悪化するおそれがある。]
8. 心機能異常のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
9. 過敏症の既往歴のある患者
10. 気管支喘息のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
11. 高齢者(「2.重要な基本的注意」及び「5.高齢者への投与」の項参照)
12. 小児等(「2.重要な基本的注意」及び「7.小児等への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1. 解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
2. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には,次の事項を考慮すること。
(1) 発熱,疼痛の程度を考慮し投与すること。
(2) 原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
(3) 原因療法があればこれを行うこと。
3. 過度の体温下降,虚脱,四肢冷却等があらわれることがあるので,特に高熱を伴う高齢者及び小児等又は消耗性疾患の患者においては,投与後の患者の状態に十分注意すること。
4. 高齢者及び小児等には副作用の発現に特に注意し,必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
5. 感染症を不顕性化するおそれがあるので,感染症を合併している患者に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し,観察を十分行い慎重に投与すること。(「3.相互作用」の項参照)
6. 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
7. **本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,特に総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は,アセトアミノフェンが含まれていないか確認し,含まれている場合は併用を避けること。また,アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること。(「警告(2)」及び「8.過量投与」の項参照)
8. アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがある。本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり,上気道炎等に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので,観察を十分行い慎重に投与すること。
9. 重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には定期的に肝機能検査を行い,患者の状態を十分に観察すること。高用量でなくとも長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また,高用量で投与する場合などは特に患者の状態を十分に観察するとともに,異常が認められた場合には,減量,休薬等の適切な措置を講ずること。
10. 慢性疾患(変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には,薬物療法以外の療法も考慮すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
リチウム製剤
(炭酸リチウム)
臨床症状・措置方法他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン,イブプロフェン等)で,リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し,リチウム中毒を呈したとの報告がある。
機序・危険因子非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより,炭酸リチウムの排泄が減少し,血中濃度が上昇すると考えられている。
薬剤名等
チアジド系利尿剤
(ヒドロクロロチアジド等)
臨床症状・措置方法他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)で,チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている。
機序・危険因子非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制して水,塩類貯留が生じ,チアジド系利尿剤の排泄作用に拮抗すると考えられている。
薬剤名等
アルコール
(飲酒)
臨床症状・措置方法アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
機序・危険因子アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により,アセトアミノフェンから肝毒性を持つN -アセチル-p -ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
薬剤名等
クマリン系抗凝血剤
(ワルファリンカリウム)
臨床症状・措置方法クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子本剤が血漿蛋白結合部位において競合することで,抗凝血剤を遊離させ,その抗凝血作用を増強させる。
薬剤名等
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
リファンピシン
イソニアジド
臨床症状・措置方法これらの薬剤の長期連用者は,肝薬物代謝酵素が誘導され,肝障害を生じやすくなるとの報告がある。
機序・危険因子これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により,アセトアミノフェンから肝毒性を持つN -アセチル-p -ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
薬剤名等
抗生物質
抗菌剤
臨床症状・措置方法過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから,併用する場合には観察を十分に行い,慎重に投与すること。
機序・危険因子機序不明
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. **ショック(頻度不明),アナフィラキシー (頻度不明):ショック,アナフィラキシー (呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN) (頻度不明),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) (頻度不明),急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。3. 喘息発作の誘発(頻度不明):喘息発作を誘発することがある。4. *劇症肝炎(頻度不明),肝機能障害(頻度不明),黄疸(頻度不明):劇症肝炎,AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。5. 顆粒球減少症(頻度不明):顆粒球減少症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。6. 間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部C