に際しては患者の状態をよく観察し、このような症状があらわれた場合には、人工呼吸等の適切な処置を行うこと。
10. 感染症
細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症(15%以上)が発現又は増悪することがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。本剤を投与する場合は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等の適切な処置を行うこと。
11. 進行性多巣性白質脳症(PML)
進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12. BKウイルス腎症
BKウイルス腎症(頻度不明)があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
13. リンパ腫等の悪性腫瘍
Epstein-Barrウイルスに関連したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫(0.1~5%未満)(初期症状:発熱、リンパ節腫大等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。特に2歳未満の乳幼児例又は抗リンパ球抗体の併用例において、発現の可能性が高い。また、過度の免疫抑制により、悪性腫瘍発現の可能性が高まることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
14. 膵炎
膵炎(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
15. 糖尿病、高血糖
糖尿病及び糖尿病の悪化(0.1~5%未満)、高血糖(15%以上)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
16. 肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
重大な副作用の注意
**注)発現頻度は本剤の重症筋無力症での市販後の調査結果に基づいている。
その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には症状に応じて、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
腎臓
5%以上又は頻度不明
腎障害(BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、尿蛋白)(23.1%)
腎臓
0.1~5%未満
尿量減少、血尿、多尿
腎臓
0.1%未満
頻尿、残尿感
代謝異常
5%以上又は頻度不明
高カリウム血症、高尿酸血症、低マグネシウム血症、CK(CPK)上昇注)
代謝異常
0.1~5%未満
アシドーシス、高コレステロール血症、高リン酸血症、低リン酸血症、高クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、低蛋白血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、尿糖
循環器
5%以上又は頻度不明
血圧上昇
循環器
0.1~5%未満
浮腫、頻脈、動悸、心電図異常、血圧低下
循環器
0.1%未満
徐脈
精神神経系
5%以上又は頻度不明
振戦、運動失調注)、幻覚注)
精神神経系
0.1~5%未満
しびれ、不眠、失見当識、せん妄、不安、頭痛、感覚異常
精神神経系
0.1%未満
めまい、眼振、外転神経麻痺、四肢硬直、傾眠、意識混濁、うつ病、興奮
消化器
5%以上又は頻度不明
胸やけ注)、消化管出血注)
消化器
0.1~5%未満
腸管運動障害、食欲不振、下痢、腹痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸炎、口内炎、悪心、嘔吐、腹部膨満感
消化器
0.1%未満
下血
膵臓
0.1~5%未満
アミラーゼ上昇
肝臓
5%以上又は頻度不明
肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇)
血液
5%以上又は頻度不明
好中球減少注)
血液
0.1~5%未満
貧血、血小板増多、血小板減少、白血球増多、白血球減少
血液
0.1%未満
リンパ球減少
皮膚
0.1~5%未満
発疹、紅斑、そう痒、脱毛
その他
5%以上又は頻度不明
疼痛注)、発赤注)、眼痛注)、多汗注)、口渇注)、冷感注)、胸痛注)
その他
0.1~5%未満
胸水、腹水、喘息、発熱、全身倦怠感、体重減少、ほてり、月経過多
その他
0.1%未満
咽喉頭異和感、筋肉痛、関節痛、味覚異常
発現頻度は本剤の肝移植、骨髄移植及び腎移植での成績に基づいている。
その他の副作用の注意
注)頻度不明
高齢者への投与
高齢者では一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦等:
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ウサギ)で催奇形作用、胎児毒性が報告されている3)。]
2. 授乳婦:
本剤投与中は授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]
小児等への投与
1.
骨髄移植及び腎移植では低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)
2.
心移植、肺移植、膵移植、小腸移植及び重症筋無力症では小児等に対する安全性は確立していない。 (使用経験が少ない。)
過量投与
症状:
BUN上昇、クレアチニン上昇、悪心、手振戦、肝酵素上昇等が報告されている4)5)。
処置:
胃洗浄、活性炭経口投与、フェニトイン投与などが行われているが、十分な経験はない。脂溶性が高く蛋白結合も高いため、血液透析は有用ではない。必要に応じて支持