を観察すること。
機序・危険因子
本剤はリン酸結合性ポリマーであり、同時に服用した場合、これらの薬剤の吸収を遅延あるいは減少させる。
薬剤名等
シプロフロキサシン
臨床症状・措置方法
他のリン酸結合性ポリマーで、同時に服用した場合、シプロフロキサシンのバイオアベイラビリティが低下したとの報告がある。シプロフロキサシンの作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合にはこの薬剤の作用を観察すること。
機序・危険因子
本剤はリン酸結合性ポリマーであり、同時に服用した場合、これらの薬剤の吸収を遅延あるいは減少させる。
薬剤名等
甲状腺ホルモン製剤
レボチロキシン等
臨床症状・措置方法
他のリン酸結合性ポリマーとレボチロキシンとの併用患者において、甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度が上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
機序不明
副作用
副作用等発現状況の概要
**国内で実施した透析中の慢性腎不全患者を対象とした臨床試験では502例中140例(27.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、便秘・便秘増悪(15.9%)、硬便(2.6%)、腹部不快感(1.8%)、腹部膨満(1.0%)であった。
また、国内で実施した保存期の慢性腎臓病患者を対象とした臨床試験では、185例中58例(31.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、便秘・便秘増悪(17.3%)、腹部膨満(2.2%)、悪心(2.2%)、腹部不快感(1.1%)、腹痛(1.1%)、下痢(1.1%)、嘔吐(1.1%)、便潜血陽性(1.1%)であった。(効能・効果追加時:2016年2月)
重大な副作用
1. 腸管穿孔、腸閉塞(いずれも頻度不明)
腸管穿孔、腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。これらの病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、 CT等)を実施し、適切な処置を行うこと。
2. 虚血性腸炎(1%未満)
虚血性腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 消化管出血、消化管潰瘍(各1%未満)
吐血、下血及び食道、胃、十二指腸、結腸、直腸等の潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、これらの病態が疑われる場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4. 便秘・便秘増悪(15%以上)
便秘・便秘増悪が高頻度で認められている。これらの症状があらわれた場合には本剤の減量又は休薬を考慮し、高度の場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用(類薬)
1. 憩室炎
類薬で憩室炎の発現が報告されているので、本剤においても十分に観察を行うこと。病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 肝機能障害
類薬で AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害の発現が報告されているので、本剤においても十分に観察を行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような症状があらわれた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
**消化器
1~5%未満
硬便、腹部不快感、腹部膨満、悪心
**消化器
1%未満
下痢、嘔吐、腹痛、胃炎、痔核、便潜血陽性
皮膚
1%未満
そう痒症
血液
1%未満
血中副甲状腺ホルモン増加
精神神経系
1%未満
下肢静止不能症候群
その他
1%未満
口渇、回転性めまい
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、消化器症状等の副作用の発現に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬物動態
1. 吸収・排泄(外国人データ)
健康成人10例に14C-ビキサロマー2,500mgを単回経口投与した結果、投与後168時間までに投与放射能の93.2%が糞中に検出された。投与放射能の0.00326%が尿中に検出されたものの血液中に放射能は検出されなかった。この結果より、ビキサロマーは非吸収性であると推察された1)。
2. 薬物相互作用試験
(1)
健康成人を対象として、本剤2,500mgを併用したときのエナラプリル、アトルバスタチン及びバルサルタンの薬物動態への影響を検討した。その結果、エナラプリルのCmax及びAUCはいずれも約80%に低下し、アトルバスタチンのCmax及びAUCは約70~80%に低下した2)3)。また、バルサルタンのCmax及びAUCは約30~40%に低下した4)。
(2)
健康成人を対象として、本剤2,500mgを併用したときのワルファリン、ジゴキシン及びシナカルセトの薬物動態への影響を検討した。その結果、ワルファリン、ジゴキシン、シナカルセトの血漿中濃度に対して本剤の影響は認められなかった5)~7)。(外国人データ)
臨床成績
1. 血液透析患者
(1) 比較試験
高リン血症を合併する血液透析中の慢性腎不全患者104例(本剤54例、セベラマー塩酸塩50例)を対象として本剤1日1,500mgから投与を開始し、1日7,500mgまでの範囲で適宜増減し、12週間投与した。投与開始時の血清リン濃度(平均値±標準偏差)は、7.85±1.539mg/dLであった。投与開始時の血清リン濃度を共変量とした主解析では、投与終了時の血清リン濃度(調整済み平均±標準誤差)は、5.87±0.154mg/dLと低下が認められた。また、血清補正カルシウム濃度は、投与開