未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
5. 間質性肺炎(0.1%)
間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスティス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意すること。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
1. 感染症及び寄生虫症(5%以上)
鼻咽頭炎
2. 感染症及び寄生虫症(1%以上5%未満)
帯状疱疹、気管支炎、インフルエンザ、副鼻腔炎、膀胱炎、咽頭炎
3. 感染症及び寄生虫症(0.1%以上1%未満)
肺炎、細菌性肺炎、肺炎球菌性肺炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、ウイルス性胃腸炎、ウイルス感染、単純ヘルペス
4. 感染症及び寄生虫症(0.1%未満)
脳炎(BKウイルス脳炎を含む)、壊死性筋膜炎、クリプトコッカス性髄膜炎、ニューモシスティス肺炎、ブドウ球菌性菌血症、結核、細菌性関節炎、非定型マイコバクテリア感染、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス感染、サイトメガロウイルス感染、菌血症
5. 血液及びリンパ系障害(1%以上5%未満)
貧血
6. 血液及びリンパ系障害(0.1%以上1%未満)
白血球減少、好中球減少、リンパ球減少
7. 代謝及び栄養障害(1%以上5%未満)
高脂血症
8. 代謝及び栄養障害(0.1%以上1%未満)
脂質異常症
9. 代謝及び栄養障害(0.1%未満)
脱水
10. 精神障害(0.1%以上1%未満)
不眠症
11. 神経系障害(1%以上5%未満)
頭痛
12. 神経系障害(0.1%以上1%未満)
錯感覚
13. 血管障害(1%以上5%未満)
高血圧
14. 呼吸器、胸郭及び縦隔障害(0.1%以上1%未満)
呼吸困難、咳嗽、副鼻腔うっ血
15. 胃腸障害(1%以上5%未満)
下痢、悪心、消化不良
16. 胃腸障害(0.1%以上1%未満)
腹痛、嘔吐、胃炎
17. 肝胆道系障害(0.1%以上1%未満)
脂肪肝
18. 皮膚及び皮下組織障害(0.1%以上1%未満)
発疹、紅斑、そう痒症
19. 筋骨格系及び結合組織障害(0.1%以上1%未満)
筋骨格痛、関節痛
20. 筋骨格系及び結合組織障害(0.1%未満)
腱炎、関節腫脹
21. 一般・全身障害及び投与部位の状態(0.1%以上1%未満)
発熱、疲労、末梢性浮腫
22. 臨床検査(1%以上5%未満)
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
23. 臨床検査(0.1%以上1%未満)
肝酵素上昇、低比重リポ蛋白増加、高比重リポ蛋白増加、血中コレステロール増加、体重増加、トランスアミナーゼ上昇、血中クレアチニン増加、γ-GTP増加、肝機能検査異常
24. 傷害、中毒及び処置合併症(0.1%未満)
関節捻挫、肉離れ
高齢者への投与
高齢者において重篤な感染症の発現頻度の上昇が認められている。一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。[肝機能及び腎機能の低下により本剤の血中濃度の増加が認められている。「薬物動態」の項参照]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験では催奇形性が報告されており、ヒトに本剤を投与したときの血漿中濃度と比較したとき、催奇形性に関する安全域はラット及びウサギでそれぞれ78倍(無毒性量:30mg/kg/日)及び2.8倍(無毒性量:10mg/kg/日)であった。また、ラットで受胎能、出産、胎児の発達への影響が報告されており、雌ラットの受胎能及び初期胚発生に関する安全域は5.7倍(無毒性量:1mg/kg/日)であった1)。]
2.
本剤投与中は授乳を中止させること。[ラットで乳汁中へ移行することが報告されている2)。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験はない)。
過量投与
過量投与の場合、本剤に特異的な解毒薬はないので、患者の状態を十分に観察すること。副作用症状が発現した場合は適切な対症療法と支持療法を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1.
本剤の単剤投与での6ヵ月間の二重盲検比較試験において、100人・年あたりの重篤な感染症の発現率はプラセボ群では0であったのに対し、トファシチニブ5mg 1日2回投与群及び10mg 1日2回投与群注)でそれぞれ0.85及び3.5であった。
本剤のDMARD併用投与での6ヵ月間又は12ヵ月間投与の二重盲検比較試験において、100人・年あたりの重篤な感染症の発現率はプラセボ群では1.7であったのに対し、トファシチニブ5mg 1日2回投与群及び10mg 1日2回投与群注)でそれぞれ3.6及び2.9であった。
また、本剤の長期間投与を受けた関節リウマチ患者における100人・年あたりの重篤な感染症の発現率は、トファシチニブ5mg 1日2回投与群及び10mg 1日2回投与群注)でそれぞれ2.3及び4.9であった。
2.
本剤はJAK阻害作用を有することから免疫系及び造血系へ影響を及ぼす可能性があり、非臨床試験ではリンパ球数及び赤血球数の減少などに加え、免疫抑制(IFN-α/β、IFN-γ、TNF-α等のサイトカインの抑制等)に起因する二次的な作用(細菌及びウイルス感染ならびにリンパ腫)がみられた。また、その他に肝臓や消化管への影響(トランスアミナーゼの上昇や胃腸の拡張など)もみられた。
3.
ラットのがん原性試験(24ヵ月投与)において、良性ライディッヒ細胞腫(75mg/kg/日の雄)、褐色脂肪腫(30mg/kg/日以上の雌)、良性胸腺腫(75mg/kg/日の雌)、良性血管腫(10mg/kg/日の雄)の発現頻度の上昇が認められた3)。
4.
サル39週間投与試験では10mg/kg/日で8例中3例に、サル腎同種片移植試験ではミコフェノール酸モフェチルを併用投与した動物8例中1例でリンパ腫が認められた4,5