ビンの薬物動態は検討されていない。
6. *薬物相互作用(外国人における成績)
ネララビン及びara-Gは、in vitroで、主なヒト肝チトクロームP450(CYP)酵素であるCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4をいずれも100μMまでの濃度で阻害しなかった。
難治性の白血病患者を対象として、ネララビン1200mg/m2投与の4時間前にフルダラビン30mg/m2を30分間持続静注した試験では、12例の白血病患者(解析例)における血漿中ネララビン及びara-G又は白血病細胞内ara-GTPの薬物動態にフルダラビンの影響は認められなかった。
*表-1 成人における薬物動態パラメータ(幾何平均(95%信頼区間))
投与量 測定対象 評価日 AUC0-∞
(μM・hr) Cmax
(μM) t1/2
(hr) CLa)
(L/hr) Vssa)
(L)
1500mg/m2 ネララビン 1日目 33
(18-62) 26
(14-49) 0.23
(0.16-0.34) 244
(134-446) 82
(57-117)
1500mg/m2 ネララビン 5日目 46
(29-71) 38
(25-57) 0.22
(0.13-0.38) 176
(112-278) 56
(33-98)
1500mg/m2 ara-G 1日目 623
(391-992) 132
(109-160) 3.0
(2.1-4.2) 12.9
(8.2-20.3) 55
(42-73)
1500mg/m2 ara-G 5日目 572
(368-890) 124
(101-153) 2.9
(2.0-4.0) 14.1
(9.3-21.3) 58
(52-65)
1000mg/m2 ネララビン 1日目 36
(8-156) 28
(7-118) 0.30
(0.16-0.59) 148
(38-582) 65
(31-138)
1000mg/m2 ネララビン 5日目 30
(9-95) 23
(8-69) 0.29
(0.15-0.54) 180
(60-542) 75
(32-171)
1000mg/m2 ara-G 1日目 441
(263-739) 87
(65-116) 3.5
(2.8-4.5) 12.2
(7.7-19.3) 62
(31-124)
1000mg/m2 ara-G 5日目 399
(235-677) 83
(56-123) 3.4
(1.9-6.2) 13.5
(8.3-21.9) 67
(23-197)
*a)ara-GはCL/F及びVss/F
*(注)本剤の承認用量は1日1回1500mg/m2である。
*表-2 小児における薬物動態パラメータ(幾何平均(95%信頼区間))
投与量 測定対象 評価日 AUC0-∞
(μM・hr) Cmax
(μM) t1/2
(hr) CLa)
(L/hr) Vssa)
(L)
650mg/m2 ネララビン 1日目 25
(6-104) 31
(7-131) 0.25
(0.13-0.47) 91
(23-360) 33
(7-151)
650mg/m2 ara-G 1日目 192
(114-325) 64
(52-77) 1.7
(1.3-2.1) 12.1
(7.9-18.5) 28.9
(16.6-50.5)
400mg/m2b) ネララビン 1日目 19, -c) 8.4, 23.7 0.21, -c) 86.5, -c) 26.5, -c)
400mg/m2b) ara-G 1日目 78, 140 36, 45 1.9, 2.0 15.9, 11.6 43.4, 32.9
*a)ara-GはCL/F及びVss/F,b)n=2のため、個体値を記載,c)Cmaxしか算出できず
*(注)本剤の承認用量は1日1回650mg/m2である。
臨床成績
1.
海外で実施された再発又は難治性T細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞リンパ芽球性リンパ腫を対象とした第II相臨床試験成績は以下のとおりである。
(表3参照)
2.
*再発又は難治性T細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞リンパ芽球性リンパ腫を対象とした国内第I相臨床試験において成人7例(T細胞急性リンパ性白血病患者4例、T細胞リンパ芽球性リンパ腫患者3例)のうち1例で完全寛解が、小児4例(いずれもT細胞急性リンパ性白血病)のうち2例で完全寛解が得られた。注)
注)本剤の通常用量は、成人では「ネララビンとして1500mg/m2(体表面積)を1日1回2時間以上かけて点滴静注する。これを1、3、5日目に投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。」、小児では「ネララビンとして650mg/m2(体表面積)を1日1回1時間以上かけて点滴静注する。これを5日間連日投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。」である。通常、15歳未満の患者には、小児に対する用法・用量にて投与すること。(「用法・用量」の項参照)
*表-3 海外第II相臨床試験成績
16歳以上注)
1500mg/