8%)であった。
†:本邦における効能・効果は、再発又は難治性のT細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞リンパ芽球性リンパ腫である。
*再発又は難治性のT細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞リンパ芽球性リンパ腫を対象とした国内第I相臨床試験2)において発現した臨床検査値異常を含む主な有害事象は以下のとおりであった。
成人
7例に認められた臨床検査値異常を含む主な有害事象は、傾眠7例(100%)、悪心5例(71%)、リンパ球数減少、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加各4例(57%)であった。
小児
6例に認められた臨床検査値異常を含む主な有害事象は、白血球数減少5例(83%)、リンパ球数減少4例(67%)、ヘモグロビン減少、尿潜血陽性、好中球数減少各3例(50%)であった。
重大な副作用
1. 神経系障害
傾眠(23%)、末梢性ニューロパシー(感覚性及び運動性)(21%)、感覚減退(17%)、錯感覚(15%)及びてんかん様発作(痙攣、大発作痙攣、てんかん重積状態を含む)(1%)があらわれることがある。また、脱髄、ギラン・バレー症候群に類似した上行性の末梢性ニューロパシー、進行性多巣性白質脳症、あるいは致死的なてんかん重積状態も報告されている。神経系障害に対しては特に注意深く観察し、CTCAEのグレード2以上に該当するこれらの神経系の症状が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。
2. 血液障害
貧血(99%)、血小板減少症(86%)、好中球減少症(81%)、発熱性好中球減少症(12%)及び白血球減少症(3%注1))があらわれることがある。血小板を含む全血算を定期的にモニタリングするとともに患者の状態を注意深く観察し、異常が認められた場合には、休薬期間の延長又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3. 錯乱状態
錯乱状態(8%)があらわれることがあるので、異常が認められた場合は休薬期間の延長又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4. 感染症
敗血症、菌血症、肺炎、真菌感染等の感染症(39%)があらわれることがある。本剤投与中に致死的な日和見感染をおこすおそれがあるので、異常が認められた場合は休薬期間の延長又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. 腫瘍崩壊症候群
腫瘍崩壊症候群(1%)があらわれることがある。高尿酸血症等を伴うことがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、輸液投与や高尿酸血症治療剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6. *横紋筋融解症
横紋筋融解症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
7. **劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
劇症肝炎(頻度不明)、AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等を伴う肝機能障害(9%注1))、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬期間の延長又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 神経
10~50%未満
めまい、頭痛
2. 神経
1~10%未満
振戦、運動失調、健忘、味覚異常、平衡障害
3. 眼
1~10%未満
霧視
4. 呼吸器
10~50%未満
胸水、呼吸困難、咳嗽
5. 呼吸器
1~10%未満
喘鳴
6. 消化器
10~50%未満
下痢、悪心、嘔吐、便秘
7. 消化器
1~10%未満
食欲不振、口内炎、腹痛
8. 筋骨格
10~50%未満
筋痛
9. 筋骨格
1~10%未満
筋力低下、関節痛、背部痛、四肢痛
10. 全身
10~50%未満
浮腫、末梢性浮腫、疼痛、発熱、疲労、無力症
11. 全身
1~10%未満
歩行異常
12. **皮膚
1~10%未満
発疹、紅斑
13. **その他
1~10%未満
低カリウム血症注1)、低血糖症注2)、低カルシウム血症、低マグネシウム血症、血中クレアチニン増加、低血圧
14. **その他
頻度不明
心室頻拍
注1)小児を対象とした海外臨床試験において、10~50%未満に認められた有害事象
注2)小児を対象とした海外臨床試験に基づく発現頻度
高齢者への投与
十分な症例数ではないものの海外臨床試験での探索的な分析の結果、65歳以上で神経系障害の発現率が高い傾向がみられているため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には、本剤による治療中は避妊するよう指導すること。妊娠中に本剤を使用するか、本剤を使用中の患者が妊娠した場合は、胎児に異常が生じる可能性があることを患者に十分説明すること。[動物実験において、妊娠7~19日のウサギに本剤を8時間静脈内持続投与した結果、354mg/m2/日(成人用量の約24%)以上の投与量において、胆嚢無発生、肺分葉異常、胸骨分節の癒合又は過剰及び骨化遅延などの胎児の奇形及び変異の発現が対照群に比べて高い頻度で観察された。また、1180mg/m2/日以上(成人用量の約79%)の投与量においては欠指(第1指)、3540mg/m2/日(成人用量の約2倍)の投与量においては口蓋裂、母動物の体重増加量減少及び胎児体重の低値がみられた。]
2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[本剤又は本剤の活性代謝物であるara-Gがヒトの乳汁中に移行するかどうかは不明である。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない(低出生体重児、新生児に対しては使用経験がなく、乳児に対しては使用経験が少ない)。
過量投与
徴候・症状
本剤の過量投与時の報告は知られていないが、過量投与により麻痺、昏睡を含む重度の神経系障害や骨髄抑制が発現し、場合によっては致死的な結果をもたらすおそれもある。海外の臨床試験において、本剤2200mg/m2を1、3、5日目に投与し、21日毎に繰り返したところ、2例にグレード3注)に該当する感覚性ニューロパシーが発現し、MRI検査においていずれも頸髄の脱髄と一致する所見が認められたとの報告がある。
注) グレード分類は、SWOG(Southwest Oncology Group)toxicity criteriaにより評価 |