象の増加がみられたとの報告がある(「副作用」の項参照)。]
3.
スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者[本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症があらわれる可能性がある。]
4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
本剤のHIV-2感染症患者に対する有効性・安全性は確認されていない。
2.
本剤をリトナビルと併用投与する場合には、リトナビルの添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の【使用上の注意】を必ず確認すること。
3.
本剤はHIV感染症治療の経験を有する医師が投与を行うこと。
4.
本剤の使用に際しては患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
(1)
本剤に関する臨床試験実施を含め、更なる有効性・安全性のデータを引き続き収集中であること。
(2)
本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
(3)
本剤による治療が性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険を減少させることは明らかではないこと。
5.
抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
6.
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
相互作用
本剤の活性代謝物であるアンプレナビルは、主としてCYP3A4で代謝される。また、アンプレナビルはCYP3A4の阻害作用を有する。
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
治療域が狭くCYP3A4で代謝される薬剤
シサプリド(国内承認整理済)
ピモジド(オーラップ)
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇し、不整脈等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。
機序・危険因子
アンプレナビルとこれら薬剤はCYP3A4で代謝されるため、併用により代謝が競合的に阻害される。
2.
薬剤名等
治療域が狭くCYP3A4で代謝される薬剤
ベプリジル塩酸塩水和物(ベプリコール)
臨床症状・措置方法
ベプリジル塩酸塩水和物の血中濃度が上昇し、生命に危険を及ぼす不整脈が起こる可能性がある。
機序・危険因子
アンプレナビルとこれら薬剤はCYP3A4で代謝されるため、併用により代謝が競合的に阻害される。
3.
薬剤名等
治療域が狭くCYP3A4で代謝される薬剤
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット等)
エルゴタミン酒石酸塩
エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリン)
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン等)
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇し、末梢血管攣縮、虚血等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。
機序・危険因子
アンプレナビルとこれら薬剤はCYP3A4で代謝されるため、併用により代謝が競合的に阻害される。
4.
薬剤名等
治療域が狭くCYP3A4で代謝される薬剤
ミダゾラム(ドルミカム等)
トリアゾラム(ハルシオン等)
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇し、過度の鎮静や呼吸抑制等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。
機序・危険因子
アンプレナビルとこれら薬剤はCYP3A4で代謝されるため、併用により代謝が競合的に阻害される。
5.
薬剤名等
バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)
臨床症状・措置方法
バルデナフィル塩酸塩水和物の血中濃度が上昇し、バルデナフィル塩酸塩水和物に関連する事象(低血圧、失神、視覚障害、持続勃起症等)の発現が増加する可能性がある。
機序・危険因子
アンプレナビルとこれら薬剤はCYP3A4で代謝されるため、併用により代謝が競合的に阻害される。
6.
薬剤名等
リファンピシン(アプテシン、リファジン、リマクタン等)
臨床症状・措置方法
リファンピシンはアンプレナビルのCmin及びAUCをそれぞれ92%及び82%低下させるため、本剤の作用が減弱する。
機序・危険因子
リファンピシンはCYP3A4の強力な誘導剤であるため、アンプレナビルの代謝が促進される。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
エファビレンツ
臨床症状・措置方法
本剤1400mg/リトナビル200mg1日1回とエファビレンツ600mg1日1回を併用した場合、アンプレナビルのAUCは13%、Cminは36%低下したが、リトナビルを300mgに増量すると、アンプレナビルの血中濃度は維持された。また、本剤700mg/リトナビル100mgの1日2回投与とエファビレンツ600mg1日1回を併用した場合、アンプレナビルの血中濃度に著しい変化はなかった。
機序・危険因子
これら薬剤はCYP3A4を誘導するため、本剤の代謝が促進される。
2. 薬剤名等
ネビラピン
臨床症状・措置方法
本剤1400mg1日2回とネビラピン200mg1日2回を併用した場合、アンプレナビルのCmax、AUC、Cminはそれぞれ25%、33%、35%低下し、ネビラピンのCmax、AUC、Cminはそれぞれ25%、29%、34%上昇した。
また、本剤700mg/リトナビル100mg1日2回とネビラピン200mg1日2回を併用した場合、アンプレナビルのAUC及びCminはそれぞれ11%、19%低下し、ネビラピンのCmax、AUC、Cminはそれぞれ13%、14%、22%上昇した。本剤700mg/リトナビル100mg1日2回とネビラピン200mg1日2回を併用