.5%)に皮膚灼熱感、刺痛感、潰瘍部位からの出血が認められた2)。
その他の副作用
皮膚
5%以上
潰瘍部位からの出血
皮膚
頻度不明
皮膚乾燥、紅斑、そう痒症、皮膚不快感(皮膚灼熱感、皮膚疼痛、皮膚刺痛)、皮膚刺激、接触性皮膚炎、皮膚剥脱、顔面腫脹
神経系
頻度不明
末梢神経障害(四肢のしびれ、感覚鈍麻、錯感覚等)、味覚異常(金属味)
胃腸障害
頻度不明
悪心
過敏症
頻度不明
蕁麻疹、血管浮腫
高齢者への使用
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、慎重に使用すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への使用
1.
胎児に対する安全性は確立していないので、妊娠3ヵ月以内は使用しないこと。(「禁忌」の項参照)[妊婦への経口投与により、胎盤関門を通過して胎児へ移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]
2.
授乳中の婦人に使用することを避け、やむを得ず使用する場合には授乳を中止すること。[授乳婦への経口投与により、母体血漿中と同程度の濃度で母乳中に移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]
小児等への使用
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立されていない。[使用経験がない。]
適用上の注意
ガーゼ等の交換時に患部に刺激を与えることがあるため、浸潤させる等本剤塗布部位の乾燥に注意すること。
その他の注意
本剤の長期の使用経験はないため、本剤を長期に使用する場合には、投与の継続を慎重に判断すること。また本剤の塗布時には、患部の状態を観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、動物にメトロニダゾールを長期経口投与した場合、マウスでは肺腫瘍が3~4)、またラットでは乳房腫瘍の発生が報告されているが5)、ハムスターの生涯投与試験では腫瘍はみられていないとの報告がある4)。
薬物動態
1. 血中濃度
国内第III相臨床試験1)において、1日最大30g(メトロニダゾールとして225mg)を7日間潰瘍部位に塗布後の平均最高血漿中濃度は852ng/mL(範囲:136~2872ng/mL)であり、トラフ濃度は投与7日目380±281ng/mL及び14日目510±565ng/mLであった。
2. 分布
(1) 組織分布(参考-動物実験)
メトロニダゾールをラット6)及びウサギ7)に静脈内投与した後、又はマウス8)及びラット9)に経口投与した後の血中から組織への分布は速やかであり、排泄器官(胃腸管、腎臓及び膀胱)並びに肝臓への分布が高かった。投与24時間後に残存濃度が高かったのは、肝臓、消化管及び腎臓であった。
(2) 胎児への移行(外国人によるデータ)
分娩開始初期からメトロニダゾール内服錠200mgを3時間ごとに投与して、母子の血中濃度を測定したとき、胎盤関門を通過して胎児に移行することが認められた10)。
(3) 母乳中への移行(外国人によるデータ)
平均年齢22.5歳の母親及び生後5日の新生児10例を選び、母親にメトロニダゾール内服錠200mgを経口投与し、4時間ごとに授乳して母乳中及び新生児の血中への移行を測定した。母乳中の平均濃度は4時間3.4μg/mL、8時間2.2μg/mL、12時間1.8μg/mLで母親の血中と同程度に移行したが、新生児の血中濃度は痕跡~0.4μg/mLと極めて微量であった(測定法:polarography)11)。
3. 代謝(外国人によるデータ)
主として肝臓で代謝される。
尿中に排泄されたニトロ基を含む代謝物中、未変化のメトロニダゾール及びそのグルクロン酸抱合体が30~40%を占め、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシメチル-5-ニトロイミダゾール及びそのグルクロン酸抱合体が主代謝物で40~50%を占めた12)。
4. 排泄(参考-動物実験)
メトロニダゾールをラット6)及びウサギ7)に静脈内投与した後、又はマウス12)及びラット13)に経口投与した後の主要な排泄経路は尿中であり、ラットにおいてメトロニダゾール及び代謝物の腸肝循環は著明には認められなかった13)。
臨床成績
がん性皮膚潰瘍に伴う臭気を有する患者を対象に本剤を14日間投与した国内第III相臨床試験において、改善率(「においがない」又は「においがあるが不快ではない」にまで改善をした割合)は95.2%(21例中20例)であり、90%信頼区間(正確法)は79.3~99.8%であった1)。
薬効薬理
1. 薬理作用
メトロニダゾールは、皮膚潰瘍部位において臭気物質(プトレシン、カダベリン)を産生する数種類のグラム陽性及びグラム陰性嫌気性菌に対して抗菌作用を発揮することによってがん性皮膚潰瘍に伴う臭気を軽減する14)。
2. 作用機序
抗原虫及び抗菌作用
メトロニダゾールは嫌気性条件下で原虫又は菌体内の酸化還元系によって還元を受け、ニトロソ化合物に変化する。このニトロソ化合物がDNAと結合してDNA合成を阻害し、抗原虫作用及び抗菌作用を示す。また、反応の途中で生成したヒドロキシルアミン付加体がDNA損傷を惹起する15~16)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
メトロニダゾール Metronidazole(JAN)[日局]
化学名
2-(2-Methyl-5-nitro-1H-imidazol-1-yl)ethanol
分子式
C6H9N3O3
分子量
171.15
化学構造式
性 状
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)又はアセトンにやや溶けにくく、水に溶けにくい。
希塩酸に溶ける。
光によって黄褐色になる。
融 点
159~163℃
分配係数
0.81[pH7.4, 1-オクタノール/緩衝液]
取扱い上の注意
凍結をさせないこと。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
ロゼックスゲル0.75%:50g(チューブ)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料(第III相臨床試験)
2)
Finlay, I.G. et al.:J. Pain Symptom Manage., 11(3), 158, 1996
3)
Rustia, M. et al.:J. Natl. Cancer Inst., 48(3), 721, 1972
4)
Roe, F.J.C. et al.:Surgery, 93(1), 158, 198