加し、Cmaxは9%(90%信頼区間:1~17%)低下した。CYP3A4の阻害薬であるシクロスポリン(CsA)との併用投与により、トファシチニブ単独投与時と比較して、トファシチニブを単回投与したときのAUCは73%(90%信頼区間:62~85%)増加し、Cmaxは17%(90%信頼区間:3~29%)低下した。
(5) リファンピシン30)
CYP3A4の誘導薬であるリファンピシンとの併用投与により、トファシチニブのAUC及びCmaxは、トファシチニブ単独投与時と比較して、それぞれ84%(90%信頼区間:82~86%)及び74%(90%信頼区間:69~77%)低下した。
(6) ミダゾラム31)
トファシチニブ(30mg 1日2回投与注))とミダゾラムの併用投与によるミダゾラムのAUCの増加は4%(90%信頼区間:-4~13%)、Cmaxの増加は2%(90%信頼区間:-4~9%)であり、ミダゾラムのCmax又はAUCに影響は認められなかった。
(7) 経口避妊薬32)
健康女性被験者において、トファシチニブ(30mg 1日2回投与注))の併用投与により、経口避妊薬(レボノルゲストレル及びエチニルエストラジオール)の薬物動態に影響は認められなかった。トファシチニブとの併用時のレボノルゲストレルのAUCは1%(90%信頼区間:-5~7%)増加し、Cmaxは12%(90%信頼区間:5~20%)増加した。トファシチニブとの併用時のエチニルエストラジオールのAUCは7%(90%信頼区間:-1~15%)増加し、Cmaxは10%(90%信頼区間:2~18%)減少した。
8. 腎機能障害患者(外国人データ)33)
軽度、中等度、重度の腎機能障害患者各6例、腎機能正常被験者6例にトファシチニブ10mgを単回経口投与注)したとき、全被験者でCmaxの平均値は類似していた。腎機能正常被験者と比べ、軽度、中等度及び重度の腎機能障害被験者におけるAUC0-∞の平均値の比は、それぞれ137%(90%信頼区間:97~195%)、143%(90%信頼区間:101~202%)及び223%(90%信頼区間:157~316%)であった。t1/2の平均値は、腎機能正常被験者における2.4時間から重度の腎機能障害被験者における3.8時間まで延長した。
(表3参照)
9. 肝機能障害患者(外国人データ)34)
軽度及び中等度の肝機能障害患者各6例、肝機能正常被験者6例にトファシチニブ10mgを単回経口投与注)したとき、軽度肝障害群のCmaxの幾何平均値は肝機能正常群よりも0.6%低く、AUC0-∞の幾何平均値は3.2%高かった。中等度肝障害群のCmaxの幾何平均値は肝機能正常群よりも49%高く、AUC0-∞の幾何平均値は65%高かった。t1/2の平均値については、肝機能正常群の4.1時間から中等度肝障害群の5.4時間まで延長した。
(表4参照)
注:本剤の承認用法・用量は、5mg 1日2回経口投与である。
表1
日本人被験者
1mg
(N=6) 日本人被験者
5mg
(N=6)
AUC0-∞
(ng・h/mL) 幾何平均値
%CV 22.0
28 111
22
Cmax
(ng/mL) 幾何平均値
%CV 7.32
14 41.3
35
tmax
(h) 中央値
範囲 0.75
0.50-2.00 0.50
0.50-1.00
t1/2
(h) 算術平均値
範囲 1.96
1.69-2.40 2.49
2.06-3.60
表2
単回投与
1日目注1)(N=6) 反復投与
8日目注1)(N=6)
AUCτ注2)
(ng・h/mL) 幾何平均値
%CV 387
32 445
25
Cmax
(ng/mL) 幾何平均値
%CV 141
34 136
32
tmax
(h) 中央値
範囲 0.75
0.50-1.00 0.75
0.50-1.00
t1/2
(h) 算術平均値
範囲 3.14
2.36-4.06 3.28
2.58-3.97
累積係数注3) 幾何平均値
%CV -
- 1.15
10
注1:投薬スケジュール:1日目 単回投与、2-3日目 休薬期間、4-8日目 反復投与(8日目は朝1回のみ投与)
注2:投与間隔(τ):12時間
注3:8日目のAUCτ/1日目のAUCτ
表3
正常
(N=6) 軽度
(N=6) 中等度
(N=6) 重度
(N=6)
AUC0-∞
(ng・h/mL) 260
(71.5) 357
(109) 370
(154) 579
(214)
Cmax
(ng/mL) 91.2
(25.3) 84.9
(23.2) 95.0
(47.5) 107
(28.6)
tmax
(h) 0.8
(0.5-1.5) 1.0
(0.5-1.5) 0.8
(0.5-2.0) 0.8
(0.5-1.5)
t1/2
(h) 2.37
(0.36) 2.83
(0.86) 2.88
(0.65) 3.77
(0.48)
AUC0-∞及びCmax:幾何平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)、t1/2:算術平均値(標準偏差)
表4
正常
(N=6) 軽度
(N=6) 中等度
(N=6)
AUC0-∞
(ng・h/mL) 355
(82.6) 366
(55.9) 584
(280)
Cmax
(ng/mL) 60