中止注3) 10% 10%
(n=Intent-to-treat-analysis)
注1)血漿中HIV-1 RNA量が400copies/mL未満、( )内の値は血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL未満
注2)リバウンドを起こした患者、48週を通じて血漿中HIV-1 RNA量が減少しなかった患者
注3)同意の撤回、試験途中でフォローアップ不可、プロトコール違反、データ欠測等
薬効薬理
1. 作用機序4)
ホスアンプレナビルは、アンプレナビルのプロドラッグであり、消化管上皮から吸収される過程でアンプレナビルに変換される。アンプレナビルは、前駆体ポリ蛋白質の解裂に関与するHIVプロテアーゼを阻害することで感染性を持つウイルスの産生を抑制する。
本剤とリトナビルを併用投与した場合、リトナビルによる強力なCYP3A4阻害により、アンプレナビルの代謝がリトナビルにより阻害される結果、血漿中アンプレナビル濃度が上昇する。なお、本剤とリトナビルを併用投与した場合の抗ウイルス活性は主にアンプレナビルによるものである(「薬物動態」の項参照)。
2. 抗ウイルス活性5)
アンプレナビルはMT-4細胞及び末梢血白血球におけるHIV-1 IIIB及びHIV-2 ZYの複製を抑制し、IC50値はそれぞれ80nM及び340nMであった。また、末梢血白血球における臨床分離HIV-1の複製をIC50値12~19nMで抑制した。
アンプレナビルは、ジダノシン、ジドブジン、アバカビル等のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)あるいはサキナビルと併用することにより抗ウイルス活性において相乗作用を示した。また、インジナビル、リトナビルあるいはネルフィナビルと併用することにより相加作用を示した。
3. 耐性6)~8)
HIVをアンプレナビル存在下で培養すると耐性発現の基本となるI50Vの変異及びM46I/L、I47Vの変異がHIVプロテアーゼに生じ、これらの3変異によりアンプレナビルの抗ウイルス活性のIC50値は10倍以上上昇する6)。また、この変異ウイルスをサキナビルの存在下で培養するとI47Vの変異が消失し、サキナビルに対する耐性を獲得すると共にアンプレナビルに対する感受性が回復した7)。一方、インジナビル、ネルフィナビルあるいはリトナビルの存在下ではそれぞれに特有の変異が出現し、2剤に耐性を示すようになる。また、in vitroではI54M、V32I+I47V及びI84Vの変異も同定されている。HIVプロテアーゼ阻害剤(PI)未治療患者において、NRTIであるアバカビル及びラミブジンの治療下でホスアンプレナビルを併用投与すると、17%(5/29例)にアンプレナビル耐性HIVが発現し、55%(16/29例)にNRTI耐性HIVが発現した(APV30001試験)。同じくPI未治療患者において、NRTI2剤の治療下でネルフィナビルを投与すると31%(17/54例)にネルフィナビル耐性HIVが発現したのに対して、ホスアンプレナビル/低用量リトナビルを併用投与してもアンプレナビル耐性HIVは発現せず(0/32例)、さらに、ホスアンプレナビル/低用量リトナビル併用時のNRTI耐性HIV発現率(13%、4/32例)もネルフィナビル投与時(57%、31/54例)に比較して低かった(APV30002試験)。PI未治療患者におけるアンプレナビル耐性HIVの発現には、I50V、I54L/M、V32I+I47VあるいはまれにI84V変異、さらにそれに続く二次変異としてのM46I/L変異が関与する可能性が示唆されている8)。
4. 交差耐性(社内資料)
アンプレナビルによって発現する変異の組み合わせはアンプレナビルに特有であり、他のPIではみられない。これらの変異HIVはリトナビルに対しては多少の交差耐性を示すものの、サキナビル、インジナビル及びネルフィナビルに対する感受性は変化しない。
PI既治療患者から分離したHIV中の耐性HIVの割合は、アンプレナビルが15%であり最も低かった(ロピナビル22%、サキナビル25%、インジナビル30%、リトナビル35%、ネルフィナビル55%)。また、PIに対して交差耐性を示す変異HIVの74%(322/433株)がアンプレナビルに感受性を示した。アンプレナビルに対する交差耐性に関連する主な変異としてはI84V+L10I/V/Fが考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ホスアンプレナビルカルシウム水和物
(Fosamprenavir Calcium Hydrate)
化学名
Monocalcium(3S)-tetrahydrofuran-3-yl(1S,2R)-3-{[(4-aminophenyl)sulfonyl](2-methylpropyl)amino}-1-benzyl-2-(phosphonatooxy)propylcarbamate hydrate
分子式
C25H34CaN3O9PS・xH2O
構造式
性状
白色~微黄白色の粉末で、水に極めて溶けにくい。
融点
約160℃(分解)
包装
レクシヴァ錠700:60錠 瓶
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Guidelines for Using Antiretroviral Agents Among HIV-Infected Adults and Adolescents.(DHHS,http://www.aidsinfo.nih.gov/Guidelines/)
2)
抗HIV治療ガイドライン(http://www.haart-support.jp/)
3)
HIV感染症「治療の手引き」(http://www.hivjp.org/)
4)
Painter,G.R.,et al.:Drugs of the Future,21,347-350(1996)
5)
St.Clair,M.H.,et al.:Antiviral Res.,29,53-56(1996)
6)
Partaledis,J.A.,et al.:J Virol,69,5228-5235(1995)
7)
Markland,W.,et al.:J Virol,74,7636-7641(2000)
8)
Maguire,M.et al.:Antimicrob Agents Chemother.,46,731-738(2002)
9)
*Song et al,Antimicrob.Agents Chemother.,58(11):6696-6700(2014)
文献請求先
グラクソ・スミスクライン株式会社
〒151-8566 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15
ヴィーブヘルスケア・カスタマー・サービス
TEL:0