リセリド血症(75.0%)、高コレステロール血症(81.3%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与を中止する等、適切な処置を行うこと。[「慎重投与」の項参照]
2. 膵炎
膵炎(頻度不明)があらわれることがあり、高トリグリセリド血症とともに急性膵炎を発現した例が報告されている。定期的に膵酵素を含む検査を行う等、患者の状態を十分に観察し、腹痛等の膵炎を示唆する症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 下垂体性甲状腺機能低下症、低血糖
下垂体性甲状腺機能低下症(93.8%)、低血糖(頻度不明)等の内分泌障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
4. 白血球減少症、好中球減少症、貧血
白血球減少症(31.3%)、好中球減少症(31.3%)、貧血(18.8%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
5. 肝不全、肝機能障害
肝不全(頻度不明)、AST(GOT)、ALT(GPT)、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(25.0%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
6. 感染症
肺炎(頻度不明)、敗血症(頻度不明)等の重篤な感染症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
7. 間質性肺疾患
間質性肺疾患(頻度不明)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 血栓塞栓症
肺塞栓症(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)、脳血管発作(頻度不明)等の血栓塞栓症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
9. 横紋筋融解症
横紋筋融解症(頻度不明)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、筋力低下、筋肉痛、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
代謝
10%未満
高尿酸血症、食欲減退
代謝
頻度不明注)
食欲不振、低蛋白血症
血液
10%以上
血小板数増加
血液
10%未満
血小板増加症、活性化部分トロンボプラスチン時間延長
血液
頻度不明注)
末梢性浮腫、骨髄機能不全、リンパ節症、白血球増加症、好酸球増加症
内分泌
10%未満
血中甲状腺刺激ホルモン減少、サイロキシン減少、遊離サイロキシン減少
内分泌
頻度不明注)
甲状腺機能低下症
循環器
10%未満
洞性不整脈、心電図QT延長
胃腸障害
10%以上
悪心、嘔吐
胃腸障害
頻度不明注)
下痢
皮膚
10%未満
脱毛症、皮膚炎、光線過敏症
皮膚
頻度不明注)
そう痒症、発疹、皮膚障害、剥脱性皮膚炎、皮膚剥脱
腎臓
10%未満
腎機能障害、血中クレアチニン増加
腎臓
頻度不明注)
血中尿素窒素増加
その他
10%以上
頭痛、倦怠感
その他
10%未満
無感情、耳管開放、片耳難聴、発声障害、浮腫
その他
頻度不明注)
無力症、ホルモン値変動/ホルモン値異常、疼痛、発熱、感染/細菌感染、悪寒、背部痛、白内障
その他の副作用の注意
注)海外でのみ認められた副作用
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
動物実験で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[ラットの胚・胎児発生に関する試験で、外表異常(口蓋裂、眼球膨隆部の陥凹、小耳、耳介低位及び舌突出)、内臓異常(小眼球)、骨格異常・変異(頭蓋骨、椎骨及び胸骨)並びに骨化遅延が認められている。また、ベキサロテンは合成レチノイドであることから、ビタミンA過剰誘発催奇形性のおそれがある。]
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[乳汁中に移行する可能性がある。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する本剤の安全性は確立していない。[使用経験がない。]
過量投与
海外臨床試験において、1日300mg/m2(体表面積)を超える用量を反復投与した際に、高コレステロール血症、白血球減少症、下痢等の発現率が高くなったとの報告がある。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
保存時:
ボトル包装の開封後は湿気を避けて保管すること。
その他の注意
1.
海外において本剤投与後に有棘細胞癌及び基底細胞癌の発現が報告されている。
2.
In vitro試験(光溶血性試験及びヒスチジン光酸化反応)において光毒性が認められている。
3.
ラット26週間反復投与試験において3mg/kg以上、イヌ39週間反復投与試験において10mg/kg以上の用量で、不可逆性の白内障が認められている。
薬物動態
1. 血中濃度
単回及び反復投与1)
CTCL患者に本剤150又は300mg/m2(体表面積)を食後に単回又は反復投与した時、単回投与時と比較して反復投与時の曝露量は低下し、AUC0-24に基づく累積係数は開始用量に係らず0.5であった。
2. 食事の影響1)~3)
健康成人(12例)に本剤75mgを絶食下に単回投与、健康成人(24例)に本剤400mg/m2 注)を食事中又は食直後に単回投与、及びCTCL患者(9例)に本剤150又は300mg/m2を食後に単回投与した際のPKデータを比較した結果、実投与量により補正した本剤のCmax及びAUCinfは