赤血球輸血依存からの離脱注8)を評価した。その結果、プラセボ群の51例中3例(5.9%)、5mg群の46例中19例(41.3%)、10mg群の41例中23例(56.1%)が赤血球輸血依存からの離脱に成功した。5mg群、10mg群で赤血球輸血依存から離脱した患者の割合はプラセボ群での割合と比べて有意に高かった。(表9参照)
注7)MDS-004試験対象患者の詳細
・5番染色体長腕部q31欠失の細胞遺伝学的異常を有する(他の付加的細胞遺伝学的異常の有無は問わない)
・IPSS分類で低リスク又は中間-1リスク
・赤血球輸血依存性貧血を伴う〔過去112日間(16週間)で、赤血球輸血していない最長期間が56日未満〕
・骨髄異形成症候群の診断はFAB分類で実施
・白血球数12,000/μL以上の慢性骨髄単球性白血病患者は対象外
注8)連続182日(26週)以上赤血球輸血を必要とせず、最大ヘモグロビン濃度がベースライン値に比べて1g/dL以上増加
**再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫
<国内臨床試験成績14)> 化学療法歴を有する再発又は再燃の日本人成人T細胞白血病リンパ腫患者を対象注9)とした国内第II相試験(ATLL-002試験)を実施し、本剤25mgを連日経口投与したときの有効性を検討した。その結果、奏効率は42.3%[95%信頼区間:23.4%,63.1%](完全奏効4/26例、不確定完全奏効1/26例、部分奏効6/26例)であった。また、組み入れられた患者の病型の内訳は、急性型15例、リンパ腫型7例、予後不良因子を有する慢性型4例であり、病型別での奏効率は、急性型33.3%(5/15例)、リンパ腫型57.1%(4/7例)、予後不良因子を有する慢性型50.0%(2/4例)であった。(表10参照)
注9)ATLL-002試験対象患者の詳細
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