減弱させるおそれがある。
機序・危険因子
エファビレンツの併用により、CYP3A代謝及びP-gpが誘導される。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
HIVプロテアーゼ阻害剤
アタザナビル、ロピナビル・リトナビル、サキナビル
臨床症状・措置方法
併用により、エルバスビルの血中濃度が上昇する、あるいは上昇すると予測される。
機序・危険因子
HIVプロテアーゼ阻害剤の併用により、CYP3A代謝が阻害されるが、他の経路にも影響している可能性がある。
2. 薬剤名等
ボセンタン、モダフィニル、エトラビリン
臨床症状・措置方法
併用により、エルバスビルの血中濃度が低下すると予測され、本剤の治療効果を減弱させるおそれがある。
機序・危険因子
これら薬剤の併用により、CYP3A代謝が誘導される。
3. 薬剤名等
ロスバスタチン
臨床症状・措置方法
併用により、ロスバスタチンの血中濃度が上昇する。
機序・危険因子
エルバスビルの併用により、腸管のBCRPが阻害される。
4. 薬剤名等
スニチニブ
臨床症状・措置方法
併用により、スニチニブの血中濃度が上昇するおそれがある。
機序・危険因子
エルバスビルの併用により、腸管のBCRPが阻害される。
副作用
エルバスビル及びグラゾプレビルを併用した国内臨床試験において、293例中80例(27.3%)に副作用が認められた。主な副作用はALT(GPT)増加17例(5.8%)、AST(GOT)増加14例(4.8%)、頭痛7例(2.4%)、倦怠感6例(2.0%)、下痢6例(2.0%)、便秘5例(1.7%)、発疹5例(1.7%)であった。
重大な副作用
肝機能障害
AST(GOT)増加(1.4%)注)、ALT(GPT)増加(2.0%)注)等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
注)基準値上限5倍超
その他の副作用
1. 全身症状
1%以上5%未満
倦怠感、疲労
2. 消化器
1%以上5%未満
下痢、便秘、腹部不快感、悪心
3. 皮膚
1%以上5%未満
発疹
4. 精神・神経系
1%以上5%未満
頭痛、浮動性めまい
5. 肝臓
5%以上
ALT(GPT)増加
6. 肝臓
1%以上5%未満
AST(GOT)増加
7. 肝臓
頻度不明注)
血中ビリルビン増加
8. 感染症及び寄生虫症
1%以上5%未満
鼻咽頭炎
9. 血液及びリンパ系障害
頻度不明注)
ヘモグロビン減少
その他の副作用の注意
上記のような副作用が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注)海外の臨床試験で認められている副作用は、頻度不明とした。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には投与しないこと。やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[エルバスビルがヒト乳汁中へ移行するかどうかは不明であるが、動物試験(ラット)でエルバスビルの乳汁中への移行が認められている1)。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
過量投与
ヒトにおけるエルバスビルの過量投与の経験は限られている。本剤の過量投与に対する解毒剤はない。過量投与時には、患者の状態を十分観察し、適切な対症療法を実施すること。
エルバスビルの血漿蛋白結合率は高いため、透析はエルバスビルの血中濃度を低下させるのに有効ではない。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
イヌ反復投与毒性試験において、ヒトにおける曝露量の1.7倍の曝露量で脾臓、消化管関連リンパ節等のマクロファージに、リン脂質症に関連する細胞質の空胞化が認められた。
薬物動態
1. 血中濃度及び薬物動態パラメータ
(1) 反復投与時の薬物動態パラメータ
日本人C型慢性肝炎患者にエルバスビル50mg及びグラゾプレビル100mgを1日1回12週間反復経口併用投与した際、定常状態(投与4週)におけるエルバスビルの血漿中薬物動態パラメータは表1の通りであった2)。
(表1 エルバスビル50mg1日1回投与時の定常状態における薬物動態パラメータ参照)
母集団薬物動態解析
日本人C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者324例を含む日本人及び非日本人被験者から得られたエルバスビルの血漿中薬物濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。エルバスビル50mgを投与された日本人C型慢性肝炎患者の定常状態における薬物動態パラメータの推定値[幾何平均(90%信頼区間)]は、AUC0-24hrが2.69(2.63, 2.85)μM・hr、Cmaxが0.17(0.16, 0.18)μM及びCtroughが70.0(67.6, 74.3)nMであった3)。
非日本人C型慢性肝炎患者での定常状態におけるエルバスビルのAUC0-24hrの推定値は、非重度腎機能障害者と比較して、透析をしていない重度腎機能障害者では1.46倍、末期腎不全透析者では1.30倍であった4)。
(2) 食事の影響
日本人健康成人にエルバスビル50mg及びグラゾプレビル100mgを単回併用経口投与した際、空腹時投与と食後投与のエルバスビルの血漿中AUC0-∞及びCmaxは類似していた[1.02倍及び0.99倍(食後/空腹時)]5)。
2. 分布
(1)
エルバスビルはヒト血漿蛋白に対し高い結合率を示し(>99.9%)、ヒト血清アルブミン及び&alph