た1例を除外
薬効薬理
1. 作用機序13),14),15)
クラドリビンはdeoxycytidine kinaseによってリン酸化を受け、2-chloro-2'-deoxy-β-D-adenosine monophosphate(2-CdAMP)となる。クラドリビンは、adenosine deaminaseによる脱アミノ化に抵抗性であり、またリンパ球及び単球中には5'-nucleotidaseがほとんど存在しないことから、2-CdAMPは細胞内に蓄積し、さらに活性体のdeoxynucleoside triphosphateである2-chloro-2'-deoxy-β-D-adenosine triphosphate(2-CdATP)にまで変換され細胞毒性を発現する。したがって、deoxycytidine kinase活性が高く5'-nucleotidase活性の低い細胞(リンパ球、単球)に対して、本剤は選択的な殺細胞効果を有すると考えられる。
2. 抗腫瘍効果14)
クラドリビンは100nM以下の濃度でリンパ球及び単球の幹細胞由来の株化細胞に細胞傷害作用を示した。また、正常新鮮ヒト末梢血より単離したリンパ球及び単球に濃度依存的な細胞傷害作用(単球に対するIC50:27nM)を示したが、線維芽細胞GM01380(confluent)には作用はみられなかった。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
クラドリビン(JAN)、cladribine(JAN,INN)
化学名
2-chloro-2'-deoxyadenosine
分子式
C10H12ClN5O3
分子量
285.69
化学構造式
性状
白色~微黄白色の粉末
溶解性
プロピレングリコール又はマクロゴール400にやや溶けにくく、水、メタノール、エタノール(95)、2-プロパノール、グリセリン又はアセトンに溶けにくく、1-オクタノールに極めて溶けにくく、ジクロロメタン又はn-ヘプタンにほとんど溶けない。
承認条件
<「再発・再燃又は治療抵抗性の低悪性度又はろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫」の7日間持続点滴静注承認時の承認条件>
再発・再燃又は治療抵抗性の低悪性度又はろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫に対する本薬の有効性及び安全性の更なる明確化を目的とした適切な市販後臨床試験を国内で実施すること。
包装
ロイスタチン注8mg:1バイアル(8mL)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Cheson, B. D., et al.:J. Clin. Oncol., 12, 2216, 1994
2)
クラドリビンの過量投与(社内資料)
3)
Oldham, J. W., et al.:クラドリビンの染色体異常試験(社内資料)
4)
Oldham, J. W., et al.:クラドリビンの小核試験(社内資料)
5)
Coogan, T. P., et al.:反復投与毒性試験(社内資料)
6)
飛内賢正:クラドリビンのリンパ系悪性腫瘍患者に対する臨床第I相試験(社内資料)
7)
Tobinai, K., et al.:Jpn. J. Clin. Oncol., 27, 146, 1997
8)
石田 亮:クラドリビンの低悪性度非ホジキンリンパ腫に対する臨床第I/II相試験(2時間点滴静注・5日間連日投与)(社内資料)
9)
Smith, I. L., et al.:クラドリビンの血漿蛋白結合率の検討(社内資料)
10)
木谷照夫:クラドリビンのヘアリーセル白血病患者に対する臨床第II相試験(社内資料)
11)
Ogura, M., et al.:Int. J. Hematol., 80, 267, 2004
12)
飛内賢正:クラドリビンの成人T細胞白血病・リンパ腫に対する臨床第II相試験(社内資料)
13)
Carson, D. A., et al.:Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 6865, 1980
14)
Carrera, C. J., et al.:J. Clin. Invest., 86, 1480, 1990
15)
Carson, D. A., et al.:Blood, 62, 737, 1983
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